米中戦争、トランプならやりかねない
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米中戦争、トランプならやりかねない

北朝鮮攻撃が現実味を増す中、トランプ就任後初の米中首脳会談が実現した。対北緊密協力で「米中蜜月」をアピールするも、トランプの中国認識は強硬論一色である。南シナ海や経済摩擦などをめぐり、急速に冷え込む米中関係は今後どうなっていくのか。トランプ政権の思惑と習近平に迫る危機を読み解く。

北朝鮮攻撃が現実味を増す中、トランプ就任後初の米中首脳会談が実現した。対北緊密協力で「米中蜜月」をアピールするも、トランプの中国認識は強硬論一色である。南シナ海や経済摩擦などをめぐり、急速に冷え込む米中関係は今後どうなっていくのか。トランプ政権の思惑と習近平に迫る危機を読み解く。

北朝鮮に対する米中の思惑

ブレないトランプの中国観

習近平のジレンマ

 中国の習近平国家主席にとっての最大のジレンマは、核を手放さない北朝鮮の金正恩政権がどんなに好ましくなくても、親米政権に取って代わられるよりはましだという事実だ。朝鮮半島に“緩衝地帯”がなくなり、国境越しに米軍と対峙(たいじ)するような事態だけは避けなければならない。
 日本や韓国、米国と違って、中国は目下、友好国である北朝鮮からミサイルが飛んでくることを心配する必要はない。
 懸念すべきは、(1)中朝国境近くに設置されている北朝鮮の核関連施設から放射能汚染などが広がる(2)大量の北朝鮮難民が国境に押し寄せる-ことだ。中国共産党大会を秋に控え、「安定」が最優先の習氏にとってはいずれも容認できない事態である。
 こうした中で、習氏は米国から対北制裁の強化を求められている。米国の念頭にあるのは、北朝鮮が9割以上を中国に依存しているとみられる原油・石油製品の供給停止だ。習氏としても、原油・石油製品の供給停止が北朝鮮に最も効果的であることは分かっている。しかし、だからこそ北朝鮮が大混乱に陥り、中国が恐れる核事故や大量難民の発生を招きかねない。金正恩政権が暴発し、米朝開戦に至るリスクもある。
 かといって、中国が原油・石油製品の供給を減らさなければ、いよいよ米国が軍事行動に踏み切る可能性が高まる。金正恩政権が米国に勝つ見込みはない。親米政権が樹立されれば、中国には悪夢だ。
 結局、習氏としては、原油・石油製品供給の大幅縮小には応じるものの、金正恩政権が崩壊したり、北朝鮮国内に大混乱が起きたりしないよう注意を払わなければならない。幸い、地下パイプラインを通じた供給のため、国際社会は実際の供給量を確認する手立てがない。
 しかしそうなると、北朝鮮が米国の満足する譲歩を受け入れるかは見通せなくなる。金正恩氏が怒りを爆発させ、ミサイルの照準を中国に合わせてくる可能性もないわけではない。(北京 藤本欣也 産経新聞、2017.04.27

結局、中国は頼らない?

日米関係を正常化せよ

「ズートピア」だけじゃない

「世界の警察官」に頼り続ける限界

 久々に「世界の警察官」が戻ってきた、と感じた。ドナルド・トランプ米政権が、化学兵器を使用したとされるシリアをミサイル攻撃したニュースだ。やはり、米軍の関与なしには世界の平和は保てない。だが、日本の「米国頼み」はいつまで続くのか。米軍基地が集中する沖縄にいる私は、どうすれば日本が「自分の国は自分で守る普通の国」に脱皮できるか、自問自答を繰り返している。
沖縄・尖閣諸島の魚釣島周辺を飛ぶ海上自衛隊の哨戒機(平成23年撮影)
沖縄・尖閣諸島の魚釣島周辺を飛ぶ海上自衛隊の哨戒機(平成23年撮影)
 尖閣諸島周辺では、中国公船が領海侵犯を繰り返しているが、沖縄を狙っているのは中国だけではない。北朝鮮の黒い影も平和な島々を覆いつつある。
 核やミサイル発射実験を繰り返し、「在日米軍も攻撃対象だ」と明言する北朝鮮。沖縄県議会は3月、北朝鮮が「極めて危険な行動を続けている」として政府に毅然とした対応を求める意見書を可決した。
 私は石垣島で記者を続けて約20年になるが、北朝鮮ミサイルの「空襲警報」に2回も遭遇した。2012年と16年、北朝鮮が弾道ミサイル発射実験を強行し、ミサイルが石垣島を含む先島諸島の上空を通過したのだ。防災無線のスピーカーから「北朝鮮からミサイルが発射されたもようです」と警告する声が市街地に鳴り響いた。不気味だった。
 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設に反対する翁長雄志知事は「沖縄を平和の緩衝地帯にする」と豪語するが、無防備と見れば容赦なくミサイルを発射する国が存在するのが国際社会の現実だ。北朝鮮情勢が今後、さらに緊迫化すれば、全国で当時の先島諸島のような光景が繰り広げられるかもしれない。正念場である。
 現状では日本を守るため、沖縄の米軍基地は不可欠だ。しかし、一方で、県民は米軍基地から派生する事件・事故などの基地被害に苦しんでいる。この矛盾をどう解決するか。それは日本が防衛力を増強し、米国頼みだけではない安全保障を確立するほかない。
 極言すれば、沖縄の米軍基地をほとんど自衛隊基地に置き換えるくらいの決意があってしかるべきだと私は考えている。自衛隊員は日本の公務員だから、米軍のように日米地位協定という「治外法権」に守られることもない。翁長氏でさえ、米軍と自衛隊は区別して考えており、多くの県民は自衛隊基地であれば受け入れる用意がある。
 日本さえ自主防衛の決意を固めれば、沖縄で猛威を振るっている現在の反基地運動は劇的に衰退するだろう。米国には今後も「世界の警察官」であり続けてほしいが、何かあるたび交番に逃げ込む男を、世間は男とは見なさない。今の日本はせいぜい「草食系男子」ではないか。沖縄からこそ日本を叱咤(しった)激励したい。(八重山日報編集長・仲新城誠 夕刊フジ 2017.04.12)

紅い金脈がトランプ政権を蝕む日

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