リオ五輪、日本人メダルラッシュの理由
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リオ五輪、日本人メダルラッシュの理由

表彰台で輝く選手たちの姿に列島が歓喜に沸いた。リオ五輪で獲得した日本勢のメダルは史上最多の41個。むろん、メダルだけがすべてではないが、それでも日本人が飛躍した背景にはきっと何かあるはずだ。4年後の東京五輪を見据え、日本勢メダルラッシュのワケを読み解く。

表彰台で輝く選手たちの姿に列島が歓喜に沸いた。リオ五輪で獲得した日本勢のメダルは史上最多の41個。むろん、メダルだけがすべてではないが、それでも日本人が飛躍した背景にはきっと何かあるはずだ。4年後の東京五輪を見据え、日本勢メダルラッシュのワケを読み解く。

新生JOCの成果

気質が変わった日本選手

英国はメダル報奨金なし

疑問視されたオーバーエイジ

アスリートが主役なら五輪は成功する

 今回の五輪は、ほんとうに面白かった。日本人選手が活躍するのももちろんうれしかったが、アスリートたちが、4年に1度の真剣勝負に向き合っている、その姿がよかった。勝者もそうだが、敗者もまた、強く記憶に残った。「リオロス」になりそうだ。
 リオ五輪は、事前には、いろいろな「懸念」材料が伝えられた。スタジアムなどの建設が遅れ気味だとか、大統領が弾劾で変わって、出席できないかもしれないとか、ジカ熱のこととか、さまざまな心配があったけれども、開幕してみたら、あのような盛り上がりである。
どういうことなんだろう、と考えていて、ああ、こういうことか、と思ったことがある。スタジアムうんぬん、大統領うんぬん、街の治安うんぬんは確かに懸念材料ではあるが、最低限の条件が揃えば、実はオリンピックの本質ではない。
五輪の女子個人種目で史上初の4連覇を成し遂げたレスリング女子58キロ級の伊調馨
五輪の女子個人種目で史上初の4連覇を成し遂げたレスリング女子58キロ級の伊調馨
 オリンピックの本質とはなにか? それは、この日のためにものすごく鍛錬をしてきたアスリートたちの、精一杯のパフォーマンスである。その生身の肉体の躍動が、私たちを感動させる。それ以外のことは、すべて、枝葉末節と言っても良いのだ。
 当たり前のことだが、オリンピックは、アスリートたちのためにある。アスリートたちの努力、鍛錬が強度を保ちつづけるかぎり、他のことは、アスリートたちの邪魔にならない限り、所詮は副次的なことでしかないのだ。だからこそ、オリンピックには、「ほんもの」がある。
 オリンピックに出場したアスリートにお話をうかがうと、引退したあと、「これからどうしよう」と茫然としたとうかがうことが多い。それくらい、人生のすべてを、その競技にかけている。逆に言えば、そうでなければ、あの場に立つことはできない。
 人生のすべてをかけて、練習して、鍛錬して、オリンピックに出て、それでも、良い成績かどうかはわからない。ましてやメダルをとれるなんて、奇跡のようなものだ。そのような熱と、過酷なドラマこそが、オリンピックのすべてである。
 2020年の東京五輪についても、これから、いろいろなことが言われ、さまざまなことが「懸念」されるだろう。しかし、五輪の本質がアスリートたちの躍動にあるということさえ忘れなければ、東京五輪はきっと成功するし、私たちの記憶に長く残るイベントになるだろう。(茂木 健一郎 Facebook 2016.8.22

「こいつはきっと強くなる」

最後に勝負を分けるもの

遅れた高速化対応

本物のチームが勝った夏

 いろいろな名場面のあったリオデジャネイロ・オリンピックだけど、日本選手について僕が印象的だったのは、「もうフィクション作家とか大変だよなぁ」ということだった。それは、特にチームスポーツで感じたんだけど、もう現実の選手同士のエピソードや、醸し出す雰囲気が創作者の想像範囲を超えちゃったという感じだ。日本では、スポーツにおけるスーパースターは、フィクションことにコミックから生まれて来た。というか、まだまだ世界レベルから遠い日本のスポーツは、コミックの中で成長してきたわけだ。そして「大リーグボール」の時代から、日本人選手が本物の大リーガーになって、超一流の仲間入りをしていった辺りから、フィクションの出番は段々と減ってきたと思う。
 今大会だと、まず萩野と瀬戸の「子どもの頃からのライバルと友情」というお話があった。体操は、内村を中心としたチームが優勝して、最後はそのリーダーが個人でも金メダルと獲った。卓球は男女ともメダルを獲ったが、並んだ時の個性がまるで図ったみたいだし、そして、4×100mリレーは、「できすぎ」というくらいのお話だった。1人も9秒台もファイナリストもいない中での、チームプレーというのもそうだけど、またキャラクターが光ってる。でも、ドラマの脚本家が「ケンブリッジ飛鳥」なんてキャラクターを考えたら、脚本家が突っ込まれたと思うんだよね。「いや、ちょっと荒唐無稽でしょ」とか。でも、現実はもう軽々と先に行ってしまった。
陸上男子4×100mリレー、桐生祥秀からバトンを受け取りゴールを目指すケンブリッジ飛鳥=8月19日、五輪スタジアム(撮影・森田達也)
陸上男子4×100mリレー、桐生祥秀からバトンを受け取りゴールを目指すケンブリッジ飛鳥=8月19日、五輪スタジアム(撮影・森田達也)
 特に男子のチームは、仲がよさそうにも見えるし、そういう報道も多い。というか、実際にはどうでもいい。有無を言わせない実績を上げたチームは、「リアル」が輝いてるからだ。で、今度のオリンピックが終わって、この辺りのメディアへの影響は結構大きいと思ってる。というのも、開催期間中に発表されたSMAPの解散話とピッタリと裏表の関係になるからだ。SMAPの件は、「虚構」と「現実」を事務所はコントロールできなくなり、ダムが決壊したようなものだと思ってる。一歩引いてあの現実をみれば40になろうとする男たちのドロドロしたお話でしかない。その一方で、リアルの世界があれだけ光っていれば、ちょっと見ていても痛々しいだけだし。
 「虚構/現実」を上手に出し入れしてメディアをコントロールする手口はもう限界なのだろう。AKBなどは、既にそこをわかってるし、いわゆる「芸人」にも「虚構/現実」の構造はない。今年の夏は「本物のチームが勝った夏」(あるいは虚構のチームが消えた夏)というわけで、これからのメディアビジネスの転機になるかもしれないと思う。コンテンツはもちろん、広告のつくりにも影響するだろう。「象徴的な事件」って、短い間にギュッと起きるんだよね。(山本直人公式ブログ 2016.08.22

五輪が生み出す明暗

リオ五輪、日本人メダルラッシュの理由

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