電通と五輪マネー「裏金疑惑」の真相を読む
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電通と五輪マネー「裏金疑惑」の真相を読む

目下、東京五輪招致の不正疑惑で最も注目を集めているのが、広告代理店最大手「電通」が果たした役割である。ネット上ではさまざまな憶測が飛び交うが、どこまでが真実でウソなのか、関係者も含めフランス検察当局の動きを注視する。巨大な利権にまみれた五輪マネー。にわかに浮上した「裏金疑惑」の真相を読む。

目下、東京五輪招致の不正疑惑で最も注目を集めているのが、広告代理店最大手「電通」が果たした役割である。ネット上ではさまざまな憶測が飛び交うが、どこまでが真実でウソなのか、関係者も含めフランス検察当局の動きを注視する。巨大な利権にまみれた五輪マネー。にわかに浮上した「裏金疑惑」の真相を読む。

軒を貸して母屋を取られた

失われるオリンピズム

浸透する拝金主義

疑惑の解明に真摯にこたえよ

 2020年東京大会の招致をめぐる不正疑惑が波紋を広げている。
 当時の招致委員会が2億2千万円余の契約料をシンガポールのコンサルタント会社に支払い、その実態が問われている。国際陸上競技連盟、国際オリンピック委員会(IOC)に影響力を持つ人物とその会社との関係、さらには金の流れに疑義が呈された。
 ほんとうにそんな存在が必要なのか。知人に問われて「必要だ」と答えた。
 招致に名乗りをあげた都市は、例外なくコンサルタントと契約を交わす。計画を練り上げ、国際社会に効果的に浸透していくノウハウが欲しい。たいがいは元IOC委員や関係者が組織しており、人的な広がりも期待できよう。
 企業、組織でも、いやわれわれだって、事を起こそうとするとき“水先案内”や助言を求めるだろう。政府でさえ、有識者会議を編成し、意見を拝聴する。
衆院予算委で東京五輪招致をめぐる疑惑について厳しい表情で質問を受けるJOCの竹田恒和会長(右)=2016年5月16日
衆院予算委で東京五輪招致をめぐる疑惑について厳しい表情で質問を受けるJOCの竹田恒和会長(右)=2016年5月16日
 アドバイザーを置くことが悪いわけではない。ただ、質の良しあしを見抜く目と精度の高い情報が求められる。多弁なビジネストークの裏に落とし穴が潜む。隠された部分に意識をいたすことは容易ではない。だからこそ都知事の件もそうだが、公金を扱う身は「臆病」であらねばならない。石橋をたたいて、なお躊躇(ちゅうちょ)する感覚がほしい。
 目下、フランス検察当局とシンガポール汚職捜査局が捜査を進めている。いずれ、疑惑が解明されていくだろう。招致委員会はすでに解散したが、関与が取りざたされる大手広告代理店の電通も含め、関係者は捜査にきちんと協力していくべきである。
 日本オリンピック委員会(JOC)が編成する第三者委員会は、「釈明」のための証拠だてであってはならない。疑惑の解明に真摯(しんし)に応えることが高潔を守ると思う。
 IOCが14年に採択した中長期指針『アジェンダ2020』はコンサルタントなどの規定も定めた。招致都市のために活動する有資格者を「登録制」とし、「監視」下に置く。さらにIOCの倫理規定と行動規範の順守表明が「登録の必須条件」となった。JOCの契約はそれ以前の話だが、この件への対処は、必ず今後への“範例”となる。
 日本スポーツ振興センター・スポーツ開発事業推進部長の勝田隆がまた教えてくれた。インテグリティーとは「『現実が突きつける要求に応える能力』だ」と。日本のスポーツ界に必要な、心理学者ヘンリー・クラウドの言葉である。=敬称略(特別記者 佐野慎輔、産経ニュース2016.05.24

このまま開催していいのか

「詳細は承知していない」

東京都の関連性はどこまで?

