失敗しない都知事の選び方
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失敗しない都知事の選び方

政治資金の公私混同を批判され、辞任した舛添要一氏の後任を決める東京都知事選が告示された。「政治とカネ」をめぐり2代続けて知事が任期途中で辞職し、都政の信頼回復が大きな焦点となる。4年後の五輪ホスト都市の顔にふさわしい人物をどう選べばいいのか。失敗しない都知事の選び方を考える。

政治資金の公私混同を批判され、辞任した舛添要一氏の後任を決める東京都知事選が告示された。「政治とカネ」をめぐり2代続けて知事が任期途中で辞職し、都政の信頼回復が大きな焦点となる。4年後の五輪ホスト都市の顔にふさわしい人物をどう選べばいいのか。失敗しない都知事の選び方を考える。

主要3候補は「高齢者」

青写真が見えない

一長一短ある候補者

都知事選は劇場型

人気投票で終わらせるな

新知事は任期を全うできるか

日本の政治構造問う都知事選

猛暑の中で候補者の演説を聞く都民ら=7月14日午前、東京都新宿区
猛暑の中で候補者の演説を聞く都民ら=7月14日午前、東京都新宿区
 今日から東京都知事選挙が始まる。この間の、与野党ともに候補者選びの過程を見るにつけ「なんだかな」と思った人も多いのではないか。なぜ、こんなにドタバタ・ジタバタするのであろうか?答えは簡単、である。任期途中での辞職、だから。通常、知事はじめ首長は任期途中で辞職しない。つまり、知事や市長が引退する場合、その時期はたいてい予定調和。「後継者」を指名して「花道」を飾るというのがお決まりのパターンである。その「後継者」はもちろん「与党」である政党・議会と事前にバッチリ調整である。それに対して「野党」の方はなかなか候補を作ることができない。おっと、ここで大事なのは、地方議会の場合の「野党」の位置づけは国政の構図とは違う、ということだ。地方議会での与野党の構図は「自公民」であることが多い。
 そうした中で跳ねっ返りで無鉄砲な若手が挑戦する、ということがあっても、国政の構図としての与野党対決にはなり難く、支持基盤の薄い中で広い選挙区をカバーしなければならない知事選挙は最初から勝負が見えているから、ガチで対決、とはならないのだ。もちろん例外はある。最近では滋賀県が国政の構図で戦い、国政での「野党」側が勝利したケースであるが、それは県議会で自公以外の勢力がそれなりの存在感を持っている稀有なケースとも言える。というわけなので、いつも知事選は「自公民」VS「共産」というパターンとなる。おっと、話がそれた。今回の候補者選びに話を戻す。
 舛添氏の突然の辞任によって、その予定調和が乱された。猪瀬氏も同じパターンだったから、次回2年後のレギュラリーの選挙こそ予定調和でいけると、誰もが思っていたはずだ。すくなくとも2期ぐらいは舛添氏で行くだろうから、都知事を選ぶ、なんてことは誰も想定もしていなかったのである。しかも参議院選挙が直前にあるというタイミング。それぞれの政党の持ち駒を見ても「誰も残っていない」というのが現実である。つまり、良い候補者がいたら、すでに参議院で声をかけていて、出たり、断られたりしている。また適任である人はもちろん他のやりがいのある仕事についている場合が多い。やりたい!という意欲と能力があった人がいたとしてもまた今回はカネ絡みの辞任だ。立候補か?とささやかれただけでマスコミの執拗な追及が始まるから、挑戦したいと思っても、家族を含めて反対にあって断念ということもあるだろう。
 今回の選挙で、最も準備が整っていたのは宇都宮氏だろう。「出ない」という決断を下すことは、「出る」よりずっと重いことだと思う。支援者の方も含め。小池氏の爆走ぶりは面白いし、小気味もいい。が、その根底にあるものを良く見極めないといけないと思う。本当に思うなら、もっと前から指摘して、行動することはできたのだから。民進党、野党4党は鳥越俊太郎氏を統一候補とした。参議院選挙を経て、それぞれの政党にとっては自覚と覚悟が問われた結果なのだと思う。今回の選挙は、政治史的にも、政治学的にみても大きな事象ともなることだと思っている。地方議会における「与党」とはなんぞや、ということが問わる選挙でもあるからだ。そしてそれはまさに日本の政治構造そのものを問うものでもある。
 首都東京。ドタバタだからこそ見えてきたものもあるのである。この知事選挙がその起爆剤になることを期待している。(井戸まさえ公式ブログ 2016.07.14

