愛煙家の言い分も少しは聞いてくれ
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愛煙家の言い分も少しは聞いてくれ

受動喫煙をめぐる議論が活発になっています。厚生労働省は先月、一部を除き飲食店などの屋内施設を原則禁煙とする方針を打ち出しましたが、自民党たばこ議員連盟がこれに反発し、迷走が続いています。いずれにせよ愛煙家にとっては厳しい世の中ですが、せめて言い分ぐらい少しは聞いてもらえないでしょうか?

受動喫煙をめぐる議論が活発になっています。厚生労働省は先月、一部を除き飲食店などの屋内施設を原則禁煙とする方針を打ち出しましたが、自民党たばこ議員連盟がこれに反発し、迷走が続いています。いずれにせよ愛煙家にとっては厳しい世の中ですが、せめて言い分ぐらい少しは聞いてもらえないでしょうか?

うまく演ると味わいが出る

説明できないのは当然だ

禁煙ファシズムは見当違い

受動喫煙リスクは「確実」になった

厚労省に異議あり

「飲食店で全面禁煙」は仕方ない?

 自分のことを思い返せば、法律的に適切とは言えない年齢からタバコを嗜み始め、30歳で命に係わる大きな持病が判明してからもしばらくタバコをやめられず、一念発起して33歳でタバコを投げ捨てて現在に至る元ヘビースモーカーです。カネをかけて健康に悪いことをして、何と馬鹿なことをしたのだと思い返して悶々とすることは稀にありますが、自分もタバコを吸っていただけに禁煙を突き付けられる喫煙者の苦悩も分かります。そんな中で、飲食店への原則禁煙案が打ち出されて、それに対する反発が業界団体からあって、ということでニュースになっておりました。

 飲食店などでは、喫煙席と禁煙席を分ける分煙の取り組みが広がっているものの、席やスペースを離すだけなど空間が完全には仕切られていない施設が多く、受動喫煙を防ぎ切れていないのが現状です。
 これに対し、厚生労働省が去年10月に示した案では、官公庁や競技場、社会福祉施設などは建物内を、医療機関や小中学校などは建物も含めた敷地内を全面的に禁煙にするとしています。
 また、飲食店やホテル、旅館などのサービス業の施設に加え、駅や空港、バスターミナルなども原則として建物内を禁煙とし、例外として、たばこの煙を外に漏らさない喫煙室の設置を認めるとしています。

 記事中では厚生労働省が全面的に街中で禁煙にするのではなく、公共の場所に限定して禁煙とする、それ以外の地域に関しては駅前や繁華街など公道での禁煙を自治体の条例に委ねるというマイルドな内容になっています。また、これらの禁煙問題が喧伝され始めたのは、日本も批准している「たばこ規制枠組み条約」という世界的合意があり、それを国内で対応しなければならないという状況にあるからです。その意味では、いま話題になっている共謀罪のあれこれも本件も、同様に海外の条約がある以上、日本はそれに合わせる必要があります。マイルドにいろいろ融和策もしつつ、国際的なポジションを守るためにできることをやる、という感じなのでしょうか。
 ところが、実際に厚生労働省筋から「実際のところどうなの」と聞いてみると、日本人の健康寿命延伸だけでなく、子育て環境や観光事業に対する悪影響を強く憂慮する話ばかりが出てきて、かつてタバコを大っぴらに吸いまくっていた私としても鬱になる内容です。ほんとすいませんでした。吸ってたけど。
 実際、私の子供が通っている千代田区の幼稚園では、子供が遊ぶ隣接した公園に三々五々愛煙家が集まってきてはタバコを吸っておられます。屋外ですから子供が直接副流煙を吸い込むことはないので私なんぞは気にしないのですが、園児保護者からはかなり不評であるのも事実です。
 また、定食を出す居酒屋が美味しそうなので子供を連れて使おうとするとき気になるのが、やはり第一にタバコの煙です。第二に輸入食材かどうかですが。お店からすれば、愛煙家がごっそり客離れするような禁煙を敷きづらいのは事実でしょうが、喫煙が容認されたうえで煙が店内をもうもうしているようなところへは子供を連れて行きづらいし自分もさすがに嫌なことは多いです。
 幸いにして、最近では煙をほとんど出さないタバコ機具も出てきていて、タバコを吸わない人への配慮が一段と広げられるようにはなっていますが、別に東京五輪があるからとかいう理由ではなく、世の中の動きとしてきちんと分煙する、公共の場所は飲食店も含めて禁煙にする、愛煙家がタバコを嗜むこと自体は個人の自由なので迷惑が掛からない限り問題なく容認する、というような形でうまく線引きできないものでしょうか。
 いまどき愛煙家でところ構わず歩きタバコしたり、タバコが嫌だと言っている人のそばでわざわざ吸う人もいないでしょうし、タバコを吸う人も吸わない人も納得できる仕組みができればそれが一番だと思うのですが。
 なお、最近は喫煙大国である中国でも守れるかどうかは別にして禁煙にしますよという話が流れてきて、北京五輪では見事に禁煙が徹底されていたり、さすがは人治国家と思わせる何かがあります。
 人体に完全無害で他人に迷惑が掛からないタバコができれば喜んで喫煙再開したいです。最近酒までかなりやめちゃったけど。(個人投資家・作家、山本一郎「Yahoo!ニュース個人」2017.01.17