 東京オリンピック・パラリンピックを巡る過程で発生した金銭疑惑、当初は単なるゴシップかと思いましたが、深刻な実態が明らかになりつつあります。
 活動実態が不透明な状況で2億円という金額の多寡、契約書の不在、そしてすでに会社自体が解散しているなど、疑惑を払拭するためには一つ一つに丁寧な説明が必要です。
 そうした中で、私の元にも「東京都は何をやっていたんだ?責任は?」という問い合わせを多くいただきますので、都の担当部署に当時の状況と、現在の見解についてヒアリング致しました。
 まず今回、謎のコンサル会社に支出をした主体はJOCの竹田理事長をトップとする「招致委員会」になりまして、こちらの運営に対して東京都からの資金はまったく入っていないそうです。
 開催地は確かに東京都ですが、都民の税金を原資としたお金がこの疑惑の2億の中に含まれているという事態は、まずはないと言えそうです。
 とはいえお金が入っていなかったからといって、東京都が無関係なのでしょうか? 招致委員会には「会長」として、猪瀬直樹前知事が名を連ねています。
 この立場を改めて東京都に確認したところ、招致委員会に加わっている「評議委員」たちを束ねる会長が猪瀬氏で、あくまで評議委員たちは意思決定権を持たない集合体だったとのこと。
 いわば…名誉職の中のトップ的な存在と言えばいいのでしょうか。評議委員は「事務執行において、必要な助言を行うことできない」という、組織規約があるようです。
そしてご本人はメディアなどで「具体的な活動内容については、知らなかった」とした上で、不正疑惑を否定しています。
 いずれにせよ、まだまだ今後の展開から目が離せませんが、お金の流れと組織論からは、都議としての立場で調査できることは少ないのではないかという印象です…。
 大イベントの開催にトラブルはつきものとはいえ、あまりにも頻発する不祥事に国民・都民の目線が冷ややかになっていくのをわれわれ政治家たちも肌身で痛感をしています。
 引き続き都も招致委員会メンバーに情報を求めていくかと思いますので、その動きをしっかりと注視し、必要に応じて適宜調査・提言をしていきたいと思います。(「おときた駿公式ブログ」2016.5.16

困ったときの「電通頼み」

「五輪誘致に裏金」当ったり前

 2020年東京オリンピック・パラリンピックにまたケチがついています。フランス検察当局が、以前に問題になったドーピング関連の金の流れを確かめている最中に、日本の招致活動で多額の賄賂が使われていたのでは?という情報が出てきたというもので、日本側もこれを認めました。
 オリ・パラ招致委員会がシンガポールの会社に2億2,300万円を出したということですが、このシンガポールの会社は、国際陸上競技連盟のラミン・ディアク・前会長(セネガル)の息子・パパマサッタ氏と関係が深い会社だそうです。つまり、日本オリ・パラ招致委員会→シンガポールの会社→ディアク氏の息子=ディアク国際陸連前会長とお金が流れたのではないかというストーリーです。「陸連系」は、IOC(国際オリンピック委員会International Olympic Committee)委員の人数が多いので「押さえどころ」でもあったのでしょう。
 私も、2020年オリンピック・パラリンピック日本招致「議員連盟」のメンバー(常任幹事)でした。現役の議員や関係者は明言できないでしょうが、「お金」を使ったことは間違いないと思います。この手の話は世界の招致活動においてはっきり言って常識で、それが日本がなかなか勝てない理由です。
 横浜市長時代に平成21(2009)年の世界水泳選手権の招致活動を行った時には日本水泳連盟や世界水泳連盟のさまざまな人間模様を目の当たりにしました。日本がフェアな活動をしていてなかなか誘致できないこと、そして逆の意味では世界で金が乱れ飛ぶなかで招致活動をしていることを実感してきました。
 今年の2月にFIFA(国際サッカー連盟Fédération Internationale de Football Association)の会長が代わりました。前会長・ブラッター氏が汚職まみれということで代わったわけですが、このFIFAの方がもっとヒドいです。2010年ワールドカップ南アフリカ開催や2011年の会長選挙などの賄賂で合計1億5000万ドル(日本円で約185億円)を超える金が乱れ飛んでいたことが問題視されました。
 世界スポーツ界に今回のような視点が向いてきたことは良いことです。他国が金をどんどん注ぎ込むなかで日本はフェアに戦い過ぎてきた現実があり、世界と「フェアな勝負」をしたいのは日本側です。
 また日本はお金を使うにしても裏金で現ナマを出すような国ではありませんので、「コンサルタント」に情報収集などをある程度の成果として対価を支払ってきたのは比較的スマートなやり方でしょう。
 世界のスポーツ界はヨーロッパ勢が牛耳ってきました。ヨーロッパ自身が反省しなければいけないことが山ほどあるにもかかわらず今回は日本にスポットを当てていますが、自己反省も含めて前に進めて欲しいですね。(「中田宏公式ブログ」 2016.5.18
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