「酉年解散」安倍総理の本心やいかに

酉年は激動、政変の年になるという。「12年前、あの劇的な郵政解散があった。その12年前は自民党が野党になり、55年体制が崩壊した歴史的な年だった」。年頭記者会見で「酉年解散」の故事を並べた首相の真意とは何だったのか。1月解散が見送られた今も憶測を呼ぶ安倍総理の本心やいかに。

不利になりつつある構造

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「改憲」発議の道筋を残した判断

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トランプ新時代に通用できるか

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解散総選挙のカギは「憲法改正」

 2017年は、外交が政局に先行する形でスタートする。16年終盤、ドナルド・トランプ次期米大統領や、ロシアのプーチン大統領など、立て続けに歴史的会談をこなした安倍晋三首相は、締めくくりに米ハワイ・真珠湾を訪問した。これは「戦後レジームからの脱却」の1つの節目として、安倍首相がかねて温めていたものだ。17年は節目の先の「新しいステージ」に向かう必要が出てくる。
 トランプ氏は1月20日に米大統領に就任すれば、むき出しの国益を安倍首相にぶつけてくるだろう。16回目の会談にして、領土交渉の舞台に乗ってきたプーチン氏も、これから始まる中身の交渉では「最強の難敵」となる。安倍首相の交渉力が問われるのはこれからだ。
 他方、野党の支持率が低迷するなか、「外交上の成果を掲げて1月解散」という観測が繰り返し流れたが、安倍首相は動きを見せていない。このまま、「伝家の宝刀」が抜かれないまま通常国会に突入すれば、政局は少なくとも秋まで小康状態となる。
 総理総裁の座を脅かす強力なライバルが見当たらないなか、安倍首相は曲がり角に来ているアベノミクスのかじ取りに尽力しつつ、個別の政策課題を淡々とこなしていくことになる。
衆院本会議の施政方針演説で
憲法改正の議論の進展に意欲を表明した
安倍晋三首相=1月20日(斎藤良雄撮影)
 それでは、注目される解散総選挙はいつか。安倍首相が見据える最大のターゲットは憲法改正だ。そして、宿願成就に向けて最後の、かつ最も困難なハードルが、過半数の賛成を必要とする国民投票である。憲法改正に向けた国民の機運はまだ十分に熟してはいない。
 英国やイタリアの例を見ても、近年、先進諸国のリーダーにとって国民投票は惨敗が続く「鬼門」なのだ。こうした内外の状況を打開するには、憲法改正を高らかに掲げて解散総選挙を打ち、充実した国会審議を通じて国民の理解を深めていくしかない。
 3月の自民党大会で、21年9月までの総裁任期延長を手にすれば、「時間切れ」という言い訳は許されなくなる。
 これまでの全ての解散総選挙は、時の総理にとって「選挙に勝って求心力を維持する」ことが唯一無二の目的だった。しかし今、安倍首相が向き合わなければならないのは、国民そのものだ。政局の司々(つかさつかさ)で、安倍首相の語る言葉がどこまで国民の心を動かし、憲法改正の機運を醸成していけるのか。解散のタイミングを含め、安倍首相の保守政治家としての真価が問われる。
 そして、遅かれ早かれ安倍首相にもいずれ勇退の日は来る。欧米各国に吹き荒れるポピュリズムと排外主義の荒波が日本に来襲しない保証はない。主張の左右の前に、国民の憎しみを煽ることなく、国を率いていく真のリーダーを育てて初めて、安倍首相は「平成の大宰相」と呼ばれる資格を得る。(ジャーナリスト・山口敬之、夕刊フジ 2017.01.05

地域政党か国政か

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機能していた野党共闘

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候補者差し替えで自民の選挙が変わる

 ひょっとしたら、そこまでやってしまうのじゃないか。そう、思っている。やれっこないと思っていたが、選挙に勝つためには何でもやる、というのが最近の自民党だから、今度は自民党は強権を発動しそうである。
 小泉さんが、郵政民営化に反対した自民党の国会議員を次から次へと非公認にし、その議員の選挙区に刺客を立てたことを覚えておられる方がまだおられると思うが、安倍さんの自民党もどうやら似たようなことをやりそうである。
2016年11月、自民党総務会に臨む
(左から)古屋選対委員長、高村副総裁、
細田総務会長、二階幹事長、茂木政調会長
(斎藤良雄撮影)
 もっとも、今回やるのは何らかの政策を推進するためではなく、あくまで選挙に弱そうな自民党所属の国会議員を自民党から排除すること。選挙に弱い候補者を選挙に強い候補者に差し替えるだけだから、自民党の政権基盤を揺るがすようなことはなく、自民党の中で波風が立つ虞は殆どないと選対では踏んでいるのだと思う。
 党員確保のノルマが果たせない人、選挙区内での評判が今一つ芳しくない人、選挙区内での活動がパッとしない人などがターゲットになるのだと思う。かつてほど派閥の力が強くないだろうから、ターゲットにされた人は気の毒なものだ。地元から見放され、党本部から見放され、派閥からも見放されることになる。自民党の中での派閥の流動化がありそうだ。若い人に対する面倒見の良さでは定評のある二階さんのところに若い人や無派閥の人がどんどん集まる仕掛けの一つになるのだと思う。
 かつて世襲制に対する批判の声が高まり、自民党の中で、候補者の公募を拡げようとか、現職の国会議員を当然公認候補にするのでなく、新人と競わせるようなチャレンジ制度をどうにゅうすべきではないか、という議論が盛り上がったことがあるが、今回の候補者差し替えの動きはそういう動きとはまったく関わりがないようだ。当選1、2回の自民党の若い衆議院議員の皆さんは、戦々恐々というところだろう。候補者差し替えの話が出たら、まず、その人の政治生命はそこで終わる。自民党の選挙戦術としては、今のところこれが最高だろう。
(早川忠孝の一念発起・日々新たなり 2017.1.9

我が世の春の「チャンバラ遊び」

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