18歳に政治参加を期待しても無駄である
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18歳に政治参加を期待しても無駄である

参院選が公示され、目玉トピックは18歳選挙権である。そもそも全有権者のわずか2%に過ぎない240万人の民意で何が変わるというのか。表題のように、タカをくくっているお年寄りも多いだろう。若者よ、もっとシルバー民主主義の現実に怒り、一票を投じて「老害」どもの鼻を明かせ!

参院選が公示され、目玉トピックは18歳選挙権である。そもそも全有権者のわずか2%に過ぎない240万人の民意で何が変わるというのか。表題のように、タカをくくっているお年寄りも多いだろう。若者よ、もっとシルバー民主主義の現実に怒り、一票を投じて「老害」どもの鼻を明かせ!

空洞化にあえぐ地方都市

閑散とした甲府市内の商店街
閑散とした甲府市内の商店街
 日曜の午後、JR甲府駅南口を出て市街地にある商店街を歩くと、あまりの人通りの少なさに気づいた。地方都市とはいえ、かつての信玄公のおひざ元、しかも山梨県の県庁所在地である。その中心部にある商店街は今や「シャッター通り」と化し、お世辞でも繁華街とは言い難い、寂しい場所だった。
 事実、甲府市の市街地空洞化は年々深刻化している。甲府商工会議所が2015年度にこの商店街で実施した歩行量調査によると、商店街の人通りは15年前に比べ半減したという。「この15年で大型店が相次いで撤退し、郊外には大きなショッピングセンターもできた。立地は良くても、商店街への客足はさらに遠のいているのが実情です」。同会議所中央企業相談所の越石寛所長は、現状をこう分析した。
 中心商店街の活性化を願う地方都市は、別に甲府市に限った話ではない。首相が声高に訴える「アベノミクス」も、地方都市を訪れれば、その恩恵をほとんど受けていないことがよく分かる。高齢化が進み、地域の活力がどんどん失われる「老いゆく地方」。言うまでもなく、それを阻止する源泉となるのは若者の力である。
 22日に公示された参院選は争点に乏しく盛り上がりに欠けているとはいえ、国政選挙初となる「18歳選挙権」だけは最大のトピックとして注目を集める。新たに政治参加の権利を得た若者たちはいま何を思い、政治についてどう考えているのか。その本音に迫るべく、県庁所在地の都市としては人口が最も少ない「地方の中の地方」甲府市で取材した。(iRONNA編集部、川畑希望)

18歳は政治的関心芽生える時期

変化する学校現場

一番マシな候補を選べ

ドイツの取り組みにヒント

高校生こそ国家を語れ

若者が割りを食う社会は続く

18歳被選挙権は45カ国

威力を発揮すべきは選挙権得た若者

 精神科医の方が18歳選挙権には反対だと述べておられる記事を読んだ。
 18歳ではまだ自立出来ていない引きこもりの少年が多数いるから、選挙権を与えるとこれらの少年はますます社会から隔絶され孤立してしまうだろうから、というのがその理由のようだ。
 自立していない少年や引きこもりの少年が多数いる、という指摘は無視してはいけないだろうが、だからと言って日本だけ18歳、19歳の少年に選挙権を与えないままにしておくべき、という議論にはどうも賛成出来ない。
 自立していない人はいつまで経っても自立できないのかも知れないし、引きこもりは必ずしも年齢と関係があるとは言えない。
 自立出来ていない人を自立できるようにする取り組みや、引きこもりの人を引きこもらないで済むようにする取り組みは、年齢を問わずやるべきだと思うが、だからと言って自立している人や引きこもっていない人の権利を奪ってしまうようなことはしない方がいい。
 今日から選挙権を行使できるようになった方々は、思う存分その権利を行使してみることだ。
 大して使い勝手があるとか何かの役に立つ、というわけではないが、一人一人の権利は小さくとも数が集まるとそれなりに威力を発揮するようになる。
6月23日、ロンドンで国民投票の投票所に並ぶ人々(ロイター=共同)
 新しく選挙権を取得した若者たちが政治の流れを変えた、日本を変えた、と言われるくらいの力を発揮してみることだ。
 私たちは立派な大人です、皆さんと同じように自分の力で日本の政治を動かすことが出来ます、と胸を張ったらいい。
 若い方々が棄権するようだと、いずれ出てくるのは、選挙権行使を選挙人登録した人だけに認めることにしようという選挙制度改革である。
 はじめから投票する意思のない人にまで選挙権を与えることはない、という意見がいずれは出てくる。
 イギリスでまもなくEUからの離脱問題についての国民投票が始まるが、イギリスでは選挙人登録した人にしか投票権を認めないそうだ。
棄権する人が多いと、日本でもいずれ同じような制度が導入される。
 目下のところ私は今の選挙権制度に不満はないが、投票率が常に20パーセント台に落ち込んでしまうような事態になったら、初めから投票する意思のない人に選挙権を与える必要はないのではないか、諸外国に見習ってそろそろ選挙人登録制度を導入した方がいいのではないか、と言い出すはずだ。
 新しく選挙権を獲得された若い方々の責任は、案外大きい。
 皆さんの選択で日本の選挙権制度の将来が大きく左右される。 (早川忠孝ブログ 2016.6.19

