朝鮮半島動乱、自衛隊は在韓邦人を救えない

日本国憲法施行70年の節目の日に、安倍首相は2020年の憲法改正を明言した。最大の焦点は、9条に自衛隊の存在を明記する条文を追加することだが、はっきり言って遅すぎる。動乱が続く朝鮮半島情勢下、いまだ「違憲の軍隊」である自衛隊に在韓邦人の救出などできるはずがない。

「憂いあれども備えなし」は無責任

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「平和を欲さば、戦への備えを」

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湾岸戦争の悪夢を忘れるな

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邦人を盾にする韓国に強行措置も

 朝鮮半島情勢は、世界最強の米軍による「斬首作戦」「限定空爆」という軍事作戦が断行されるか、極めて高い緊張状態を維持したまま、日米中露が「北朝鮮の核放棄」という共通のゴールに向かって外交のステージに移行するかという、まさに瀬戸際にある。
 そんななか、関係各国が頭を痛めているのが韓国の現状だ。韓国大統領選(5月9日投開票)では、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表と、野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)元共同代表がデッドヒートを繰り広げている。だが、どちらが勝っても北朝鮮に宥和的な政策を選択する可能性が高く、「核なき朝鮮半島」に向けた国際社会の努力が水泡に帰しかねないのだ。
韓国外務省を訪れ、尹炳世外相(左)と
握手する長嶺安政・駐韓日本大使
=5月2日、ソウル(共同)
 さらに、日本政府関係者をイラ立たせているのが、4日に急遽(きゅうきょ)帰任させた長嶺安政・駐韓大使に対する韓国側の扱いだ。慰安婦像問題を棚上げして長嶺氏を韓国に戻したのは、朝鮮半島有事に備えた「邦人保護」など、ハイレベルでの政府折衝が主眼だった。
 ところが、黄教安(ファン・ギョアン)大統領代行兼首相はいまだに、長嶺大使との面会に応じていない。邦人保護についても、韓国政府は「自衛隊機の受け入れには韓国政府の同意が必要」との立場を表明したたけで、具体的協議に応じず事実上放置しているのだ。それどころか、日本外務省が11日、韓国滞在者や渡航予定者に対して注意を促す「スポット情報」を発表したことに、韓国政府は「観光客や日韓ビジネスの縮小につながりかねない」と不快感を表明した。
 朝鮮半島が最悪の緊張状態にあるなか、在韓邦人を盾にして平時の憂さを晴らそうとするような韓国政府のやり方に、日本政府内では「やっていいことと、悪いことがある」と強い怒りが広がっている。
 邦人保護について、韓国政府側に具体的な協力姿勢が見えないのであれば、日本政府は「渡航自粛勧告」や「退避勧告」など、邦人の韓国脱出を促す強い手段も検討せざるを得なくなる。関係諸国が、対北朝鮮対応で駆け引きを続けるなか、政治的機能不全に陥った韓国だけが孤立している。(ジャーナリスト・山口敬之「ドキュメント永田町」zakzak、2017.04.26

情勢判断を誤るな

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在韓邦人6万人をシェルター退避?

あなたが総理ならどうする?

 戦争になって欲しいわけがありませんが、もし北朝鮮がまた国連決議を破って核実験を実施するようなことがあればアメリカが軍事行動を起こすかもしれない状況です。また繰り返される北朝鮮のミサイル発射は昨年4月にも取り上げたとおり、日本の領海や領土に着弾した場合は「自衛権の発動、自衛隊の出動」となり、これも戦争状態を意味します。こうした状況で「もし私が総理大臣だったら何をするか?」についてつくづく考えました。
北朝鮮によるミサイル発射を受け、
記者団の質問に答える稲田防衛
=4月29日午前、防衛省
 まずは防衛作戦の検討を防衛大臣・自衛隊に指示します。軍事作戦そのものは総理が考えるものではなく、専門集団たる自衛隊に任せるしかありません。一方、いざという時にどう日本人を救出・保護するかについて思いが至ります。例えば韓国には日本政府が把握しているだけで日本人が約3万8千人住んでいて、さらにビジネスや観光で訪れている人は1日当たり約2万人もいるそうですから、これらの人をどのように保護し日本に連れ帰れるか。北朝鮮による拉致被害者をどう救出するかも当然、重要な課題です。せっかくつらつら考えたのでより掘り下げてみるとやはりなかなか難しそうです。
 自衛隊に関する法律「自衛隊法」第84条3項は「在外邦人等の保護措置」を規定していますが、簡潔にすると次の三つを全て満たしていないとダメです。自衛隊法第84条3項(在外邦人等の保護措置)=「戦闘行為が無い」、「相手国の同意が有る」、「相手国の当局が連携・協力してくれる」。
 しかし、これらを満たすのは韓国ででも難しいでしょう。今回の想定はミサイルが北朝鮮からいつ飛んでくるか分からない状況ですから戦闘行為が無いとは言えないでしょうし、仮に「戦闘行為は当分の間ないと”勝手に決めつけてみた”」としても、そもそも韓国は自然災害時の自衛隊の応援派遣を拒否しかねないお国柄ですから、相手国としての同意は厳しい。ましてや北朝鮮による拉致被害者救出は戦闘行為とセットでなければムリで、相手国の同意など得られるはずもありません。
 現実に安倍政権もいろいろと検討しているでしょうが、やはり限界があります。そもそも自衛隊は警察権の延長で設けられたもので、危ないところに飛び込む「軍」ではありません。そしてやはり日本国憲法9条が関わるわけですが、いずれにしてもすぐの改正は現実には無理でしょう。
 もし、私が総理だったら「広い意味での自衛権という中で法改正できないか研究するように」役人に指示して様々なシミュレーションを始めます。しかし”中田総理”がこんな提案をすれば「中田、こんな時に調子に乗るんじゃねえ」とマスコミや野党からバッシングを受けるでしょうねぇ。皆さんは総理大臣だったら、どうしますか?(中田宏チャンネル 2017.04.19

政府が主張する建前とホンネ

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