将棋スマホ不正、三浦九段にモノ申す
725

テーマ

将棋スマホ不正、三浦九段にモノ申す

三浦弘行九段の「スマホ使用」疑惑に将棋界が揺れている。そもそもプロ棋士最高位の彼にこんな嫌疑がかかること自体恥ずべきだが、真相はいまだ藪の中にあり、将棋ファンならずともその行方には関心が集まる。ただ、今回の将棋スマホ不正をめぐる騒動を考えれば考えるほど、もっと別次元の問題も見えてくるようで…。

三浦弘行九段の「スマホ使用」疑惑に将棋界が揺れている。そもそもプロ棋士最高位の彼にこんな嫌疑がかかること自体恥ずべきだが、真相はいまだ藪の中にあり、将棋ファンならずともその行方には関心が集まる。ただ、今回の将棋スマホ不正をめぐる騒動を考えれば考えるほど、もっと別次元の問題も見えてくるようで…。

棋士とは「炭鉱のカナリア」である

「電王戦」敗北がきっかけ?

遅すぎたスマホ規制

三浦九段が被った深刻な不名誉

 将棋の三浦弘行九段が対局中に不正を行ったとして日本将棋連盟から処分を受けたニュースには驚愕した。三浦九段はトップクラスの棋士の一人で、対局料が最も高い棋戦である竜王戦の挑戦者に決まっていたが、年内いっぱいの出場停止処分を受け、挑戦できなくなった。三浦九段の名誉および経済的な損失は甚だしいが、三浦九段側は不正を否定し、弁護士と対応を協議するとしている。
 さて、本件には、企業・官庁などの組織とそこで働く個人にとって多くの教訓がある。筆者は、三浦九段が対局中に不正を行う人だと思わないが、同時に将棋連盟が決定的な証拠なしに処分を決めたとも信じられない。現時点では、事実に関して「保留」とせざるを得ないが、それでも考えるべき点がある。まず、ビジネス体としての将棋連盟は、三浦九段本人と処分について合意した上で、本件を発表すべきだった。今後、三浦九段側と将棋連盟の間で対立が続く間、プロ将棋は世間からネガティブな注目を浴びることになる。将棋自体のイメージ・ダウン、ファン離れ、さらに最悪の事態としてスポンサー(棋戦を主催する新聞社など)離れの可能性が心配だ。
 また、将棋連盟の対外発表も良くない。現時点では、不正の内容と処罰の根拠が明らかにされていないため、法律でいう「疑わしきは罰せず」の原則に背いて、確たる証拠がないのに連盟が三浦九段を処分したように見えてしまう。不正の内容によっては、他の対局に対する信頼性にも影響しよう。第三者が納得する説明が必要だ。加えて「後味が悪い」のは、処分を決めた理事会が現役棋士で構成されていることだ。端的に言って、三浦九段が処分されると得をする人たちが処分を決めている。大相撲で言うなら、現役力士が勝負審判をやっているようなものである。
 一方、三浦九段側は「疑われた状態で将棋を指したくない」という理由で休場すると言い出したのかもしれないが、一個人として淡泊すぎる。立証の責任は連盟にあるのだから、不正を否定して、相手に手を渡すのが正解ではなかったか。会社員が会社と対立した場合も、自分から腹を立てて会社を辞めるのはほとんどの場合「悪手」だ。
 プロの将棋棋士の場合、特殊なのは、自分の能力を発揮するためにはレベルの高い相手が必要なので、将棋連盟から「転職」することが難しい。これは一面で気の毒である。他方、事実のいかんに関わらず、今回三浦九段が被った不名誉は深刻なものだが、一つの救いは、復帰後の三浦九段が離席せずに対局して勝ち続けるなら、誰も文句を言えないことだ。才能ある棋士には、将棋を指す機会を大切にしてほしいと願わずにいられない。 (ZAKZAK 経済評論家・山崎元「経済快説」2016.10.20

素直に不正を認める人はいない

「2045年問題」の不安

主役はまだ譲れない

人工知能は将棋が得意

将棋連盟の対応は適切か

 将棋のプロ棋士である三浦弘行九段が、挑戦者に決定していた竜王戦に出られなくなった。三浦九段といえば、羽生善治さんが将棋タイトルの全てを独占して七冠王になっていたときに、その一角を初めて崩し羽生さんからタイトルを奪取したことで有名だし、現在でも順位戦では最高位のA級に所属している。「武蔵」との異名をとる棋士で研究熱心でも知られている。
第67期棋聖戦で、当時の羽生善治7冠(右)から棋聖を奪い、全7冠の一角を崩した三浦弘行
第67期棋聖戦で、当時の羽生善治7冠(右)から棋聖を奪い、全7冠の一角を崩した三浦弘行五段(左)=平成8年
 もちろん、三浦九段本人は、将棋ソフトの利用を否定している。出場停止処分の理由は、期日までに日本将棋連盟に対して、休場届を出さなかったことのようだが、それで年内いっぱいの出場停止処分を課されるだけの重い罪にあたるのだろうか。ここまで重い処分をするのであれば、日本将棋連盟は確たる証拠を握っているのかもしれないが、仮にそうでなかった場合、三浦九段に将棋ソフトを使用していなかったと証明しろというのは、ないことの証明を求めるものだから悪魔の証明であり、実質的には三浦九段に不可能を強いるものであろう。
 概して、事情聴取や尋問について、一般の方は不慣れである。対象者の体験した事実を聞かなければならないのに、自分の意見を述べて「そうではないか」と詰め寄ることが多い。私は、某地方公共団体の100条委員会に呼ばれた方の補佐として、100条委員会に出たこともあるが、市会議員達は自分の意見、例えば「こう考えるのが自然ではないか」と述べた上で、「そうではないのか」と詰め寄ったり、「私はこう思うが、どう思うか」等と意見を求めたりする質問が95%以上で、事実を聞こうとする質問はほぼ皆無に近かった。
 民事事件で、何度止めても、どうしても尋問したいと述べる当事者にやむを得ず尋問してもらったこともあるが、結果的には、やはり自分の意見の押しつけに終始した。三浦九段に対する、日本将棋連盟の事情聴取は果たして、きちんとなされたのだろうか。私は、確たる証拠がない限り、プロ棋士としての矜持をお持ちであろう三浦九段を信じたい気持ちなのだが。(弁護士坂野真一の公式ブログ 2016.10.13

岐路に立つ将棋界

将棋スマホ不正、三浦九段にモノ申す

みんなの投票

三浦九段のスマホ不正疑惑をめぐる日本将棋連盟の対応は適切だったと思いますか?

  • 思う

    124

  • 思わない

    576

  • どちらでもない

    25