「トランプ大統領」は日本の災厄となるか
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「トランプ大統領」は日本の災厄となるか

米大統領選の候補者指名争いでトップを走る共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のヒラリー・クリントン氏の勢いが止まらない。中でも、数々の「放言」で批判を浴びるトランプ氏の躍進は、日本にとってもはや対岸の火事ではなくなりつつある。トランプ大統領の誕生は、日本にどんな影響を与えるのか。

米大統領選の候補者指名争いでトップを走る共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のヒラリー・クリントン氏の勢いが止まらない。中でも、数々の「放言」で批判を浴びるトランプ氏の躍進は、日本にとってもはや対岸の火事ではなくなりつつある。トランプ大統領の誕生は、日本にどんな影響を与えるのか。

ワシントンから緊急警告

ちらつく「親中嫌日」の影

勝ち馬に乗りたい

「在日米軍撤退」発言は本気かブラフか

 「安倍外交」の喫緊の課題は、5月下旬に開かれる伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)を成功させることにある。そのため、安倍晋三首相は連休中に欧州を歴訪し、ロシアのプーチン大統領と会談を行い、周到な根回しを行う。そうした実績を残して、夏の参院選(=衆院選との同日選も)で勝利を収めたとしても、米国の大統領選挙の動向は無視できない。日本の国政選挙が終わった7月末には、共和党と民主党の指名候補者が決まる。
 米大統領選は現在、共和、民主両党とも乱戦模様である。今回の選挙で、比較的常識的な候補は、民主党の指名争いで先行するヒラリー・クリントン前国務長官(68)しかいない。ヒラリー氏が次期大統領になれば、日米関係はおおむね現状維持で安心できる。だが、「在日米軍撤退の可能性」や「(日本が)核兵器を独自に保有することを否定しない」などと発言している、共和党指名争いでトップを走る不動産王、ドナルド・トランプ氏(69)が当選したら、安倍外交は波乱含みとなる。
 もし、トランプ氏が次期大統領になったら日米関係はどうなるのか-。トランプ氏の「在日米軍撤退-」発言は、日本の米軍に対する「思いやり予算」増額のためのブラフとも、本気とも受け取れる。日本では「在日米軍は未来永劫(えいごう)存続するもの」と考えられてきた。その大前提が根底からひっくり返る。国家の防衛政策や、生き方を抜本的に考え直さねばならない。
 しかも、「日本の核保有」を否定しないという。日本が米国の「核の傘」から出た場合、4つの選択肢が考えられる。
 第1は、日本独自の核武装だ。日本にはロケット技術、プルトニウム備蓄、弾頭小型化技術などがあり容易である。しかし、国際社会から四面楚歌(そか)になるだろう。
 第2は、NATO(北大西洋条約機構)型だ。自国で核保有しないが、日常的に米軍と共同で訓練し、有事には米国から核兵器と発射権を譲渡してもらう「ニュークリア・シェアリング」という契約である。
 第3は、中国やロシアなどの「核の傘」に入ることだが、米国が仮想敵国となり論外である。
 第4は、「非核地帯構想」の実現だが、ロシアや中国、北朝鮮が核を放棄する可能性はゼロであり、核抑止力のない日本は格好のターゲットとなるだろう。
 日本はこれまで、日米安保強化だけを考えてきた。そのために集団的自衛権の一部行使容認を行い、新ガイドライン改定し、安全保障関連法を整備した。だが、米国の応援が期待できなければ、自主防衛を真剣に考えなくてはならなくなる。
 今回の米大統領選は、安倍外交にとって大きな試練となる。(川上高司、夕刊フジ 2016.4.20

肯定か批判か、それとも

熱狂的支持のキーワード

トランプ躍進に慌てるメディア

 ドイツの地方選挙がおこなわれた。州にもよるけれど、メルケル首相のCDUは退潮で、いわゆる「反難民」の右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)が伸長したという。米国では、トランプと反トランプが、文字通り「激突」状態になってきた。また、ポーランドでは昨秋に政権をとった「法と正義」という右派政党が憲法裁判所を制御しようとしている。
 明らかに、何かが起きている。それを極右的勢力の台頭とか反リベラルなどという評するのはやさしい。ただし、一つ明らかなことがある。それは、一定以上の人々が支持しているという事実だ。そして、もう一つの事実があって、それは主流のマスメディアの論調とは逆ということだ。米タイム誌は2015年の「今年の人」に、ドイツのメルケル首相を選んだ。
 トランプについては、米国のワシントン・ポストが「トランプ絶対阻止」という異例の論説を出した。エコノミストなども、強く批判している。しかし、支持者はいる。トランプの支持拡大などは、多くの人にとって「想像もできなかった事態」ではあるが、それはマスメディアが想像できていなかった、ということだろう。彼らの常識の外に、多くの人がいて、メディアはその波を感じることができなかった。似たようなことは日本でもあった。2014年の都知事選で田母神俊雄氏が60万以上の得票を記録した時も、メディアは結構慌てていた。
 新聞がトランプを批判するほど、支持者は闘志を燃やすだろう。ことにワシントンという地名自体が米国のローカルでは嫌悪の対象なのだ。そして、今後もトランプは既成の有力メディアから批判され続けるだろうが、それは支持者の結束を高めることになると思う。
 トランプに限らず、極端な政策を支持する層は社会からの疎外を恐れていない。マスメディア全盛の時代は、メディアで形成される空気の外にいることが不安だった。しかし、いまや「同志」があちらこちらにいることがわかった。
 それは、マーケティングの世界ではいち早く起きていたことだし、政治の世界にも当然のように波及していく。
 そうした彼らにとって、最大の敵は既存の権威と権力だ。マスメディアやそこで発言する知識人がつくってきた規範が、最大の嫌悪対象になっているのだろう。
 メディアは巨大化するにしたがって、どんどん人々から遠ざかって行った。そして、高い城を築いて、上から説法をしていたようなものだった。いま、その城の足元から火があがっている。
 トランプなど極端な勢力を嫌う人も、その城が燃えるのは「まあ、仕方ない」と思っている可能性がある。そういう構造を理解しないまま、「反知性主義」とか言っていた日本の知識人も、まあ似たようなものかもしれない。高い城からの正論が、本当の正義を遠ざけている。そして、城砦を破壊するようなゲリラ戦は、結構人気を博してきたストーリーなのだ。(「from_NY 山本直人のブログ」 2016.3.14 )

党瓦解の危機

本気じゃない男にかき回された

そんなに日本が憎いのか

「トランプ大統領」は日本の災厄となるか

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