米軍事作戦に怯える金正恩「ハッタリ外交」
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米軍事作戦に怯える金正恩「ハッタリ外交」

金正恩の暴走が止まらない。半島危機の真っただ中、北朝鮮は弾道ミサイルを発射した。国連安保理は緊急会合を開き、北朝鮮のさらなる挑発阻止への具体的協議に入った。圧倒的戦力差の米軍事作戦に怯え、もはや核開発しか生きる道のなくなった独裁国家の「ハッタリ外交」はいつまで続くのか。

金正恩の暴走が止まらない。半島危機の真っただ中、北朝鮮は弾道ミサイルを発射した。国連安保理は緊急会合を開き、北朝鮮のさらなる挑発阻止への具体的協議に入った。圧倒的戦力差の米軍事作戦に怯え、もはや核開発しか生きる道のなくなった独裁国家の「ハッタリ外交」はいつまで続くのか。

拉致問題を餌に米圧力をかわす?

お得意の過激発言の裏を読め

唯一の脅威は20万人の「特殊部隊」

米軍に怯える金正恩

 「正恩氏は、習氏を『裏切り者』『無能』などと罵(ののし)っている。北朝鮮メディアも中国を直接批判するなど、中朝関係は崩壊した。正恩氏は、米軍特殊部隊の『斬首作戦』や『限定空爆』に異常におびえて、側近すら疑い、わめき散らしている」。旧知の米情報当局関係者はこう語った。そして、「正恩氏は狂乱状態だ」と明かした。ご承知のように、北朝鮮の秘密警察、国家保衛省は5日突然、「正恩氏を狙った暗殺計画が最近発覚して、粉砕した」「主導したのは、CIA(米中央情報局)と、韓国の国家情報院(国情院)」「米国はテロ国家だ」と、激しく非難した。国営メディア「朝鮮中央通信」が伝えた。
 北朝鮮が主張した「暗殺計画」は驚くべきものだ。概要は次の通りだ。《CIAと協力した国情院が2014年、ロシア極東で働く北朝鮮労働者1人を買収した。主導したのは国情院の李炳浩(イ・ビョンホ)院長だ。韓国の工作員は、北朝鮮労働者と直近で4月20日に接触した》、《80回以上の指示があり、計12万ドル(約1350万円)以上の工作資金が渡された。正恩氏が軍事パレードに出席したときなどに、放射性物質や毒性を含む生化学物質を使う計画だ。標的に接近する必要がなく、死に至るのは半年か1年後。CIAにとっては最善の方法だ》。米韓両国は、即座にこれらを否定した。
北朝鮮の労働新聞が15日掲載した、新型の中長距離弾道ミサイル「火星12」と、金正恩朝鮮労働党委員長(中央)の写真(共同)
 言っておくが、北朝鮮は、国連安保理決議を無視して核・ミサイル開発を強行し、今年2月には異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏を猛毒の神経剤VXで暗殺した。そんな凶悪テロ暴走国家、北朝鮮に、他国を批判する資格などない。旧知の外事警察幹部は「実は十数年前から、米韓情報当局は北朝鮮の軍内部に協力者をつくり、北朝鮮の民主化、金王朝転覆工作を仕掛けてきた」といい、続けた。「だが、今回の『暗殺計画』はデタラメだ。笑い話だ。北朝鮮は米国をテロ国家呼ばわりして、米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定し、制裁強化に動くのを阻止したい。それで話をつくった。それだけ、正恩氏は追い詰められ、必死ということだ」。事実、北朝鮮内部で大変なことが起きている。以下、複数の米韓情報当局、米軍関係者から入手した情報だ。
 「正恩氏は11年に3代目を世襲してから、4回以上の暗殺未遂に遭っている。朝鮮人民軍の犯行とされる。危機感を覚えた正恩氏は、中国から極秘裏に高級ジープなどを輸入し、金日成(キム・イルソン)主席の生誕記念日(4月15日)に、軍幹部にプレゼントして忠誠心を買ってきた。その数、2000台以上という。ところが、昨年から途絶えた。一方で、残酷な粛清と処刑を繰り返し、軍部の怒りは爆発寸前だ」
 私(加賀)は前回連載(4月24日発行)で、次の情報を報告した。(1)正恩氏は、4月15日に「6回目の核実験」を強行する予定だった。だが、米国に「核実験をやれば先制攻撃する」と脅かされて、震えあがり、直前で延期した。(2)口先だけのぶざまな姿を見て、軍の一部が憤慨し、クーデターの兆候が出てきた。正恩氏は「核実験をやらなければ名誉回復はできない」と追い込まれて、半狂乱になっている。核実験は8日現在、行われていない。
 さらに、北朝鮮人民が怒りを爆発させている。「軍が、人民から『慰問』名目で、食糧や日用品を強制徴用し始めた。飢餓が始まっている。ガソリン価格も高騰した。農作物に不可欠な肥料も、石炭輸出とバーターで中国から輸入していたが、制裁で断たれた。今年秋の収穫は絶望的だ。朝鮮労働党庁舎の前で、市民が抗議の割腹自殺をした。人民が怒りの声をあげ始めた」。そして、情報は次のように続いている。「正恩氏がいつどこにいるのか、極秘情報がリークされている。ミサイルの秘密基地の位置、地下秘密基地網の地図、正恩氏の隠れ家…など。米軍の攻撃を受けたら、正恩氏は逃げられない。丸裸だ」。(「スクープ最前線」ジャーナリスト、加賀孝英 zakzak 2017.05.09

