議員の役割 日米でこれだけ違うのか
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議員の役割 日米でこれだけ違うのか

今回の総選挙は、11月初めの米中間選挙から1ヶ月あまり後に行われる。双方とも世論を二分するような争点があまりないといった類似点がある一方、当選した議員が実際の立法活動で果たす役割には両国で相当の違いがある。日本でも、個々の議員が真の意味で立法に携われる環境が必要なのではないだろうか。

今回の総選挙は、11月初めの米中間選挙から1ヶ月あまり後に行われる。双方とも世論を二分するような争点があまりないといった類似点がある一方、当選した議員が実際の立法活動で果たす役割には両国で相当の違いがある。日本でも、個々の議員が真の意味で立法に携われる環境が必要なのではないだろうか。

議員の顔が見えない…

 大企業の独占禁止を定めた「シャーマン(上院議員)反トラスト法」や、大恐慌の最中に銀行・証券の業務分離を義務付けた「グラス(上院議員)・スティーガル(下院議員)法」など、米国の歴史的な法律の通称には、立法を主導した議員の名前がつけられることが多い。議員がLawmakerと呼ばれるように、法律を作るのが最大の任務であることが広く認識されていることの現れだ。

 これに対して、日本で(首相等になっていない)議員の名前が一般社会で語り継がれている例だと、明治時代に長野県で中央本線が建設された際、同県選出の伊藤大八議員が、鉄道を自分の選挙区近くに通すため、路線計画を大幅に変えて遠回りさせたとされて名付けられた「大八回り」といったような、正直言って情けない話しかなかなか浮かんでこない。その昔、「憲政の神様」と称された尾崎行雄でさえ、一人の議員として重要法案を提出、成立させたことはない。

あなたは首相以外、何人わかりますか?

 若干の極端さを込めれば、日本の議会(国会)は大日本帝国憲法下でも日本国憲法下でもごく一部の例外を除くと「政府提出法案を受け取り、与党の賛成で成立させる場所」ではないか。党派の議席数によって政権が作られる議院内閣制では当然との見方もあるが、野党議員はもちろん、与党議員の多くも、少なくとも表面に出てくる立法活動で積極的な役割を果たすことは極めて少ない。国際比較でも厳しい部類に入る党議拘束に縛られる議員の役割はどこにあるのか。

 今回の選挙でも、政党の公約はともかく、各候補者が当選した後、上層部以外は具体的にどのような活動を行うのかはこれまでと同様に見えない。11月初めに中間選挙が行われたばかりの米国と比較しつつ、立法府の役割を改めて考えてみたい。(iRONNA編集部)

                   
米国でクレジットカードの申込書等に記載が義務付けられている金利、遅延損害金、年会費等の一覧表。法案成立を主導した下院議員(当時)の名前から「シューマー・ボックス」として広く知られる。 

国会議員の「仕事」は?

米国選挙の恥部

当然ながら、米国の議会政治が世界の理想形というわけはない。汚職、不祥事、倫理違反などで議席を追われる議員は毎会期のように出るし、利権・利益誘導などをめぐる争いや非難合戦も日常茶飯事だ。見習うべきところ、他山の石とするところは明確に分けねばならない。
 そのような中でも、米国選挙につきものの醜い側面をさらけ出しているのが、TV広告を最大の武器として対立候補の批判をひたすらまくしたてる「ネガティブ・キャンペーン」。下の動画は、今年のカンザス州選出上院議員選と、それに先立って行われた共和党予備選前に、それぞれ現職陣営と新人候補陣営が相互に相手を「罵倒」するTV広告をまとめたものだ。特に本選では、資金力で圧倒していた現職陣営が、ほぼ一方的に無所属新人候補を攻撃する展開になった。

中間選挙から学ぶこと、総選挙との類似性

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