アベノミクスの働き方改革は必ず失敗する
224

テーマ

アベノミクスの働き方改革は必ず失敗する

安倍政権による働き方改革が進められているが、女性活躍やそれに伴う税制改革はいま一つの感がある。「配偶者控除」は年収上限を150万円まで引き上げるが、女性の社会進出や所得向上にどれほどの効果があるのか疑問だ。期待されるアベノミクスの一環とはいえ、野党もメディアもその役割を果たしておらず、予想される結末は「失敗」ではないか。

安倍政権による働き方改革が進められているが、女性活躍やそれに伴う税制改革はいま一つの感がある。「配偶者控除」は年収上限を150万円まで引き上げるが、女性の社会進出や所得向上にどれほどの効果があるのか疑問だ。期待されるアベノミクスの一環とはいえ、野党もメディアもその役割を果たしておらず、予想される結末は「失敗」ではないか。

安倍宏行の視線

 毎年繰り広げられる「配偶者控除問題」。女性活躍をうたう安倍政権なら大きく改革が進むのでは、との期待がしぼむのは想像以上に早かった。
 政権の怠慢か、はたまた驕りか? アベノミクスの集大成として「働き方改革」を掲げる安倍首相だが、「配偶者控除問題」一つ前進させられないのでは、女性の活躍など画餅に終わろう。
 その深刻さをメディアはしっかりと伝えているか? どこか他人ごとのような報道ぶりには違和感を覚える。今回はメディアの責任と役割についても考察する。(Japan In-depth編集長)

ネットメディアの方がまだマシ

無責任すぎる野党も罪深い

両方完璧にこなすのは無理

「本末転倒」な配偶者控除の見直し

 「春頃は『夏の参院選さえ終われば、両院で多数を押さえ、支持率の高い安倍政権下、骨太な改革がどんどん進む』と期待したが、実際には党内の有力者たちはもちろん、公明にも配慮がいるし、野党もいろいろと言ってくるし、簡単ではない。甘かった」。先月末に酒を飲んだ古巣・経済産業省の先輩の言葉だ。実際、「骨抜き」との報道が多い自民党の農業改革案が代表例だが、各所で大胆な改革が進んでいるとはいい難い。それでも、まだ、遅々としながらも改革が進むならばいい。各所に配慮しすぎて大目標がぼやけ、「本末転倒」になってしまうケースは最悪だ。税制改正における配偶者控除の見直しは、その典型に見える。
 そもそも、「103万円の“壁”」と揶揄(やゆ)されていたように、夫の配偶者控除のために妻が仕事や年収を枠内に無理にとどめるのはおかしいと、“壁”撤廃が改革の本旨だった。さらに、その際、政権が掲げる大目標(新三本の矢)の一つが、現在約1.4しかない出生率の向上(1.8)であり、人口1億人水準の維持であるところ、子育て環境を損なわないことは、何より当然に考えるべき前提のはずであった。
 配偶者控除は、多産が当然で子育てに尽力する主婦層を多分に意識したものだ。特に、各種調査から明らかだが、「希望出生率(約2.8)」まで子供を持てない主因が経済的理由なので、子育て世代への金銭的負担増は絶対に避けなければならない。今回の改正では、壁を残すばかりか、壁の「位置」の引き上げに伴う減収分回収に向け、高所得者(年収1220万円超)への配偶者控除を撤廃するという。子育て世帯・世代に何の配慮もなく、年収だけを勘案して控除をなくすという信じがたい結論だ。各所に配慮しすぎて、決めている当人たちも、わけが分からなくなっているのではないか。(フジサンケイビジネスアイ「高論卓説」青山社中筆頭代表・CEO、朝比奈一郎 2016.12.14

増税ありきのシナリオ

一億総活躍なんて言うは易し

日本に女性リーダーが少ない本当の理由

 日本には、どうして女性の首相が生まれないのか。そもそも女性のリーダーが少ない。それはなぜなのか。僕の長年の疑問だ。(中略)
 前回の「朝まで生テレビ!」は、「“女性が輝く社会”とは?!」をテーマに、徹底討論した。パネリストはもちろん全員、女性の論客だけだった。この「女性が輝く社会」とは、安倍晋三首相の言葉だ。だが、討論のなかでの荻原博子さんの「女性が輝く社会に違和感がある」という意見に僕はハッとさせられた。労働人口が足りなくなっている、だから女性や高齢者といった「安い労働を使えばいい」という本音が透けて見えるというのだ。なるほど、僕もこの意見には反論できなかった。たしかに政府の方針を聞いていても、これから日本は「労働力不足」になる、だから「高齢者も女性も働いてくれ」という安易な思考回路が見てとれる。そうではないのだ。女性のリーダーが当然のように活躍できる社会が、先進国としての真っ当な姿なのだ。
 また、パネリストのひとり、前滋賀県知事の嘉田由紀子さんは、議会や企業に一定の割合の女性を入れることを定める「クオータ制」の導入を提言した。この「クオータ制」は、安倍政権でも議論されているようだ。
 これまでさまざまな方に僕は取材してきた。そこで出てきた意見に、そもそも「女性の労働問題は、男性の労働問題なのだ」というものがある。子育てが始まると、多くの女性が離職する。子どもがいないときと同様の働き方ができなくなってしまうからだ。託児所に迎えに行くために早退しなければならない。子どもが熱を出せば、会社を休まなければならない。しかし、むしろ、そんな働き方が普通とされる現状にこそ問題があるのではないか、と僕は思う。サービス残業は日常茶飯事、残業がない日でも、上司や同僚と飲んで、帰宅が遅くなる。先進国の企業では、まず見られない、かなり非常識な働き方である。さらに首都圏では、満員電車での長時間通勤は当たり前だ。これは男性にとっても、相当つらい社会ではないのか。最近、40代男性会社員のウツが非常に増えている、とパネリストの荻原博子さんはいうが、それも当然ではないかと思う。
 女性の就業率のグラフは、日本ではM字型になる。子育てのあいだ、一時的に離職するからだ。この「M字曲線」などという言葉も、日本だけにあるものだ。僕自身、妻に育児や子育てをすべて任せていたクチだから、偉そうなことはいえない。けれど、やはりこれからの社会は、こんな働き方を変えていかなければならないだろう、と思う。
 「ワークライフバランス」という言葉を僕が初めて聞いたのは、何年前のことだったろうか。女性にとっても男性にとっても、働きやすい社会の実現のためには、待機児童の問題など、解決しなければならないことがたくさんある。これらの課題に取り組む要になるのが、「男女共同参画」を担当する大臣だ。ところが、「たらい回し」の対象にされている、もっとも軽い大臣ポストのひとつだともいわれている。責任者がころころ変わっていては、まともな対策など打てるはずがない。安倍内閣は、まず、この問題にじっくりと取り組む体制を作り、具体的な成果をこつこつと着実に出していくべきだ。(「田原総一朗公式サイト」2016.02.29

政府の強制では意味がない

アベノミクスの働き方改革は必ず失敗する

みんなの投票

安倍政権が進める「働き方改革」を支持しますか?

  • 支持する

    166

  • 支持しない

    52

  • どちらでもない

    6