生活保護でパチンコしたらダメですか?

生活保護でパチンコしたらダメですか?

どうも納得がいかない。こんな思いでニュースをご覧になった人も多いのではないだろうか。大分県内の2つの自治体が、ギャンブルを理由に生活保護受給者への給付を停止した措置について、県から「不適切」と指摘され、方針撤回を決めた。「権利」か「恩恵」か。感情論が先立つ生活保護の在り方を冷静に考えたい。

ギャンブルするのも自由

  • 餓死にもつながる生活保護停止 感情論で判断してはいけない

    餓死にもつながる生活保護停止 感情論で判断してはいけない

    生活保護の停止や廃止が恣意的が行われると餓死や孤立死が頻発する可能性もある。困窮者支援のNPO法人「ほっとプラス」代表理事の藤田孝典は生活保護法の趣旨や理念を理解し、感情に流されない判断が必要だと説く。

先にメスを入れるべき費用がある

  • 生活保護でパチンコ禁止にみる「正しい貧乏人」のあり方

    生活保護でパチンコ禁止にみる「正しい貧乏人」のあり方

    私たちのなかにある「正しい貧乏のあり方」ってなんだろう。著述家の北条かやは生活保護費でギャンブルをすることに反発する心理に「良い貧乏、悪い貧乏」のイメージが働くと指摘する。

「良くはないが、悪くもない」が

  • 「生活保護でパチンコ」を防ぐ策がひとつある

    「生活保護でパチンコ」を防ぐ策がひとつある

    生活保護費をギャンブルに使うことを禁ずるのは、法の非常に曖昧な概念により難しい。元経産官僚で社会保障経済研究所代表の石川和男が生活保護の真の問題と解決策を提示する。

管理される「ささやかな楽しみ」

  • 「生活保護でギャンブル」を納税者は我慢しなければいけないのか

    「生活保護でギャンブル」を納税者は我慢しなければいけないのか

    受給者の「ささやかな楽しみ」が大切か、納税者心理への配慮が優先か。生活保護受給者によるギャンブル浪費問題の考察を続ける、国際カジノ研究所所長の木曽崇が新たな論点を提示する。

市民の怒り「税金が遊びの金に」

 日本屈指の温泉地、大分県別府市。2月26日、市庁舎の会議室で、大野光章福祉保健部長は表情を崩さず、正面に立つ県の監査担当者に軽く頭を下げた。
 「今後は指摘事項を十分に理解した上で、生活保護行政を行ってまいります」
 同市は25年以上前から、職員に年1回、市内のパチンコ店と市営競輪場を巡回させ、生活保護の受給者を発見した場合は文書で立ち入らないよう指導している。従わない場合には、医療扶助を除き支給を停止してきた。
 待ったをかけたのは厚生労働省である。生活保護法にパチンコなどを直接禁止する規定がないことを理由に「支給停止は不適切」との見解を昨年12月、県に伝達。県は国の指針に基づいて監査を行い、この日、市側に是正を求めた。
 「受給者が昼間からパチンコをしている」。昨年末の市議会で市民の苦情が取り上げられた。市当局が支給停止措置を公表したことで、その是非をめぐる論争がわき起こった。
 同市内で商店を営む男性(65)は憤る。「自分の納めた税金が、他人の遊ぶ金に消えている。こんな不当な話があるか。誰も止められないなんて、ばかにしている!」
 これまでに200件超の意見が市に寄せられた。「国と県に屈せず、市独自のやり方を貫くべきだ」。その8割以上が停止措置を支持する内容だった。
 一方、人権派弁護士らが今月9日、同市に提出した意見書では逆の見方が示されている。生活保護法は、行政の指導について受給者の自由を尊重し、最小限度にとどめなければならないとしており、市の停止措置は受給者の「自由」を侵害し違法、という理屈だ。
 生活保護費は年間約3兆8千億円(平成27年度実績)。17年度からの10年間で1・5倍に拡大し、厚労省は37年度に5兆2千億円に上ると試算。現在約5兆円の防衛費を上回る規模となる。支出を膨張させている最大の理由が高齢化だ。受給世帯は昨年末時点で過去最多の約163万4千世帯。半数の約80万5千世帯は構成者が65歳以上のみの「高齢者世帯」(18歳未満の未婚者と同居を含む)で、その9割は1人暮らしだ。
 別府市は日本の縮図だ。昨年10月の巡回で発見された25人のうち15人は65歳以上。多くは単身者だった。
 「パチンコしか行き場がない。それ以外、生活に刺激がないんだ」。停止措置を受けた60代の男性は、市の担当者にこんな心中を語った。この男性のように社会から孤立化し、パチンコなどにおぼれる高齢受給者は少なくない。
 国はそれを「黙認」してはいないか。逼迫(ひっぱく)する財政事情の中で、浪費を許さない地域住民の感情は根強い。ジレンマに立たされた自治体は別府市だけではない。
 長野恭紘市長(40)は言葉を強めた。「生活保護法の条文には、パチンコを『だめ』とする根拠はない。だが、『良い』という根拠もない。今後は、国で議論を深め、結論を示してもらいたい」(産経ニュース 2016.3.22

どう使おうが自由だ

  • 生活保護受給者と「納税者」の分断を煽る産経新聞 

    生活保護受給者と「納税者」の分断を煽る産経新聞 

    大分県別府、中津両市で生活保護受給者がパチンコなどをした場合の給付一部停止措置は国と県の是正要求で取り止めた。この措置に難癖をつける新聞を弁護士の猪野亨が指弾する。

