北方領土返還は必ず実現できる
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北方領土返還は必ず実現できる

ロシアのプーチン大統領が来日し、日露首脳会談が行われる。半世紀以上進展がない北方領土交渉をめぐり、両首脳の政治決断に注目が集まるが、直前になってロシア側の消極姿勢が伝わり、国内には悲観論も広がる。「私の世代で終止符を打つ」。会談を前に語った安倍首相の言葉を今こそ信じたい。

ロシアのプーチン大統領が来日し、日露首脳会談が行われる。半世紀以上進展がない北方領土交渉をめぐり、両首脳の政治決断に注目が集まるが、直前になってロシア側の消極姿勢が伝わり、国内には悲観論も広がる。「私の世代で終止符を打つ」。会談を前に語った安倍首相の言葉を今こそ信じたい。

「食い逃げ論」は誤りだ

日本への敬意とは別の話

日本側から新提案?

「疑似餌」まくロシアに警戒せよ

 安倍晋三首相とバラク・H・オバマ米国大統領の真珠湾訪問(以下、「真珠湾共同訪問」と略記)は、昨年4月の安倍首相の米国連邦議会演説や、今年5月のオバマ大統領の広島訪問に続き、日米両国の「和解の旅」の終着点として位置付けられる。ただし、現時点の国際情勢を踏まえる限りは、この度の「真珠湾共同訪問」には、単なる日米関係史上の意義を超えたものがあるという事実は、留意に値しよう。それは、この訪問がロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対する「圧力」と米国のドナルド・トランプ次期大統領に対する「教訓」としても作用するであろうということを意味している。
安倍晋三首相とプーチン大統領のイラスト
=12月10日、JR仙崎駅(長門市提供)
安倍晋三首相とプーチン大統領のイラスト =12月10日、JR仙崎駅(長門市提供)
 プーチン大統領に対する「圧力」とは、「領土案件を含めて第二次世界大戦中の遺恨を本当に清算する気があるかを問いただす」趣旨のものである。折しも、プーチン大統領の訪日を控えて、領土案件を含む日露関係の行方に世の耳目が集まっている。もっとも、諸々の報道から判断する限りは、ロシア政府は、セルゲイ・ラブロフ外相の発言に示されるように、領土案件を後回しにして平和条約締結を優先させる方針を一貫して保っているようである。
 いわゆる、「8項目提案」に象徴される日本の対露経済協力もまた、領土案件落着を直接に担保するものではなく、その地ならしに寄与するものと位置付けられているようである。しかし、そもそも、領土案件を後回しにするのであれば、ロシア政府は、その代わりに日本に対して何を具体的に提供するつもりであろうか。領土案件落着への期待や機運は、ロシアが日本から諸々の経済協力を釣り上げるための「疑似餌」として使われてはいないであろうか。こうした日露関係の様相が続く限りは、日本の対露感情の根底にある「不信」は拭えないであろう。
 故に、プーチン大統領訪日に際して、特に領土案件での進展への期待を過大に抱くのは慎むべきであろう。領土案件に象徴される日露関係の「棘(とげ)」が抜かれない限り、即(すなわ)ち領土案件を放置して経済協力だけを期待するというロシア政府の姿勢が改まらない限りは、日本の対外関係の中で対露関係の比重が対米関係に並ぶことはないし、その故にこそロシアの太平洋方面での影響力も永きにわたり限られたものにならざるを得ない。プーチン大統領訪日を控えた時点での「真珠湾共同訪問」の発表は、そうした厳然たる現実を彼に伝える意味合いも帯びるものであるといえる。(産経ニュース 櫻田淳「正論」2016.12.14

