なぜトランプは日本が嫌いなのか
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なぜトランプは日本が嫌いなのか

米大統領選は大詰めを迎えた。初の直接対決となった第一回テレビ討論会では、トランプ氏が「大統領らしさ」を意識し、普段の暴言を抑制。だが、「日本嫌い」で知られ、自国第一主義を貫く氏の政治理念は今も変わっていない。トランプが思い描く「米国の進路」は、日本にとって吉となるか、凶となるか。

米大統領選は大詰めを迎えた。初の直接対決となった第一回テレビ討論会では、トランプ氏が「大統領らしさ」を意識し、普段の暴言を抑制。だが、「日本嫌い」で知られ、自国第一主義を貫く氏の政治理念は今も変わっていない。トランプが思い描く「米国の進路」は、日本にとって吉となるか、凶となるか。

「素人発言」のオンパレード

繰り返される日本批判

トランプ勝利も悪くない?

トランプが「太平の眠り」を覚ます

 近未来の我が国を根底から揺さぶる「動乱要因」は、やはりアメリカになる。嘉永六年と同じである。ともに「太平の眠り」を覚ますことになる。百六十余年前は、マッシュー・ぺリー、今度は、ドナルド・トランプ。そして、状況は、百六十余年前よりも深刻である。
 何故なら、近くの中国は、昔はアヘン戦争に敗北することによって欧米の帝国主義諸国の脅威を我が国に伝える存在であったが、今は中国それ自体が、共産党独裁の軍事大国として我が国を侵略する主体となっているからだ。 
 つまりこれから、我が国は太平洋の東と西の両岸とさらに南から、同時に衝撃波を受けることになる。昔は、「太平の眠り」から覚めてから帝政ロシアとの存亡をかけた戦いまで、三十七年の準備時間が与えられていた。しかし、今は両者が同時に来るのだ。
 さて、昨年来の我が国のマスコミと外交専門家の予測はことごとく外れ続けて、ドナルド・トランプ氏が、正式に共和党のアメリカ大統領候補に決定した。そして、アメリカ大統領に就任する公算が大である。
(ロイター)
 そのトランプ氏は、理念よりも利害得失のタフな交渉屋として不動産業で財をなしてきた人物であり、在日米軍の引き上げに言及し、日本の核武装を容認すると発言し、アメリカの為ならば、日本を視野に置かずに中共と如何なる交渉をするのか予測がつかない。これ、まさに「戦後という太平の眠り」を覚ます衝撃ではないか。
 そして、中共は既に昨年、南シナ海の岩礁を埋め立てて三千メートル級の滑走路を三本も完成させ、そこにミサイル基地を建設してミサイルを配備し、本年にはいよいよ露骨に東シナ海の我が国領海付近に軍艦を遊弋させ領空附近に盛んに戦闘機を飛ばしてきた。即ち、中共は、昨年から本年にかけて、我が国の生命線であるシーレーンが走る南シナ海と東シナ海を扼しながら、西太平洋の海中に原子力潜水艦を遊弋させてアメリカの核を抑止して東アジアに手出しできなくする体勢を着々と整えてきたのだ。(中略)
 かつて十六年前、防衛政務次官であった私は、「我が国も核を保有するかどうか国会で議論するべきだ」と言った。すると、マスコミが群がって「核武装発言けしからん」と私を非難した。私は彼らに次のように言って記者会見を締めくくった。「あなたがたは、近い将来、私の発言に、何故自分たちが大騒ぎしたのか、説明できなくなるだろう」
 マスコミの人士よ、今、共和党のアメリカ大統領候補が、「日本核武装」を言ったじゃないか。何故、大騒ぎしないのか。見て見ぬ振りをしているのか。そうではないのなら、何故、せっかくアメリカに滞在させている特派員を使って彼トランプの日本核武装論の本意をもっと聞き出して我が国内で報道し、我が国に核保有論議を提起すべきではないか。国防と拉致被害者救出! これが我が国の最重要の課題であり、これを実現するために、直ちに自衛隊を国防軍に再編し強化しなければならない。これが「大義」であり、これを語らないことが、即ち「私を計る」ことである。(西村眞悟の時事通信 2016.7.22)

懸念される日本人排除

日米同盟への無理解

民主党内にも広がるトランプ思想

クリントン氏の不安は健康以外にも

そろそろ真剣に考えたら?

 筆者は予備選挙におけるトランプ勝利を予備選開始段階で予測し、予備選挙終了後はヒラリー・クリントンの健康問題が選挙焦点になる旨を明言してきました。その後、米国大統領選挙に関する報道についてコメントすることは暫く静観してきましたが、相も変わらずトランプへのバッシングとヒラリー擁護が繰り返されるメディアと識者の解説に辟易していました。
米大統領選候補者討論会で握手する
ヒラリー氏(右)とトランプ氏
=9月26日、ヘンプステッド(AP=共同)
 たしかに、ムスリムの米国兵士の両親に対するトランプ氏の批判が行われたときの一時的な支持率の落ち込みは心配ではありましたが、それ以外の時の世論調査の数字はトランプ・ヒラリーはほぼ拮抗している状態が続いてきました。現在も接戦州ではほぼ互角の戦いが展開されており、ヒラリー・クリントンの健康問題がクローズアップされていくことで、トランプの優勢が確立することになるのではないかと予測しております。
 そもそもトランプ氏はヒラリー・クリントンとの対決の中で健康問題が焦点になるということを予測していたように思われます。それは昨年の予備選挙の途中段階で共和党内で圧倒的な優位を確立した際に早々に自らの健康診断書を提出しています。その後、共和党予備選挙でテッド・クルーズにやや苦戦したことから、この一手は注目されることがありませんでしたが、対ヒラリーの観点から大統領選挙序盤の好手が利いていく形になることでしょう。
 トランプ陣営はミスを犯すこともあるものの、中核的なメッセージ発信に関しては総じて成功しており、現在も米国民の約半数から厚い支持を得ている事実にもう少し注目しても良いと思います。トランプが孤立しているかのような印象は完全な誤りであり、トランプ陣営の言動は確実に米国民の心を捉えるものになっています。
 メディアや識者と呼ばれる人々が流す情報は「ヒラリー・クリントン大統領誕生は既定路線」という演出が行われていますが、現実の世論調査の数字はそれらを反映したものになっていません。むしろ、それは彼らの願望を反映しただけのミスリードであるとすら言っても良いでしょう。現実はトランプ氏とヒラリー・クリントンどちらになってもおかしくない状況です。そして、ヒラリー・クリントンの健康問題が取り上げられていく場合、今後はトランプ優勢に形勢が傾いていくことになるでしょう。9.11の追悼式典で体調不良を起こしたことの印象は最悪です。
 既存のメディアと識者が垂れ流す情報はそれなりに聞き流して、賢明な読者諸氏には大統領選挙の動向については上述の世論調査サイトの数字を参考にして頂ければ幸いです。筆者が昨年から指摘し続けているように、トランプ大統領誕生を見据えた議論を真面目に行うべきであり、これ以上バカげたトランプ・バッシングに日本の世論が付き合うことが無いようにしてほしいものです。(『切捨御免!ワタセユウヤの一刀両断!』2016.09.13)

トランプがもたらす影響とは

なぜトランプは日本が嫌いなのか

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