子宮頸がんワクチンは危険なのか
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子宮頸がんワクチンは危険なのか

「子宮頸がんワクチン」をめぐり、国と製薬会社2社を相手取った集団提訴が間もなく提起される。本当に薬害を引き起こしているのか否かという議論もさることながら、ワクチン問題は現代を生きる私たちが陥った、ある深刻な病巣を浮かび上がらせる。

「子宮頸がんワクチン」をめぐり、国と製薬会社2社を相手取った集団提訴が間もなく提起される。本当に薬害を引き起こしているのか否かという議論もさることながら、ワクチン問題は現代を生きる私たちが陥った、ある深刻な病巣を浮かび上がらせる。

大江紀洋の視線

 子宮頸がんワクチンをめぐる問題が、新たなフェーズに入っている。国と製薬会社2社を相手取った集団提訴が間もなく提起される予定だ。
 子宮頸がんワクチンは薬害を引き起こしているのかそうでないのかという本来の議論もさることながら、この問題は、現代社会を生きる私たちが陥っている、ある深刻な状況を鮮明に浮かび上がらせているような気がしてならない。それは、高度に進んだ科学技術社会、情報化社会を支える基盤となるべきメディア、アカデミア、行政の3主体が抱える「病巣」と言ってもいい。(Wedge編集長)

役割は果たされたか

遺伝子の基本を誤解釈

透けて見えた「狙い」

反省なき当事者たち

消えた「結論」

名古屋市の対応は仕方ない

 またとんでもないニュースが飛び込んできました。(子宮頸がんワクチン調査 名古屋市が結果を事実上撤回)ただ一般の人は間違った解釈をしてしまいそうな内容なので書いてみます。
 データ捏造について厳しく書いた前記事。(HPVワクチン問題 少し風向きが 教育者は恥を知ろう )医学的に正しいことを追求すべきと書きましたが、名古屋市が行ったワクチン接種者と非接種者との症状の違いをアンケートで確認した7万人の大規模調査。その解釈を撤回しデータの表示だけ行うという名古屋市からの報告です。
 名古屋市は、去年12月、2つのグループの間に有意な差は無かったとする見解を発表していましたが、今月出された最終報告書では、この見解を事実上撤回して調査の生データを示すにとどまり、今後、データの分析は行わない方針であることが分かりました。名古屋市は、12月のデータの分析方法に疑問の声が寄せられたためとしています。
名古屋市役所
 なぜこのようなことが起きたのでしょう。詳細は想像でしかありません。ただ生データはそのまま記載するわけですから捏造というものではありません。おそらく名古屋市の一般業務に影響するほど疑問の声が多かったのではないでしょうか。
 ちなみにこのアンケートのエビデンスのレベルはそこまで高いわけではありませんが、もともとの副作用と言われる低い発症頻度(約1万に1名、重症は10万に1名)を考えると、臨床試験等で有意差を出すことはかなり不可能に近いものになります。(つまりHPVワクチン副作用としてのHANSの証明はほとんど不可能)それゆえ副作用ではないという正しい結果が出ても、この分析方法では副作用の証明ができないからダメだといちゃもんをつけることは可能です。
 名古屋市は地方自治体であり、そのような厚生の施策に対し何らか最終的に決定する組織ではありません。まして疑問を呈するグループに対応する義務はありません。正直厄介なことから手を引いたほうがいいと判断することを責めることはできません。
でももし可能でしたら、どのグループがどれぐらいの疑問の声を寄せる行動をしたのか、正義の名の下にどのような行動をとったのか公開していただけると嬉しいです。7万人のアンケートに答えてくれた人のため、また今後正当にワクチンを打つ権利を妨害された人のために。
 アメリカなどでは、病院のカルテの情報などを元にこうした調査を迅速に行える仕組みがあり、日本も同じようなシステムを一刻も早く導入すべきではないかと指摘する声が専門家から上がっています。
 正直正しい疾患統計がほとんど取れていないのが日本の医療の現況です。だからこんな言いがかりが許されてしまう。本当今ある電子カルテもこのような病名の統計に対応していないため、一つ一つ人の目でチェックしています。 一括ソートはできません。この部分は全くその通りだと思います。正しい医療を正しい方法で。私はこれだけを望んでいます。(「中村ゆきつぐのブログ」2016.6.26

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