NHK会長人事のバカさ加減
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NHK会長人事のバカさ加減

NHKの籾井勝人会長が退任する。公共放送のトップとしての資質に欠けた言動で混乱を招きながら、続投に意欲をみせた籾井氏の退任は、事実上の「クビ宣告」に等しい。一連の会長人事をめぐるごたごたは、NHK内部のバカさ加減を露呈したようなものだが、要は会長が誰であれ、公平中立な番組を作ってくれたらそれでいい。

NHKの籾井勝人会長が退任する。公共放送のトップとしての資質に欠けた言動で混乱を招きながら、続投に意欲をみせた籾井氏の退任は、事実上の「クビ宣告」に等しい。一連の会長人事をめぐるごたごたは、NHK内部のバカさ加減を露呈したようなものだが、要は会長が誰であれ、公平中立な番組を作ってくれたらそれでいい。

放送プロデューサーは見た

「独裁」のウソ

「50円」の値下げもできないNHK

 いつになったら視聴者が納得するNHK改革は実行されるのか-。NHKの最高意思決定機関「経営委員会」が昨年11月22日に出した結論は受信料の「値下げ見送り」だった。値下げとはいえ、わずか「50円」。NHKは「この程度の値下げすらしない」との印象が強く残ったまま、上田良一氏の会長就任となる。
 そもそも受信料値下げを提案したのは籾井勝人会長ら執行部で、その根拠は平成27~29年度の中期経営計画が前提にある。NHK東京・渋谷放送センターの建て替え基本計画が昨年8月にまとまり、執行部は9月以降、今後の収支計画を見直した。センターの想定建設費1700億円は既に積み立てた資金で賄うことができ、東京五輪が開かれる2020年までの設備投資額も算出し、見通しを立てた。その結果、建設費を除く内部留保(繰り越し余剰金)は昨年3月末時点で約800億円に達し、公共放送の内部留保の目安とされる「支出(約7000億円)の10%程度」を既に上回っている。
 受信料を徴収している以上、これだけの余裕があれば「50円」程度の値下げなど、当たり前のように映る。だが、それでも「値下げ見送り」とした理由は、スーパーハイビジョンの超高精細4K・8K放送などをひかえ、こうした経費が今後どれだけかさむか判然としないからだという。
ただ、「値下げ見送り」の真意は経費見通しではないとの見方もある。今月24日に任期切れで退任する籾井会長に「値下げ」という実績を作らせたくない経営委員がいたようだ。籾井氏は2014年1月に就任後、「政府が右というものを左というわけにはいかない」と発言。尖閣諸島や竹島などについては「国際放送で明確に日本の立場を主張するのは当然だ」などと政府寄りの発言を繰り返し、これらに批判的な経営委員がいるのは間違いなく、足を引っ張られた可能性もある。
 その一方で、値下げは会長再任を望んでいた籾井氏の「実績づくり」といった憶測も見え隠れする。ただ、こうした一連のドタバタ劇から言えるのは、「受信料の値下げ」を会長人事のネタにしており、とどのつまりは受信料を国民から徴収しているという自覚がNHKにないことのあらわれなのではないか。(iRONNA編集部)

歴史に刻まれた「汚点」

機能不全の「経営委員会」

NHKを「国営放送」にした籾井氏

 総務省では、NHKの受信料を全世帯から聴取することの検討を始めました。NHK放送を受信できる装置を設置した場合には受信料を支払う義務が発生するという仕組みでしたが、ネットなどで「無料」の部分だけを利用する人たちが増えてきたというのが理由のようです。また携帯などからもNHKを見ることができる状態になり、本来、この部分も受信料の支払義務はあるのですが、少なくない人たちが受信料を支払わなければならないのに支払っていないものと思われます。
上田良一氏(左)と籾井勝人氏(右上)と
NHK放送センター
 そのような不公平感をなくす手段が全世帯に対して徴収するという案ということになります。少なくとも、携帯端末からNHK放送を見ることができるということになれば、現行の制度でも受信料の支払義務がない世帯の方がほとんどないということになりますから、事実上、全世帯と一律に決めてしまうことにも合理性があるということになります。とはいえ、新たに徴収対象となる世帯、これまで受信料を払ってこなかった世帯からの反発されるのではないかという「懸念」もあるようです。
 ただ「払いたくない!」という人たちは論外ですが、NHKの在り方が現在、籾井会長のもとで、国営放送化している中で、どこまで受信料制度が説得力を持つのかが問われることになります。籾井氏や百田氏などの暴言などに端を発し、受信料の支払を拒否する運動も起きていますが、国営放送と化してしまったNHKでは国民から受信料を強制的に徴収することを正当化する根拠がない、ということにならざるを得なくなります。
 政治から独立したものとするために予算が独立しているのですが、籾井氏のような時の政権の意向を受けて、それを実際に実践してしまうという会長は未だかつていませんでした。本音はともかく、みな建前は守ってきたのですが、安倍自民党政権になってからは建前すらもぶち壊す、安倍自民党政権にとっての適材が籾井勝人氏だったのです。
 そうなると、この状態でそもそも受信料を払えという方に無理が出てきます。これまでNHKは、民放にはない取材力と報道は素晴らしいものがありました。最近では「日本海軍400時間の証言」、「千条の軍法会議 日本兵はなぜ処刑されたのか」などは非常に力作でした。資金力の違いもあるでしょうが、民放は、このような番組は製作しませんし、仮に製作したとしても、ドラマ仕立てにしてしまって、どうにも安っぽいドキュメンタリーになりがちです。ここにNHKの存在意義があり、受信料の意味があるのですが、「国営放送」状態で受信料を全世帯から徴収すると言ってみても説得力に欠けること間違いなしです。受信料の議論をするなら、まずは籾井氏がNHKから去ることが大前提です。(「弁護士猪野亨のブログ」2015.02.25

籾井勝人氏の功罪

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