一律の規制が文明を退化させる

例外はあってないようなもの

日本人の愛煙家が信じられませんか?

 「たばこ撲滅」を国策として真剣に取り組んでいるのが北欧フィンランドです。米CNNテレビの報道によれば、2040年までに成人の喫煙人口を2%未満に減らす目標を掲げ、紙や葉巻、無煙、電子たばこに至るまで、ありとあらゆる形態のたばこ撲滅を目指しているそうです。これが実現すれば、もちろん世界で最も禁煙社会が進んだ国になることは間違いないでしょう。
写真はイメージです
写真はイメージです
 たばことは関係ありませんが、別件の取材で昨秋フィンランドを訪れました。さすがは「禁煙先進国」と言われるだけあって、ホテルやレストランなどの屋内施設はほぼ完全禁煙。しかも、現地のスーパーやキヨスクでたばこを購入しようとしても、どこにも商品が見当たりません。それもそのはず。フィンランドでは、人目につく場所にたばこを置いてはならず、対面販売でしか購入できないのです。もちろん、日本のようなたばこ自販機なんかありませんし、どの銘柄もだいたい1箱7ユーロ以上(約820円)と日本よりずっと高いです。
 たばこに関しても厳しい規制を敷くフィンランドですが、喫煙人口が16%と言われるこの国の愛煙家はどこでたばこを吸っているのでしょうか? 屋内がダメなら当然屋外しかありませんよね。実はフィンランドでは屋外喫煙は例外なく認められており、ちょっと街中を歩ければ、日本では珍しくなった(?)歩きたばこの光景をよく目にします。
 よーく観察してみると、フィンランド人のたばこのマナーは、はっきり言って酷いです。首都ヘルシンキのターミナル駅や百貨店などでは、一歩外に出ればたばこをくわえて吸う人があちこちにいます。吸い終わった後はほとんどの人がポイ捨て。携帯灰皿はおろか、すぐ目の前にある備え付けの灰皿にすら捨てる人もいません。「この国では路上が灰皿なのか?」と目を疑うような光景でした。
 振り返って、日本人の愛煙家はフィンランド人よりも随分マシのような気がします。事実、東京駅を出てすぐに堂々と歩きたばこをする人なんかめったにお目にかかれません。むしろ決められた喫煙スペースで肩を寄せ合って吸う人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
 とはいえ、いまだちゃんとマナーを守れない喫煙者もいることはいますが、フィンランド人のそれとは比べものになりません。たばこが死ぬほど嫌いな方には本当に申し訳ないのですが、日本人の愛煙家はそれでもマナーには十分気を遣っている方だと思います。
 最近、受動喫煙をめぐる議論がわが国でも活発になっています。「屋内全面禁煙」を導入したい厚生労働省と自民党たばこ議員連盟が真っ向から対立しているようですが、端から見て思うのは、なぜ「分煙推進」という議論からスタートできなかったのか、これに尽きると思います。
 厚労省が最初に提示した案は、あまりに原理主義的な発想だったがゆえに、反発が大きくなってしまった。始めから「たばこはけしからん」というのであれば、大麻やマリファナ同様に法律で禁止すべきであって、そもそも受動喫煙に関して議論をする必要もありません。ところが、中途半端に原理主義を貫く官僚の思いつきが、愛煙家と嫌煙家双方の感情論に発展する混乱を招き、せっかくの議論も台無しになってしまった気がします。
 元来、日本人は規律正しく、相反する立場の意見を尊重できる民族です。たばこのマナー、それを一つとっても「たばこ先進国」の欧米人よりもきちんと守れる民族です。だから、あえて言わせてください。そんなに日本人、いや日本人の愛煙家が信じられませんか?(iRONNA編集長、白岩賢太)

日米の喫煙マナー事情

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