子供はみんなで育てないのがニッポン流?
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子供はみんなで育てないのがニッポン流?

千葉県市川市で計画中だった保育園建設が地元住民の反対で白紙撤回に追い込まれた。「付近の道が狭く危険」「子供の声が気になる」…。地域の事情があったとはいえ、この問題は今も広がりをみせる。「子供はみんなで育てるもの」というコンセンサスはもう、現代ニッポンの非常識になったのか?

千葉県市川市で計画中だった保育園建設が地元住民の反対で白紙撤回に追い込まれた。「付近の道が狭く危険」「子供の声が気になる」…。地域の事情があったとはいえ、この問題は今も広がりをみせる。「子供はみんなで育てるもの」というコンセンサスはもう、現代ニッポンの非常識になったのか?

子供は迷惑をかけ育てるもの

「地域コミュニティの衰退」では不十分

保育園は迷惑施設なのか

 保育施設の子供の声が「騒がしい」などとして各地でトラブルが起きている。千葉県市川市では私立保育園が近隣住民の強い反対で開園中止に追い込まれた。
 子供の声を「騒音」と感じ、排除する社会にはしたくない。そのために知恵を出し合いたい。
 市川市のケースは、社会福祉法人が住宅街に0~5歳児を対象とした定員約100人の保育園開設を予定していた。
 反対理由には、周辺の静かな住環境が乱されるといった声のほか、予定地前の道路が狭く車も通るため、送り迎えの際の危険性を指摘したものがあった。
 市などが住民説明会を開き、園側が防音や送り迎え時の対策を取ることを説明していた。周辺住民には賛否があったが、結局、理解は得られなかった。千葉県内では今月開園予定だった別の保育園も近隣住民の反対で開園中止になったという。
 子供の声がときに、騒がしいと感じることもあるだろう。できればよそにつくってほしいと思う気持ちも分からなくはない。
保育園建設予定地だった空き地=2016年4月12日、千葉県市川市
保育園建設予定地だった空き地=2016年4月12日、千葉県市川市
 だが、保育園は「迷惑施設」なのだろうか。
 各自治体が待機児童の対策で保育園の新増設に取り組むなか、トラブルは増加している。東京都が市区町村に聞いた調査では、平成20年度以降、住民から苦情を受けたことがある自治体は約7割にのぼった。
 防音壁をつくるほか、外遊びの時間を減らすといった対策まで取る園もある。それでも住民が騒音差し止めや慰謝料を求めて訴訟に発展する例がある。
 都は昨年、条例を改正し子供の声を騒音の規制対象から除いた。周辺環境や防止措置などを総合判断し解決を図るためだ。舛添要一知事は「子供たちの騒音は将来の音楽」と配慮を求めていた。
 世田谷区などが都市公園内に特例で保育園設置を認める特区制度を利用して開設する例もある。場所に苦労した、いわば苦肉の策でもあろう。
 開設に伴う行政や園側の丁寧な説明や安全確保は当然必要だ。住民も「子は社会の宝」との言葉を思い出し、子供たちとつくる未来に想像力を働かせてほしい。「日本死ね」という匿名ブログを引用し待機児童対策を批判していた人たちにも、この問題でいい知恵はあるのか聞いてみたい。(産経ニュース「主張」2016.04.14

相次ぐ訴訟に特権化

開園までにやるべきこと

もう公園に作るしかないのですか?

iPhoneのシャッター音と保育園の騒音問題

 日本社会の、人に迷惑をかけない、同化する、という圧力は、行きつくところまで来ている気がする。それにしても不思議なのが、iPhoneのシャッター音問題である。これほど、日本的な感性のおかしさを示していることはないと思う。
 周知のように、日本で売られているiPhoneは、シャッター音が消せない。一方、海外で売られているiPhoneは、シャッター音を消せる。なぜこのような違いがあるかと言えば、「盗撮」を防ぐ、という理屈らしい。
 この議論は、日本において常に見られるパターンである、盗撮をするという、一部の不届きなものがいる。そのような人たちの行為を防止するために、全員が、シャッター音が出る、という仕様を我慢すべきである、という理屈である。意味がわからない。
 盗撮をする輩はけしからんが、そのようなやつは、エネルギーを注いで、たとえばシャッター音が消せるアプリを手に入れたりして、なんとかして実行する。つまり、シャッター音がデフォルトで出ることは、そういう人に対する抑止力の決め手になっていない。
 そして、ここからが重要な問題なのだが、シャッター音が盗撮の抑止力になる、という議論をする人たちは、たいていの場合、シャッター音がなること自体が、周囲の人のプライバシーの侵害になるという事実に、気づいていないのである。
 たとえば、電車の中でキンドルで本を読んでいて、頁をキャプチャしたいとする。当然、シャッター音がなる。その時、周囲の人たちの、静穏な環境というプライバシーが侵害される。そのことは、問題ではない、と感じているらしい。どこかおかしい。
 以前から中島義道さんが言われていることだが、日本社会は、静穏な環境というプライバシーが破壊されることに対して、寛容、というか、鈍感である。だから平気で妙なBGMをかけ、やたらと放送する。あげくの果ては、動く歩道が、「おきをつけください」と延々としゃべっている。
 iPhoneのシャッター音が強制的になることが、環境や文脈によっては、周囲の人の静穏な環境というプライバシーの侵害になることを気にしないというのは、異常なことだと思う。そのくせ、近くに保育園ができるとうるさいと騒ぐわけのわからない人たちもいるのである。
 ぼくは、日本で売られるiPhoneのシャッター音は消せるようにすることが当然だと考えている。Apple Japanには、ぜひ検討いただきたい。そうでなくても、海外のSIMフリー版をわざわざ手に入れる人たちはたくさんいるのだから。(茂木健一郎フェイスブック2016.04.11

ビルの中に保育園!?

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