多重苦にあえぐ大国

露が支えた極東振興

プーチンの野望

元島民はいま

 終戦当時、北方4島では約1万7千人の日本人が生活していたが、その直後にソ連が4島を一方的に占拠。昭和24年までに全ての日本人を強制退去させ、ソ連の人々を移住させた。
 強制退去を受けた元島民はすでに1万人以上が死亡しており、6641人(今年3月末現在)にまで減少している。平均年齢も80・7歳(同)になり、問題解決に向けた展望が見えない中、風化防止が喫緊の課題だ。
 島別の元島民数は、歯舞群島2096人(終戦時5281人)▽色丹島360人(同1038人)▽国後島2775人(同7364人)▽択捉島1410人(同3608人)。
 元島民らでつくる「千島歯舞諸島居住者連盟」などは「返還運動を新しい世代につないでいかないと風化してしまう」として、元島民2世、3世を対象としたセミナーや語り部事業の伝承など、後継者の育成を進めている。一方、国民に向けた啓発活動も実施。キャラバン隊を結成して全国を訪問し、早期の問題解決を訴えている。

ロシアの腹芸に騙されたのか

 今月15日~16日のプーチン露大統領の来日。そこでいよいよ「北方領土返還?」ということですが、大変厳しいですね。今私が一番心配しているのは、ロシア側に足元を見られて「経済協力」だけの「食い逃げ」をされることです。安倍総理の「歴史に名を残したい!」という功名心、その前のめり姿勢がロシア側に見透かされてますからね。
プーチン大統領から餌をもらう秋田犬「ゆめ」
=12月7日、モスクワ
プーチン大統領から餌をもらう秋田犬「ゆめ」
=12月7日、モスクワ
 安倍官邸は、この夏までは、しきりに「北方領土、特に歯舞、色丹の二島は返ってくる」「安倍・プーチン差しの会談直後の二人の高揚感を見ればわかる」「問題はあとの二島をどうするかだ」等々の情報を意図的に流してきました。それを受けてメディアも、年末のプーチンとの会談で歴史的成果を出して「すわ!解散か?」と煽ってきたじゃありませんか。
 でも、状況はすでに秋口から一変してましたね。ロシアとの事務的協議が「北方領土」に関してはまったく進んでいなかったからです。一方、「経済協力」については精力的に会談が重ねられてきた。今になって、安倍官邸や外務省は「米大統領がロシアに寛容なトランプに決まってその動機がなくなった」といった解説を流し、領土交渉が暗礁に乗り上げたことの言い訳をしていますが、違います。要は、「腹芸」にかけてははるかに上手のロシアに、安倍総理が見事にだまされてきたということでしょう。
 元々、ロシアと日本のメディア報道には天と地の違いがありました。ロシアでは、日ソ共同宣言(1956年)に明記された「平和条約締結後、歯舞・色丹二島を引き渡す」という約束ですら、①平和条約締結には領土問題は含まない、②二島「引渡し」はあくまで平和条約締結後で期限は切らない、③「引渡し」は物理的占有の移転で「領有権」は引き続きロシアにある、という考え方が主流なのです。
 その証拠に、先月の日ロ首脳会談直後に、ロシアはこれ見よがしに北方領土に地対艦ミサイルを新たに配備した。プーチンも会見で「二人だけで話したのは経済協力」と本来内密にすべき会談の中味を暴露する始末。明らかに「領土問題では譲歩しない」という強いシグナルでしょう。安倍首相が「(北方領土返還は)70年間解決できなかった問題で難しい」と語ったのは、こういう背景事情あるからです。今更、「何を言っているのか!」ということですね。
 実は、97年秋の橋本首相とエリチィン大統領による「クラスノヤルスク合意」は、「(北方四島の帰属を含む)平和条約を2000年までに結ぶ」という内容で、「戦後最も返還に近づいた日」と評価されました。首脳間の信頼関係でしかこの問題が解決しないのも事実ですが、安倍首相も過去の交渉経緯を今一度よく勉強して、ゆめゆめ国益に反するような合意をしないよう切に望みたいですね。(江田憲司「今週の直言」2016.12.03

日本人が知らない北方領土の現実

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  • 4島一括返還が実現するまで交渉する

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  • 一部の島の返還で決着させる

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