18歳選挙権の是非

政治的中立性という課題

 わが国では近い将来、選挙の投票者の半数が60歳以上になるという。極端な長寿化と少子化が形成する日本社会はこの先、いかなる賢人でさえも想像しえなかった時代に突入する。選挙権が20歳以上から「18歳以上」に引き下げられたのも、そんな危機感からである。
 山梨県内では今回の参院選で、高校生を含む約1万7千人の18歳と19歳が新たに有権者の仲間入りをする。全国各地の教育現場で主権者教育が盛んに行われているが、甲府市も例外ではない。公示前日の21日、私立駿台甲府高校で行われた「模擬投票」の授業を取材した。
 「日本で初めて選挙権が与えられたときは25歳以上の男性で、しかも高額の税金を納めた国民だけだった。いくら以上だったかな? そう、15円だね」
 性別も収入も関係なく、20歳以上の日本国民であれば等しく選挙権が与えられた普通選挙権がわが国で始まったのは終戦直後の1945年。民主主義国家であれば、当たり前の権利を勝ち取るために、先人たちがどれほどの血を流し、努力をし、権力と闘ってきたか。71年ぶりという参政権拡大の歴史的な節目に立ち会うことへの感慨にしばしひたり、教壇に立つ男性教師の言葉に耳を傾けた。
 この高校では、普通科の1年生を対象に模擬投票が行われた。テーマは少子化。仮想の4政党の代表がそれぞれ壇上に上がり、思い思いの政策を述べる。
模擬投票する男子生徒
模擬投票する男子生徒
 「我々は少子化対策をしない政治をします!」。そう高らかに宣言したのは、原田道風さん(15)。「そもそも、みんな本当に子供を欲しがっているのでしょうか」。いま世の中にある半分以上の職業はAIでも担うことが可能になる時代。いたずらに子供を増やしてもマイナスであり、それよりも人材育成に力を入れるべきだと力説した。
 他にも、「出会いが少なく婚期が遅れている」として晩婚化への危機感を示し、一夫多妻制導入が提案されるなど、生徒たちのユニークかつ斬新で自由な発想には驚かされるばかりだった。模擬投票では、衆院比例代表を想定し、各候補の演説を聞いた後、それぞれ記入台で投票用紙に記入し投票。集計後は「ドント式」による議席の配分も学んだ。
 筒井揚介副校長によると、この高校で主権者教育を始めたのは昨年11月。総務省と文科省が作成した副教材を配布し、弁護士会や選挙管理委員から講師を招くなどして、現代社会の授業のコマを使って実施しているが、まだまだ手探りの状態だという。
 筒井副校長は言う。「模擬投票で選挙の仕組みを学ぶのは大切なことだが、それは入り口にすぎない。生徒には多様な視点を学び、社会のさまざまな課題を主体的に考える力を養ってほしい」。
 山梨県は日教組が極端に強い土地柄としても知られる。日教組系の山梨県教職員組合(山教組)が他県を圧倒する組織力を誇り、3日間あれば選挙情勢をひっくり返す「山教組の三日選挙」といわれる集票力を持つ。
 「日教組のドン」と呼ばれ、今回の参院選で政界引退する民進党の輿石東参院副議長の地盤でもある。そして、山教組の組織的な選挙運動はたびたび問題視された経緯がある。むろん、教職員の選挙活動は、教育の政治的中立性の原則に基づき禁止されており、それは山教組も例外ではない。
 2010年の衆院選で輿石氏と戦った自民党衆院議員、宮川典子氏は、山梨県内の私立学校で教師を務めた経験を持つ。もちろん、山教組の政治運動についてもよく知る人物である。
 「山教組は小中の組合員が民進党系で、高校は共産党系。今回は野党共闘ということで、小中高が連携する可能性もあります。組合員の中には、学校の中で自分の立場が悪くなると思って、嫌々協力している先生方も多いのが実態です。私たちは一刻も早く、そういう強迫観念から先生方を解放してあげたいんです」
 18歳選挙権が動き出し、主権者教育の重要度がより高まる中で、教師は教育基本法が求める「政治的中立」をいかに確保していくのか。若者の政治参加への期待とともに、大きな課題も見えた4日間の取材だった。(iRONNA編集部、川畑希望)
18歳に政治参加を期待しても無駄である

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