年金運用5兆円損失のウソ、ホント
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年金運用5兆円損失のウソ、ホント

私たちの年金は本当に大丈夫なのか? こんな不安にかられた人も多いだろう。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2期連続の赤字となり、5兆円もの損失を出したというのである。当のGPIF側は「年金支給に支障はない」と抗弁するが、どこまで信用していいのやら…。

私たちの年金は本当に大丈夫なのか? こんな不安にかられた人も多いだろう。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2期連続の赤字となり、5兆円もの損失を出したというのである。当のGPIF側は「年金支給に支障はない」と抗弁するが、どこまで信用していいのやら…。

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巻き戻しの備えはあるか

メディアも気づかなかった愚かさ

株式中心の切り替えは拙速

最も投資していたのはトヨタ

株価上昇を祈るしかない

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は29日、2015年度の運用実績が5兆3098億円の赤字になったと発表しました。この結果はどう判断すればよいのでしょうか。また、わたしたちの年金は大丈夫なのでしょうか。
 以前の公的年金は安全運用が第一ということで、資金のほとんどを国債で運用してきました。しかし安倍政権はこれまでの運用方針を180度見直し、株式を中心としたリスク運用への転換を行いました。日本の公的年金は受給者への支払が、現役世代からの徴収額をはるかに上回っており、このままでは積立金があと数十年でなくなってしまいます。年金を維持するためには、足りない部分を運用収益で埋め合わせる必要があり、株式などリスクの高い投資に集中せざるを得ない状況となっています。大きなリスクがあるにもかかわらず、安倍政権が年金運用の株式シフトを進めた理由はここにあります。
 運用を株式中心にしたということは、年金財政は株式市場の動向に大きく左右されることを意味します。GPIFは累積の収益額が45兆4239億円あることを強調していますが、公的年金の性質上この考え方はあまり適切とはいえません。年金積立金を運用するのは、毎年発生する年金財政の赤字を運用益によって穴埋めすることが目的です。毎年得られる運用益の一部は年金特別会計に支出していますから、累積ではなく今年にいくらの収益を得られたのかがむしろ重要です。
 2014年度は株価が大幅に上昇した結果、運用収益は15兆2922億円、収益率は12.27%になりました。このため年金を管理している年金特別会計には、赤字の穴埋め分として3兆2710億円が支払われています。しかし今年は5兆3098億円の赤字ですから運用益がありません。
 年金の支払いは待ってくれませんから、2015年度には2750億円がやはり穴埋め分として支払われました。昨年度の運用益の残りがあるため、完全なマイナスにはなっていませんが、考えようによっては、運用資金から配当を行うタコ足配当のようなものです。
 諸外国の年金運用のように国債が中心であれば、金額は小さいものの毎年確実に利益が見込めます。しかし運用を株式中心に変えてしまった以上、株価が大幅に下落した場合には、年金支給に影響が出ることはやむを得ません。
 ちなみに今回の損失額については、現時点におけるGPIFのポートフォリオから考えればごく自然な数字です(GPIFの運用が特に下手くそなわけではありません)。現在の運用は完全に株価に依存しており、株価が上がれば年金財政が潤い、株価が下がれば逼迫することになります。年金加入者としては株価が上昇することを祈るしかないでしょう。(The Capital Tribune Japan THE PAGE 2016.08.02

ギャンブル依存症の安倍政権

現状は破綻企業と同じ

年金運用に無知な政治家ばかり

GPIFのアリバイ作りか

 「公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、投資先企業との定期対話を始める。日産自動車やエーザイ、オムロンが幹事社となり、9月に初会議を開く。毎年2回程度開き、企業活動の理解を深めて運用成績の向上につなげる」(15日付日本経済新聞 「投資先と定期対話 公的年金、運用に生かす」)
 全くナンセンスなお話。「運用に生かす」というが、GPIFは運用会社に運用を委託しており、直接企業に投資する立場にない。そうした立場のGPIFがなぜ投資先企業との直接対話をする必要があるのだろうか。
 この対話を「運用に生かす」として、GPIFが委託先に投資対象の指示をしたら、投資一任契約を犯す行為にもなりかねない。
 余裕銘柄の開示や、個別企業の投資判断権を持たないGPIFによる投資先との定期対話などはコストの無駄遣いでしかない。
 2014年10月に「GPIF改革」と称した無意味な「基本ポートフォリオ変更」によって、2012年度に222億円、運用資産に対する手数料率0.02%であったGPIFの管理運用手数料は、2015年度には405億円、手数料率0.03%に上昇してきている。「基本ポートフォリオ変更」によって海外資産への投資割合を増やした(海外株式12%⇒25%、海外債券11%⇒15%)ことで、117億円であった海外資産の運用手数料が、261億円へと倍以上に膨らんだからだ。
 海外資産運用に関する運用手数料が大幅に上昇する中で、個別企業の投資判断権限を持たないGPIFが国内株式の運用においても無用なコストを掛けるという判断は、GPIFの運営が今でも「親方日の丸」という意識の下で行われていることを物語るものである。
 保有銘柄の開示といい、本質的な問題とは関係のない国民向けパフォーマンス、アリバイ工作ばかりに精を出す姿勢こそ、「GPIF改革」によって改めるべき点である。(近藤駿介「In My Opinion」2016.08.15

年金運用の陰にあるもの

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