立候補者は21人もいる

「後出し」元祖は青島幸男

東京都知事選「争点」はズバリここでしょう

 東京都知事選挙の候補者が出揃いました。月曜日には、かねてから出馬の動向が注目されていた増田寛也氏が出馬表明しました。増田氏は自民党と公明党が推薦とのことです。そして突如、出馬表明をしたのがジャーナリストの鳥越俊太郎氏です。こちらは民進党・共産党も含めてつい先週まで行われていた参議院議員選挙の国政の枠組みそのままの野党共闘の形になりました。
 それにしても演出は見事でした。鳥越氏の記者会見に舞台袖から古賀茂明氏が現れて「鳥越氏を支持する」と一本化をアピールしました。また、午後には上杉隆氏が記者会見をして出馬表明しました。先日亡くなった鳩山邦夫さんの秘書だった上杉氏は、その鳩山さんが都知事選挙に出た経緯もあり、いわばその意思を継ぐという意味合いもありそうです。
東京都庁舎。知事選が告示され、論戦がスタートした
東京都庁舎。知事選が告示され、論戦がスタートした
 上杉氏はいま批判の対象になっているマスコミの問題、その本質的な問題である記者クラブ制度について歯に衣着せぬ発言をしてきた人で特徴のある方です。それ以外にも、山口敏夫元労働相など出馬予定の方が多くいらっしゃいます。
 シャキッとしないのは政党です。自民党・公明党は舛添さんの辞任に対して「製造者責任」を認めて謝りました。しかし、あれが参議院議員選挙の途中だから謝ったという方便だったのならダメですね。きちんとあの反省に立って軸を持った候補者選定をしてもらいたかったところですが、残念ながら自公にその軸は見えませんでした。
 返す刀ですが、民進党もまるっきり最後まで自分たちがどういう人を擁立したいのかが見えてきませんでした。「舛添氏は自分たちが担いだ人ではない」というアドバンテージがあったからこそ民進党には先手も打てたはずです。「言わんこっちゃない。こういう考えで行こう!」と進めるべきでしたが、その軸が見えませんでした。すなわち自民党・公明党にも民進党にも、軸を見ることはできませんでした。
 今回の選挙は何で選ぶべきでしょうか? 私が軸として打ち出すべきだと思ってきたのは、日本一恵まれた財政の地方公共団体である東京都だからこそ発生した漫然とした都政・傲慢な知事・ぬるま湯の議員や公務員、これらに対してきちんとしたスタンスを明らかにすることです。東京都の政策は、高齢社会にどう臨むか、待機児童問題にどう臨むか、日本をどう牽引するかなど、どの候補でも課題はあまり変わらないでしょう。
 今回の選挙は舛添問題に対してきちんとかたをつける、いわば政党としての人事が選択肢にあることが求められていたと思いますが、それはありませんでした。
 翻れば、平成14(2002)年に横浜市長選挙に出るときも同じでした。オール与党で自民党も民主党(当時)も公明党もみんなが4期目の現職を担ぎ上げるなか、横浜市の財政は赤字放漫垂れ流し、累積債務は膨大になっていました。この状態に市民は薄々まずいと思っていましたが、政党はその責任を選択肢として用意しませんでした。「99%負ける」と言われた選挙でしたが、結果的に市民は私を選択しました。すなわち「変えて欲しい」というメッセージだったのです。
 政党がしゃきっとしない都知事選挙ですが、有権者の皆さんは政党ではなく候補者に焦点を絞って見ていく必要があります。(中田宏チャンネル2016.07.13

カネと決別できない都知事

失敗しない都知事の選び方

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