もんじゅ廃炉と「シン・ゴジラ」
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もんじゅ廃炉と「シン・ゴジラ」

映画『シン・ゴジラ』は、核の脅威を象徴するメッセージ性の強い作品だ。くしくも、この大ヒットの最中に政府が高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉方針を決めた。エネルギー小国にとって、核燃料サイクルの「夢」はまた遠のくことになる。日本に巣食うリアルゴジラの正体を突き止めれば、課題は自ずとみえてくる。

映画『シン・ゴジラ』は、核の脅威を象徴するメッセージ性の強い作品だ。くしくも、この大ヒットの最中に政府が高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉方針を決めた。エネルギー小国にとって、核燃料サイクルの「夢」はまた遠のくことになる。日本に巣食うリアルゴジラの正体を突き止めれば、課題は自ずとみえてくる。

大きなチャンスを棒に振った

「築地移転」とダブる決定

必要なのは「文殊の知恵」

「シン・ゴジラ」があぶり出す日本の核と原発

 ジャーナリストの津田大介さん、堀潤さんらと話題の映画「シン・ゴジラ」を観た。「3.11」の福島原発事故が発想の根源になっている。ある日、海上に巨大不明生物が出現する。この巨大不明生物が「ゴジラ」なのだが、実は海底に廃棄された核廃棄物が発生源だ。その生命の仕組みが原子力発電と同じ構造だという。
 暴れるゴジラに対して、政府はどう対処するか。日本の危機を前にして、閣僚や官僚たちが緊急会議を開く。自衛隊を出動させるかどうか、「憲法違反ではないか」などと、議論は延々と続く。今そこに危機があるのに、である。結局、自衛隊を出動させるものの、ゴジラを退治することはできない。次に米軍に出動を要請するが、やはり歯が立たない。最終的に、国連軍が東京ごとゴジラに核攻撃をすることに。しかし、日本が三たび核爆弾にさらされるのを日本人は許してよいのか……。
 観ていない方のために内容紹介は、このくらいにしよう。ともかく政治家や官僚たちに、かなりリアリティがあっておもしろい。独特の早口でしゃべる官僚たち、日本の縦割りの官僚制度、そして大臣の欠陥がよく出ている。アメリカの要求にノーと言えず、困惑する首相も実にリアルだ。
 怪獣映画というジャンルに入るのだろう。しかし、自衛隊と憲法、官僚制度の欠陥、核と原発……、日本という国の抱える問題を、非常にリアルに描いている。僕はとてもおもしろく観ることができた。興行成績がトップクラスだというのも納得である。現役の政治家や官僚たちも、ぜひ観ていただきたい。(「田原総一朗 公式ブログ」2016.09.20

韓国も羨む既得権

世界の心配は核転用

結局しわ寄せは国民に

二元論ではなく三択を

再稼働にいくらかかる?

 高速増殖炉「もんじゅ」をどうするか、議論になっている。私は議論の余地はなく、さっさと廃炉にすべきだと思う。エネルギー政策的には、意味のない施設だが、億が一、再稼働することになったら、それなりのコストがかかる。政府内で、コスト計算が行われているが、おおよそどの程度のコストがかかるのだろうか。文科省からヒアリングしながら、自民党の行政改革推進本部で試算してみた。
 まず、もんじゅ本体を新規制に対応させるコストがある。新規制がないのだから、試算のやりようがないが、軽水炉の新規制対応を横目で見ながら鉛筆をなめるとざっくり約400億円。これについては、桁が一つ違う(桁が一つ多くなるのでは)という意見もある。
 さらに、設備などの試験をやらなければならず、このコストがやはりざっくり数百億円。ヒアリングでは500億円はかからないかも、ということなので400億円とおいてみる。
 もんじゅは停止していても年間200億円の維持管理費がかかるので、これは必要になる。さらにもんじゅの燃料工場を新規制に対応させる必要がある。このコストもざっくり数百億円。仮に400億円としてみる。燃料工場ももんじゅ同様に現在でも維持管理費が年間30億円かかっている。新規制ができて、申請、工事、認可などのプロセスを経て、再稼働まで何年かかるか、これも不明だが、ざっくりざっくり7年としてみる。(10年はかかるという説もある)もんじゅは運転再開してから、フル出力に達するのに2年、そこから6年運転して評価することになる。
 つまりもんじゅ再稼働の費用は、前提条件によって大きく変わるが、

もんじゅ本体新規制対応  400億円
もんじゅ関連設備等試験  400億円
燃料製造工場新規制対応  400億円
もんじゅ維持管理費 200億円x(7年+2年+6年)
燃料工場維持管理費  30億円x(7年+2年+6年)

 合計すると6年の運転のために必要なのは4650億円。4650億円という数字は、政府が精査して出してくるだろう数字と比べると、「たぶん少ない」。もちろん、この数字は前提条件によって変わってくるが、文科省と話をして、ざっくりざっくりの前提条件はこんなものとして出した一つの数字だ。これを見ただけでもんじゅは廃炉にすべきということに異論はないだろう。
 問題はその後だ。経産省などは、フランスと共同でアストリッドという高速炉の研究をやろうとしている。そのためには金食い虫のもんじゅを廃炉にしたほうが非難されにくいというよみだろう。もんじゅ廃炉は当然として、核燃料サイクルの見直しをすべきなのだ。
 「コストが最も安い」はずの原発のコストを新電力にも負担させようとしたり、我が国のエネルギー政策は利権温存のために迷走している。(河野太郎ブログ「ごまめの歯ぎしり」2016.09.16

複雑怪奇な原子力政策

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