加計学園「議論の本質」を読む
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加計学園「議論の本質」を読む

森友と加計。二つの学園をめぐる一連の騒動が、どうにも分かりづらい。そんな声をあちこちで聞く。学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる問題も泥仕合の様相をみせており、議論の核心からどんどん遠ざかりつつある。結局、何が問題だったのか。iRONNAが総力特集でお届けする。

森友と加計。二つの学園をめぐる一連の騒動が、どうにも分かりづらい。そんな声をあちこちで聞く。学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる問題も泥仕合の様相をみせており、議論の核心からどんどん遠ざかりつつある。結局、何が問題だったのか。iRONNAが総力特集でお届けする。

現場を取材した私だから言える

「監視社会」はここまで進んだ

私とは真逆の役人人生

不都合な真実はどこに

政局の具にしかならない

「総理の意向」文書確実に存在

だらしない文科省と野党の本気度

 安倍政権に、またも大きな疑惑が持ち上がっている。文部科学省の記録文書が流出したことから明るみに出た疑惑だ。
加計学園の獣医学部新設計画をめぐり、
「官邸の最高レベルが言っている」などと記載された記録文書
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」がある。その加計学園が、国家戦略特区である愛媛県今治市に、獣医学部を新設する計画をたてた。その際に、安倍首相の関与があったと見られているのだ。文書には、特区担当の内閣府から、「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと言われた旨が記録されていたという。
 森友学園に続く、またも学校関連のスキャンダルだ。共通する点も多い。
 森友学園のスキャンダルでは、国有地購入の際、8億円もの値引きを「忖度」してもらった。今回の加計学園は、何度も認可を拒否されてきた獣医学部の新設が、一転、認められているのだ。
 そして森友学園問題に関して、野党に追及された安倍首相は、「もし関与があったならば私は辞職する」と国会で宣言し、物議をかもした。加計学園問題でも、「私に相談があったことや、圧力が働いたことは一切ない」と否定している。
 だが、この2つの問題には根本的な違いがある。「朝日新聞」によれば、一連の文書には具体的な日付、文科省や首相官邸の幹部の実名、「加計学園」という具体名が記されたものもあったという。一方、森友学園の国有地売却にかかわった財務省は、文書を一切、捨てたとした。不自然なことだ。
 よし悪しはまったく別になるが、財務省はその点、しっかりしている、と言えるだろう。それに対して文科省は、なんとだらしがないことか。「文書」が次から次とぼろぼろ出てくる。
 森友学園問題では、「証拠」が出てこなかったここともあって、トーンダウンしてしまった。今回の加計学園問題は、文科省がだらしないために、手がかりがたくさんある。どこまで徹底して追及できるか。今度こそ、野党の本気を期待したい。(田原総一朗ブログ2017.05.26

「国家に狙われる男」なのか

国民はバカじゃない

 学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設をめぐる問題は、設置を認可した文部科学省の前川喜平前事務次官の証言を機に泥仕合の様相に拍車が掛かっている。そう、あの森友学園をめぐる騒動を彷彿とさせ、テレビのワイドショーにはおあつらえの混迷ぶりが際立つ。
 さすがは「第二の森友」と揶揄される事案だけあって、加計学園の問題も発覚からワイドショーネタと化すまでの一連の経緯は瓜二つである。朝日新聞が大々的に一報を報じてから、国会での野党追及のタイミング、そして問題の当事者がメディアに露出して正当性を主張したかと思えば、今度はその当事者の醜聞まで明るみになる始末である。
 しかも、二つの騒動は結局、何が問題だったのか。今でもピンと来ない人が多いのではないだろうか。「忖度」という流行り言葉だけが世に蔓延し、議論の核心からはどんどん遠ざかっている気がしてならない。安倍政権に批判的なメディアや野党は「問題のすり替え」などと声高に主張にするが、そもそもこんな「いわくつきの人物」のネタを一方的に取り上げ、公の場に引っ張り出したのはどこの誰だったか? 彼らの大義が「安倍降ろし」一辺倒とはいえ、あまりにお粗末なやり方である。
 日々、iRONNAをご覧いただいている読者はもうお分かりだと思うが、一連の問題の核心は「首相の忖度」があったかどうかではない。首相の「腹心の友」とされる加計学園理事長との間に何らかの「便宜」があったかどうかである。野党や一部メディアは、内閣府が「総理のご意向」をかざして便宜を図ったかのような印象操作で追及を続けるが、今のところ決定的な証拠は出ていない。私見だが、まだ新聞用語で言うところの「疑惑」にもなっていない。こうした経緯もまた、森友騒動とよく似ている。
 「忖度」という言葉に関して言えば、いかなる組織に属していようが忖度することはある。仮に首相という立場であっても、必ず国民に「忖度」しながら国の進路を決めているはずである。加計学園についても、「国家戦略特区」という安倍政権の目玉政策がやり玉に挙がっているが、そもそも官僚主導から政治主導のトップダウンで岩盤規制に風穴を開ける以上、首相の指導力に官僚が忖度しないはずがない。むろん、この政治主導のプロセスに公平、公正な手続きがなかったとすれば話は別だが、前述した通りそれを裏付ける決定的な証拠はまだ何もない。はっきり言って、野党や一部のメディアが批判のための批判を繰り返し、話をややこしくしているだけである。
 ただ、こうなってしまった以上、国民の多くがモヤモヤした気持ちを抱いているのも事実だ。何がどうなっているのか。首相の言葉で国民にきちんと説明責任を果たす必要があると思う。
  「私が知り合いだから頼むと言ったことは一度もない。そうではないというなら証明してほしい」。一連の野党の追及に対し、首相はこう反論していたが、そう断言できるのであれば、前川氏をはじめとする関係者の国会招致を拒まない方がいい。拒否という対応がかえって国民の疑念を招く現状をみる限り、大多数の国民の意思にこたえる姿勢は示すべきである。
 森友騒動を振り返って、籠池氏の証人喚問を見た後の国民の反応はどうだったか。少なくとも筆者は、胡散臭さだけが残る一連のやりとりに失望した。籠池氏はその後もメディアに露出して自分の正当性を訴え続けたが、騒動は結局トーンダウンし、何も答えは出なかった。きっと加計学園も同じ経緯をたどる。「いわくつきの人物」の証言に騙されるほど、国民はバカじゃない。(iRONNA編集長、白岩賢太)
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