吉永小百合さんへの手紙
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吉永小百合さんへの手紙

月刊正論3月号に掲載された文藝評論家、小川榮太郎氏の公開書簡「吉永小百合さんへの手紙」が、一部ネットメディアで取り上げられ、物議を醸した。「脱原発」「積極的平和主義」を掲げる彼女は、なぜ公の場で政治的発言を続けるのか。小川氏の論考とともに、国民的大女優の政治発言の是非を考えたい。

月刊正論3月号に掲載された文藝評論家、小川榮太郎氏の公開書簡「吉永小百合さんへの手紙」が、一部ネットメディアで取り上げられ、物議を醸した。「脱原発」「積極的平和主義」を掲げる彼女は、なぜ公の場で政治的発言を続けるのか。小川氏の論考とともに、国民的大女優の政治発言の是非を考えたい。

「平和」を愛するなればこそ

良き市民を演じるバランス感覚

吉永小百合は共産党の協力者か

「原発やめてほしい」

ケント・ギルバートが反論

 漫画家の水木しげるさんが11月30日、93歳で亡くなった。代表作『ゲゲゲの鬼太郎』のほかに、『総員玉砕せよ!』『ラバウル戦記』『敗走記』など、傷病軍人として体験した戦場の悲惨さも、反戦の立場で作品に描いた。
原爆慰霊祭で花束をささげる吉永小百合
 反戦といえば、日本を代表する大女優であり、私も大好きな吉永小百合さんが先日、テレビ朝日系「報道ステーション」に出演し、「武器を持たないということが、積極的平和主義だと思います」と発言していた。古舘伊知郎キャスターは「そうですね」と応じていたが、私はその考え方は間違いだと思う。
 もし、その「積極的平和主義」理論で日本が戦争を防げるなら、家に鍵を掛けない「積極的泥棒撃退主義」の家庭は泥棒に入られず、痴漢撃退スプレーを持たない「積極的痴漢撲滅主義」の女性は痴漢に遭わないことになる。あり得ないどころか逆効果だと分かる。
 日本人は、人の感情や場の雰囲気を読むことは得意だが、ディベートの訓練を受けないせいか、論理的思考が苦手な人が多い。論理上の矛盾や、すり替えに気付かない。相手のメンツを重んじ、人間関係の悪化を嫌うあまり、正面から「違う」と言えない面もある。
 武器を持たない国がどのようになるかは、近現代史から学ぶべきだ。
 中華人民共和国(PRC)は1949年の建国直後から、十分な軍事力を持たないウイグル、チベット、内モンゴルに軍事侵攻した。実行支配し、自国の一部だと言い出した。同地域の民族虐殺や人権弾圧は現在進行形で行われているが、日本のマスコミではほとんど報道されない。
 水木さんは戦場の悲惨さを作品に描いたが、他国に支配され、武器が無いため抵抗できない国民の日常は戦場と同じくらい悲惨だ。特に女性が最大の被害者となることを日本は経験済みである。
 終戦後、大陸から日本に引き上げる途中、数多くの日本人女性が、ソ連人や中国人、朝鮮人に強姦された。詳しくは「二日市保養所」や「竹林はるか遠く」で検索してほしい。
 米軍も進駐直後から、数多くのレイプ事件を起こした。日本人女性を守るため、政府主導で、東京や横浜をはじめ、全国各地に特殊慰安所(売春施設)が開設された。
 GHQ(連合国軍総司令部)の情報統制のため、一連の事実を知らない日本人が多い。もし、日本が武器を捨てれば、いずれはウイグルやチベットで暴虐の限りを尽くした人民解放軍が、日本でそれを再現するだろう。(ケント・ギルバート 夕刊フジ 2015.12.05

なぜ政治的発言が許される?

「福島=原発」で語り続ける大御所たち

吉永小百合さんの「積極的平和主義」って…

 先生 新聞や雑誌はまだ保守系論客もがんばっているが、テレビはひどいよ。例えば、昨年11月29日の日曜日。まずは早朝のTBS系時事放談。元財務相の藤井裕久が、テロの原因について「今の総理大臣の責任が大きい」と政権批判していたんだが、ISが日本を欧米と同じ敵と見なすようになったのは「安倍総理が日米軍事同盟を結んだのが、仲間になっちゃった」「日米安保だったら、こうはならなかった可能性が高い」とか意味不明。日米安保は、ずっと前から軍事同盟だろ。しかもこの番組、相変わらず収録だから話題も微妙に遅れている。時事放談じゃなく、「録画放談」にタイトルを変えればいい。
 女史 藤井さんは「ISは国家でも何でもない。テロである」と言ったまでは良かったけどさ、「国家間の紛争は外交か国連で…」とか支離滅裂。いまは、国家じゃないテロリストとどう戦うか議論してんのに、ワケわかんない。
 先生 フジテレビ系の新報道2001とNHKの日曜討論は、テロをあまり取り上げなかったが、あれもおかしかった。トルコのロシア機撃墜まで、しっかり時間をかけたのはTBS系の悪名高きサンデーモーニングだけ。
 編集者 それは立派ですね。
 先生 ただし中身がヒドかった(笑)。寺島実郎と中央大学教授の目加田説子が撃墜を「ISを利するだけ」などと非難し、司会の関口宏にいたっては「撃墜事件は両方とも意地の張り合いで、トルコも、きちんとまだ謝罪してないですよね」。岸井成格も「謝罪しませんね」。おいおい、なんでトルコが謝罪しなければいけないんだよ。目加田は「大連合を組んでもISは撲滅できない。もっと考えなくてはいけないことがある」と空爆を批判するくせに、何を考えるべきか言わないし…。
 「憎しみの連鎖」なんて言うけど、悪の暴力は、力で止めるしかない。殺人犯は警察が逮捕するしかないのと同じだよ。もしそれでも裁判官が温情判決で犯人をすぐに釈放すれば、遺族がその犯人を殺すということも起き得る。新たな憎しみの連鎖が起きるんだ。
吉永小百合(右)と山田洋次監督
 教授 テロリストをかばうのは、被害者より加害者を守ろうとする人権派の思考と同じです。しかし、加害者の人権擁護を訴えていた人権派弁護士も、自分の妻や子供を殺害されたとき、その過ちに気づく。実際に、かつて似たようなことがあったでしょう。
 女史 大女優の吉永小百合さんが報道ステーションに出演して「武器を持たないということが積極的平和主義」と強調してたけど、それじゃ、平和は守れないよね。そう言えば、「SEALDs淫夢同好会」と名乗る人がツイッターに「イスラム国の皆さん、酒を酌み交わし対話しましょう。私達は暴力ではなく話し合いで解決しなければなりません」と書いたら、アラビア語でメールが届いたんだって。翻訳ソフトにかけると…
 編集者 IS支持者ですかね? なんて書いてあったんですか。
 女史 《イスラムはアルコールを飲まない。神は禁止です。私たちはあなたを殺す》だって。
 編集者 (笑)
 教授 このメールはISじゃないかもしれませんが、要はそういうことです。テロリストと話し合いで解決できるというのは、おとぎの国のディズニーランドでしか通用しないファンタジーです。(月刊正論2016年2月号「メディア裏通信簿」)

「お花畑」な人々

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