朴槿恵を操る「宗教家」の正体
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朴槿恵を操る「宗教家」の正体

いつの世も権力者というのは孤独なのだろうか。韓国の朴槿恵大統領をめぐる政治スキャンダルのことである。朴氏の「心の友」とされる崔順実(チェ・スンシル)氏とのただならぬ関係に司法のメスが入ったが、新興宗教家の父を持つ彼女の政治介入が事実だとすれば、まさに怪僧、ラスプーチンの再来である。彼女は一体何者なのか。

いつの世も権力者というのは孤独なのだろうか。韓国の朴槿恵大統領をめぐる政治スキャンダルのことである。朴氏の「心の友」とされる崔順実(チェ・スンシル)氏とのただならぬ関係に司法のメスが入ったが、新興宗教家の父を持つ彼女の政治介入が事実だとすれば、まさに怪僧、ラスプーチンの再来である。彼女は一体何者なのか。

これが韓国政界の「宿痾」

彼女に信仰心はなかった

孤独な大統領

不満のはけ口のない韓国

韓国国会で採決を拒んで
退席する与党セヌリ党の
議員たち=9月24日、
ソウル(聯合=共同)
 朴槿恵大統領の不祥事を受けて韓国では挙国一致内閣の案が浮上しています。挙国一致内閣とは与党、野党が主義主張の別にかかわらず、手を取り合い、難局を乗り越えるという非常に特殊な状況を言います。一般には国家が危機的状況にある場合に挙国一致内閣を作ることありますが、歴史的にはあまり例が多いものではありません。その多くが第二次世界大戦前の混乱期に多く見られ、日本、英国、ドイツがその好例であります。また、英国では1930年大不況の際にも挙国一致内閣となっています。
 中国や北朝鮮のように一党独裁の場合はシステムそのものが挙国一致内閣といえます。仮に検討されているように韓国が挙国一致内閣に踏み切れば東アジアは日本以外、特殊な状況下に置かれるといえましょう。では、韓国の挙国一致内閣、そうなった場合に果たしてワークするのでしょうか?基本的に内閣に与野党の人が入り乱れて仲良く国家再生をしましょう、というわけです。申し訳ないですが、私には全くその想像ができません。たぶん、国会で殴り合いのけんかをするのが関の山でしょう。
 今の韓国に何が足りないのでしょう? 私には国民の鬱積する不満のはけ口がなくなっていることが最大の問題だと思っています。同国が経済的栄華を享受したのは80年代から韓国危機の98年を除く2002年頃までであります。但し、良好だったその時期の成長率も長期トレンドでは着実に下向きでありました。そして直近の成長率は2%半ば程度まで落ち込んでいます。いわゆる真綿で首を締めるような状態の中で旧態依然の労働組合や財閥に対して近代化のすり合わせができなかったことが大きいかと思います。
 韓国人は問題に対する責任転嫁意識が非常に強く、その餌食が火祭りになるのをみて憂さを晴らすのが当たり前の特殊性があります。これは物事がうまく行っていると問題が少ないので吸収力も多少あるのですが、もぐらたたきゲームのように問題が次々と発生すると国民のストレス発散口は期待できない大統領から国会に向かうとみています。その中で挙国一致内閣とは基本的にはみんなで知恵を絞って仲良くやりましょう的スタイルであります。その重い責任を背負った内閣を誰がどう引っ張るのでしょうか。(岡本裕明「外から見る日本、見られる日本人」2016.11.01

権力を掌握したがる国民性

韓国現代史の大きな悲劇

「崔順実ゲート事件」の結末は

謎の多い機密漏洩事件

 なぜそれほど韓国のメディアが、あれほど騒ぐのかよくわからないのが崔順実(チェ・スンシル)氏の国政介入事件です。ご本人は検察に出頭し「国民の皆さん、許してください」「死ぬほどの罪を犯しました」などのコメントを発表したようですが、どんな罪なのでしょうか。容疑は否認しているというので伝えられているコメントとは矛盾します。機密が漏洩していたとしても、それがどこに流れ、何が起こったのかがわかりません。演説の原稿を事前に見せたり、本来は国家機密である朴槿恵大統領のスケジュールを流したりというのは問題だとしても、ほんとうに大統領を操る立場にあったのでしょうか。その究明は行われるのでしょうか。報道を見ていると、事件そのものよりも、容疑者を晒し者にして、熱くなっている韓国のメディアのほうが気になります。いずれにしても、この事件で韓国は経済と政治のふたつの逆風に晒されました。
 政治は、朴槿恵大統領の支持率が大きく下がり、レイムダック状態に陥ります。経済も減速しはじめ、そんな事態を打開する状況にはありません。この事件で、野党が勢いづくことは避けられず、修復してきた米韓関係、日韓関係の安全保障体制に影響がでてくる可能性もでてくるのでしょう。野党の影響力が高まってくると、ようやく落ち着きはじめた慰安婦問題を持ち出してくる可能性もでてきます。それは日米だけでなく、韓国にとっても悩ましい問題になってくるのではないでしょうか。
韓国・蔚山にある現代自動車の工場。
韓国が誇る自動車メーカーも
ストライキ頻発が悩みの種
=2012年7月(ロイター)
 経済は、世界経済の減速によって、韓国経済に占める比率の高い輸出産業を痛め、加えてさまざまな分野で台頭してきた中国との競合が起こってきています。そういった新たなステージを迎えたなかで、財閥経営に綻びがではじめました。そんな時期だけに、政治の不安定化はさらに経済を悪化させることにつながってきます。たとえば業績不振に陥っている現代自動車は、さらに賃上げを求めるストライキが起こり、それが生産制約となって業績がさらに悪化するという悪循環を起こしたようにです。
 日本は、アベノミクスで掲げたデフレ退治も今や、「生鮮食品を除く総合(コア指数)」は7カ月連続でマイナスとなっていますが、政権が政治が安定しているので、経済も低空飛行ながらそれなりのと状態を保っている日本とはかなり状況が違います。韓国は、再び中国寄りの立ち位置に戻るかもしれませんが、今では中国は韓国の主要産業のライバルともなってきているので、矛盾が起こってきます。もちろん今でも中国が最大の貿易相手国ですが、中国経済の減速もあって、貿易額も頭打ち状態です。つまり、中国にいい顔を見せても、かつてほどの見返りはもう期待できません。いやはや、経済の活力を失うと、存在感も、国際政治での影響力も減衰してくることは日本が経験してきたことですが、高度成長期を終え、新たなステージに立った韓国はどこに行こうとしているのでしょうか。(「大西宏のマーケティング・エッセンス」 2016.11.01

八方塞がりの韓国

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