弱まるパチンコ業界の力

 パチンコ依存性の問題もあり、パチンコの規制を厳しくすべきという声はますます強くなっています。大分県別府・中津両市はパチンコなどを理由に生活保護を停止したり、減額したりの対応をしていきました。「別府市は、2回以上出入りした受給者9人について、医療扶助を除く生活保護の支給を1、2か月停止している。中津市でも、月に1回パチンコ店などを巡回し、15年度は受給者4人の支給を減額する措置を取っていた」といいます。これを大分県はパチンコは法的に禁止されていないという指導をして、この生活保護の停止・減額措置を取りやめることになりました。
 これまでにも、生活保護者がエアコンをつけていたので生活保護の対象からはずすとか、子どもの大学進学の費用準備にあてていたので生活保護からはずすとか話題になったことがあります。その時は、行政の対応があまりに「人情がない」ということで行政への批判の声が強かったのです。しかし今回はそれとは逆の反応があります。生活保護法60条では、「収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない」とあります。パチンコでの支出は普通に考えて、生活保護費から出せるものとは思えません。パチンコの問題は、貧困な人が依存性になることです。せっかくの生活保護費が生活の保護や次の就職のために使われるのではなく、パチンコのために使われるとしたら、何の為の制度か分かりません。
 パチンコ理由で生活保護費が停止されるべきかどうか、がこの小文のテーマではありません。今回の件でも、パチンコに対する批判の声が非常に大きくなっていることが注目されるのです。ネットなどを見る限りでは、パチンコが「最低限の文化的生活」の中に入ると考える人は少ないようで、圧倒的に生活保護者がパチンコをするのは良くないという意見のようです。
 パチンコ依存症で苦しむ人は少なくありません。こうしたギャンブル依存症対策についてはカジノなどでもとられているところがあります。カジノへの入場は身分証明をを提出し、ギャンブル依存症と登録されていたり、生活保護を受けている人などの入場を拒否するところもあります。少なくともパチンコをこのまま続けるのであれば、こうした対応策をとるべきでしょう。そうでなければ、パチンコは日本の庶民の遊びではなくなり、国民から批判される一部の人のギャンブルとしての位置づけになります。パチンコの遊技者数も年々減ってきており、批判は強まっています。遊技者数が減るから、さらにギャンブル性を高めるという悪循環に陥っています。このままいけば、根本的な問題、つまり3店方式がなぜ許されるのか、などに焦点は移されかねれません。それはパチンコの禁止と同義に近いものです。
 パチンコ業界にもかつての勢いはなくなっています。パチンコホール経営企業数は過去10年以上にわたり減少を続け、2015年末には3572社です。最近は減少が加速し、年に100社以上の減少となっています。パチンコが儲からなくなってきたのです。
 パチンコ業界と政界との関係も話題になってきました。スキャンダルで大臣を辞任した甘利氏もパチンコ業界との関係が深かったとビジネスジャーナル(16年2月3日)は伝えています。ただ最近はパチンコ業界と政界との関係も弱まりつつあるとも言われます。政治家の世代交代が進んだこと、パチンコ業界に余裕が無くなってきたこと、政治家にとって癒着を疑われることのリスクが高まったことなどが挙げられます。国民の目が厳しくなっています。かつて土井たか子氏はパチンコが趣味と公言していました。当時は、パチンコは庶民の遊びと捉えられていて、「庶民的」というプラスのイメージもあったようです。しかし、最近は違います。政治家が趣味はパチンコです、なんてまずは言わないですね。パチンコ業界は政界や警察との関係から守られながらここまで発展してきた特殊な業界です。ギャンブルでありながらギャンブルでないというグレーゾーンに位置しながら、巨大産業となりました。今、この「保護」が消えつつあります。一部のパチンコ企業はカジノに期待をしています。しかしカジノの進展はむしろパチンコの衰退、廃止につながるという見方もあります。
 今でも20兆円産業のパチンコ業界。 しかし、この業界はまさに生き残れるかどうかの瀬戸際に立っているといえます。少なくともギャンブル依存症への対応は急務です。(児玉克哉のブログ「希望開発」2016.03.20

「健康で文化的な最低限度の生活」に入るのか

  • 【生活保護】「健康で文化的な最低限度の生活」にパチンコは必要?

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    憲法に示された「健康で文化的な最低限度の生活」に、生活保護費でのパチンコ遊びが入るのか? 中田宏がパチンコと生活保護について考える。

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    若者に対し、老後の不安を過度に煽ることは我が国から活力を奪っているようなものだ。社会保険労務士の榊裕葵が平等を前提とした世の中に対して放つ極論とは。

  • 生活保護者通報の小野市パチンコ店「通報して逆恨み嫌」の声

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    2013年4月、生活保護受給者が、保護費をパチンコなどで浪費している姿を見かけた市民に情報提供を求める、兵庫県小野市の「福祉給付制度適正化条例」が施行されている。

生活保護でパチンコしたらダメですか?

生活保護受給者がギャンブルすることについてどう思いますか?

  • 115

    受給者の「権利」であり、自由に使えばいい

  • 2999

    生活保護は「恩恵」であり、納税者として許せない

  • 55

    どちらでもない

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