サムスン凋落が暗示する韓国の限界
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サムスン凋落が暗示する韓国の限界

韓国最大の財閥、サムスングループが業績不振や不祥事に喘いでいる。旧態依然の財閥支配は弊害ばかりが表面化し、国内では「財閥叩き」が過熱する。一方、自身の疑惑で求心力と国民の信頼を失った朴政権にとっても、経済崩壊とのダブルパンチで終焉が近づくばかり。韓国はもはや「限界」なのか。

韓国最大の財閥、サムスングループが業績不振や不祥事に喘いでいる。旧態依然の財閥支配は弊害ばかりが表面化し、国内では「財閥叩き」が過熱する。一方、自身の疑惑で求心力と国民の信頼を失った朴政権にとっても、経済崩壊とのダブルパンチで終焉が近づくばかり。韓国はもはや「限界」なのか。

負の連鎖が止まらない

抜けきれない依存体質

ブレまくりの経済政策

サムスンが抱える負の企業体質

 ギャラクシーノート7の出火トラブルによるブランドへの影響に歯止めをかけるためには、最低限、原因の特定が必要ですが、すでにリコール開始から2ヶ月が経たにもかかわらず、まだ原因特定にいたっていないといいます。しかもノート7の過熱問題の原因究明に取り組んでいるため、ギャラクシーS8の開発が2週間も遅れているとのことですが、原因がわからなければ、ギャラクシーS8も安全なのかどうかは覚束ないのです。
サムスン電子の李健熙会長=2009年(AP)
 そして、時間が経過すればするほど、ブランドへの信頼は崩れていきます。しかも悪いことに、サムスンは「米主要通信会社のサービスを用いるスマホを販売するには、メーカーは米携帯電話業界団体(CTIA)が承認する28カ所の実験施設のいずれかでバッテリー試験を行うことが求められている」(WSJ)にもかかわらず、ノート7のバッテリーの試験を社内の実験室で行っていたことが明らかになっており、このことがさらにサムスンに不利な点となってきています。ネットユーザーの関心事の傾向を知るためにグーグルの検索結果を利用したグーグル・トレンドによると、米国では「サムスン・リコール」がアップルの「アイフォン7」を上回っているとか。
 サムスンのノート7問題は、かつて全米を揺るがしたトヨタのリコール問題を思い起こさせますが、こちらは米国当局の調査で、急発進事故のほとんどが運転手のミスと発表され収拾したのですが、豊田章男社長自らが先頭にたってこの事態に向き合ったことも信頼をつなぎとめたのではないかと思います。このときに漁夫の利を得ようとして動いたヒュンダイが、その後燃費偽装問題を起こしたことは企業の品格を疑わせるものでした。ここまで波紋が広がってくると、サムスンのトップがどう動くのかが焦点のひとつになってきますが、李健熙会長が急性心筋梗塞で病床に臥してからすでに2年。その後継問題は難航したままで、トヨタのように、トップが先頭に立ってことに事態にあたることはできないかもしれません。それもサムスンの抱えた負の企業体質になってきそうです。(「大西宏のマーケティング・エッセンス」 2016.10.24

「二番手商法」の限界

「狂った競争」で空中分解

第二の韓国経済危機はあるか

朴バッシングで見過ごされる経済悪化

 郵便ポストが赤いのも…。韓国の状況は、悪いことはすべて「朴槿恵(パク・クネ)大統領と、崔順実(チェ・スンシル)容疑者のせいだ」になってきた。恐ろしいことは、「糾弾」の大声ばかり飛び交う中で、経済のますますの悪化が見過ごされていることだ。
10月15日、集会が行われた光化門広場
近くでは朴槿恵大統領のセウォル号事故の
「空白の7時間」を訴える横断幕が
掲げられていた(大西正純撮影)
 韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は10月26日に開かれた経済動向懇談会の席上、「最善を望み、最悪に備えよ」と述べた。英国のことわざを引用しての発言だったとはいえ、一国の中央銀行総裁が「最悪に備えよ」と述べるとは、大変なニュースだ。が、韓国紙はほとんど取り上げなかったようだ。
 これに先立ち、同総裁は駐韓日本大使に会った。聯合ニュース(11月1日)は、以下のように伝えた。
 《李総裁は『世界経済の回復力が微弱な中、最近は保護貿易主義が次第に強まり、地政学的なリスクが拡大しているため政策当局間の協力の必要性が大きくなった』と指摘。その上で、『韓国と日本も経済や金融における協力をさらに強化していくべきだ』と述べた》
 韓国マスコミお得意の「対日は上から目線で」の報道姿勢だが、かみ砕けば「わが国経済は世界的要因もあり、対中オベンチャラ外交も失敗して大変なのです。早くスワップをよろしく」というあたりだろう。
 背後にあるのは、産業銀行と輸出入銀行-韓国の重厚長大産業の尻拭いに奔走する2つの国策銀行の資金繰りではあるまいか。「退陣しろ」「弾劾だ」の喧騒の中で、韓国政府は、大赤字を垂れ流すばかりの大宇(デウ)造船海洋に対する国策銀行の融資を出資金あるいは永久債に切り替えることを決めた。「大宇の本格的処理は次の政権で」と先送りしたわけだが、国策銀行の資金繰り問題は微妙なままだ。
 朴政権は、住宅向け融資を緩和するなど“国策としての不動産バブル”を煽ることで、GDP成長率をプラス基調に仕立ててきた。2016年第3四半期は0・7%成長のうち、不動産が0・6%を占めた。
 しかし、“国策としての不動産バブル”で成長を維持する路線も限界が見えてきた。家計債務の加速度的な増大に目をつぶれなくなったからだ。といって、家計債務の大部分は住宅が担保になっているのだから、できるのはバブルをこれ以上に膨らませないことぐらいだ。
 鳴り物入りだった韓国版ブラック・フライデー(政府主導の安売り期間)も期待した成果はなかった。サムスン、現代(ヒュンダイ)自動車ほど派手さはないが、確実なもうけ口だった石油精製も、中国の台頭で大きく落ち込んでしまった。そうした中で、高齢層の非正規雇用の増加とは裏腹に、青年(29歳以下)失業率がますます高まっている。まさに「ヘル・コリア」であり「総体的状況の悪化」だ。
 「悪いのは朴槿恵と崔順実だ」の“大祭典”が終わった後、この国の民が得るものは何だろうか。(室谷克実 2016年11月10日 夕刊フジ)

韓国企業に強みなし

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