新型ミサイル「成功」

7年後、核兵器100個の恐怖

最悪の事態は「窮鼠猫を噛む」

大きな危機がそばにあり続ける

 いま日本は、大変な危機を迎えている。日本だけではない、アジア全体、いや、世界の危機だと言ってもいいだろう。
 日本時間の4月7日、アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席が初会談を行った。会談では、北朝鮮の核開発の問題を話し合ったという。とても深刻な事態だ。トランプ大統領は、習主席に北朝鮮の核開発を止めさせるための協力を要請した。もし協力してくれないならば、独自で行動に出ると言ったという。ところが、なんとこの会談の最中に、アメリカはシリアを攻撃したのだ。そして、その事実をトランプ大統領は、習主席に伝えている。「北朝鮮に対しても、アメリカが攻撃する可能性はある」という強い姿勢を見せた。中国に脅しをかけたという言い方もできる。
 トランプ大統領の呼びかけに、習主席が何と答えたかはわからない。通常なら会談の後に設けられるはずの共同会見も、共同声明もなかった。おそらく、習主席は何も答えず、平行線に終わったのではないか。
5月15日、北朝鮮の労働新聞が掲載した中長距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験の写真(共同)
 2012年4月13日未明、北朝鮮は人工衛星と称して、大陸間弾道ミサイルテポドンを打ち上げた。結果は、失敗に終わった。これは故・金日成主席の誕生日である、4月15日を祝うものだった。それ故、同様に今年も、4月15日前後に何かあるのでは、それも核実験ではないかという噂も広まっていた。実際は、16日に弾道ミサイル1発を発射している。ただし、発射直後に爆発したのだが。
 対して、アメリカの動きは速かった。シンガポールからオーストラリアに向かう予定の原子力空母カール・ビンソンの針路を急遽変え、駆逐艦2隻、巡洋艦とともに、朝鮮半島付近に配備していたのだ。これは尋常ならざる北朝鮮への圧力である。一方、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長も、「暴力に対しては暴力で返す」という声明を発表している。
 もし北朝鮮が核実験を行っていたら、アメリカは空爆していただろう。たしかにトランプ大統領なら、その可能性も高かった、と僕も思う。韓国では、その「Xデイ」は4月27日だという噂が広まっていた。アメリカから空爆を受ければ、北朝鮮は報復として韓国を攻撃する恐れがあった。
 そして、その恐れは韓国だけにとどまらない。先月、北朝鮮は在日米軍基地に向けて、ロケットを発射している。いざ報復という事態になった場合、北朝鮮は、在日米軍基地も必ずや攻撃目標に選ぶだろう。いま、大きな危機がそばにあり続けるのだ。そのことに、僕たちは心しなければならない。(田原総一朗ブログ、2017.04.24

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