夢のがん治療薬「オプジーボ」の光と影
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夢のがん治療薬「オプジーボ」の光と影

いま、一つの新薬をめぐり議論が渦巻いている。小野薬品工業が開発したがん免疫薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)である。治療効果が高く画期的な新薬との評価がある半面、超高額の薬価は国の財政を圧迫しかねないとの懸念も広がる。夢の新薬が問う「命の値段」。その光と影を考える。

いま、一つの新薬をめぐり議論が渦巻いている。小野薬品工業が開発したがん免疫薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)である。治療効果が高く画期的な新薬との評価がある半面、超高額の薬価は国の財政を圧迫しかねないとの懸念も広がる。夢の新薬が問う「命の値段」。その光と影を考える。

薬剤費は1兆7千億円?

乱用する民間クリニック

がん撲滅につながるか

必要なのは「混合診療」

 僕は妻を2人ともがんで亡くした。そのためもあって、医療問題には少なからぬ関心を持っている。僕が関わっているNPO法人では、抗がん剤を試してみて、効果がなかったら、治療の途中でも投与を中止しようと主張している。「そんなことは当り前だろう」と思うかもしれない。けれど、現在の日本では違うのだ。「効く」「効かない」にかかわらず、一度、抗がん剤を投与し始めたら、予定した量をすべて投与し終えなければならない。当然ながら、効かなかったときの患者のダメージは大きい。はたして、このNPO法人はこのような主張をしたため、厚労省から補助金を打ち切られてしまったのだ。
高額ながん治療薬「オプジーボ」
 とにかくたくさんの抗がん剤を売りたいという製薬業界の思惑が、その背景にあるとしか僕には思えない。抗がん剤は一定の量を投与しないと効果がわからない、というのが、厚労省、そして製薬会社の主張である。しかし、一定量を投与しなくても「効く」「効かない」はわかるはずだというのが、このNPOの主張なのだ。
 がん治療をめぐる問題は、もうひとつある。それは「混合診療」だ。日本で認められていない抗がん剤を日本国内で使う場合、健康保険は適用されない。そこまでは仕方ないだろう。ところが、この認可されていない抗がん剤の治療以外の診療までもが、健康保険の対象外となってしまうのである。もし日本で未承認の抗がん剤を試そうとすると、その患者のがん治療で健康保険がまったく適用されなくなる。莫大な治療費になってしまう。結局、多くの患者は、その治療をあきらめるしかない。患者の立場からすると、あらゆる可能性を試したいと考えるのは当然だろう。
 だから、たとえば、「この抗がん剤治療は健康保険の対象外です。しかし、他の治療には健康保険が使えますよ」となれば、どうか。金銭的な理由などで、いままであきらめてしまっていた患者も、可能性のある治療を試すことができる。これが「混合診療」である。なぜ、「混合診療」が日本で認められないのか。それは日本医師会が反対しているからだ。日本医師会は自民党の支持母体である。日本医師会は、反対の理由をホームページにこう書いている。
 「医療は、教育などと同様に『社会的共通資本』であるという考え方を私たちは持っています」。「健康保険の範囲内の医療では満足できず、さらにお金を払って、もっと違う医療を受けたいというひとは確かにいるかもしれません。しかし、『より良い医療を受けたい』という願いは、『同じ思いを持つほかのひとにも、同様により良い医療が提供されるべきだ』という考えを持つべきです。混合診療の問題を語るときには、『自分だけが満足したい』という発想ではなく、常に『社会としてどうあるべきか』という視点を持たなければならないと考えます」
 なんだか、さっぱりわからない文章だ。要は「患者に不平等が起こる」、だから混合診療は認められないということか。
まるで社会主義国だ。本音を言えば、保険事務が煩雑になるのが面倒だということかもしれない。(田原総一朗公式ブログ 2012.10.22

開いたパンドラの箱

保険財政の破綻危機

莫大な開発費用

間違いだらけのがん医師

小林麻央さん
 歌舞伎役者、市川海老蔵さんの妻小林麻央さんが進行乳がんのため闘病中であることが報道されて以降、その麻央さんが最近ブログを更新され、再びお元気な声が届いたことで皆が安堵しました。がんと上手に付き合うために、日々前向きに一生懸命がんばっていらっしゃる様子がうかがえます。同じがんと向き合っている、スポットライトを浴びることもない多くの患者さんたちにとっても、彼女の声がきっと大きな勇気や希望となっているはずです。と同時に、ブログの出だしには、以下のような後悔の念ともとれる吐露があり、変な胸騒ぎを覚えました。
 「あのとき、もっと自分の身体を大切にすればよかった」「あのとき、もうひとつ病院に行けばよかった」「あのとき、信じなければよかった」
 まだ記憶に新しい、女優の川島なお美さんもそうであったように、がんであることが判明し、重要な意思決定が求められる場面であるにもかかわらず、医師が逆に足を引っ張ることが少なくないからです。そのような医師たちにみられるクセとして、偏った「立場」をとっていることがほとんどだといえます。例えば次の通りです。「手術を受けるべきではない」「抗がん剤は効かない」「切らずに治す」「免疫力でがんが消える」。報道では、小林麻央さんが最初に乳がんと診断されてから、すでに2年近くが経過しているようです。乳がんと診断されてから最初に診た医師は、いったいどのような説明をし、どのような治療方針を奨めたのでしょうか。
 「あのとき、信じなければよかった」、「あのとき、もうひとつ病院に行けばよかった」と、麻央さんの口から漏れ出てしまう事の発端は一体何だったのでしょうか。兎にも角にも、いま現在そしてこれからは、麻央さんには自分らしく安心して日々を暮らすためにも、がんと上手に向き合って欲しいと心から願います。そして、更新ブログから聞こえてくる明るい声を、いつも楽しみにしています。(大場大公式ブログ 2016.09.05

オプジーボの功罪

夢のがん治療薬「オプジーボ」の光と影

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