「女性宮家」の議論は急ぐべきか
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「女性宮家」の議論は急ぐべきか

秋篠宮家の長女、眞子さまのご婚約が明らかになり、女性宮家創設をめぐる議論が活発になっている。天皇陛下の退位を実現する特例法案の付帯決議にも盛り込まれ、政府は皇族減少、皇位安定継承策の検討に入った。ただ、本当に議論を急ぐ必要はあるのか。

秋篠宮家の長女、眞子さまのご婚約が明らかになり、女性宮家創設をめぐる議論が活発になっている。天皇陛下の退位を実現する特例法案の付帯決議にも盛り込まれ、政府は皇族減少、皇位安定継承策の検討に入った。ただ、本当に議論を急ぐ必要はあるのか。

天皇の原理は究極の「血統」

眞子さまご婚約が機運を高める

皇族を口説く輩を排除せよ

議論を急ぐ必要はない

その場しのぎの女性宮家創設論

 秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまが、大学時代の同級生との婚約に向けて準備を進められていることをきっかけに、民進党やメディアで女性宮家創設を求める声が高まっている。特に民進党は、天皇陛下の譲位を可能とする特例法案の付帯決議に、女性宮家創設を盛り込むことを強く求めるが、そこにはかえって事態を混迷させかねない二重の錯誤がある。
 「政治利用するなという人もいるが、眞子さまが結婚されれば、皇室を離脱しなければいけない。皇族の減少はまぎれもない事実だ。今の現実を直視した議論をしなければならない」。民進党の野田佳彦幹事長は22日の記者会見でこう強調し、女性宮家創設の必要性を訴えた。野田氏だけでなく、多くの議員が同様の見解を示している。
2016年8月、「全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」で、手話を交えてあいさつされる眞子さま=東京都千代田区
 だが、例え女性宮家をつくったとしても、皇室典範は「皇位は(父方の系統に天皇を持つ)男系の男子が継承する」と定めている。つまり、一時的に皇族の減少は防げても皇位継承資格者が増えるわけではない。これでは、根本的な問題解決にはつながらない。女性宮家創設の積極論者たちは、将来的な女性・女系天皇の容認を想定しているのかもしれない。だが、それならば回りくどい言い方をせず、最初からそうはっきりと言うべきである。
 ただし、女系天皇はこれまでの125代の天皇に例がなく、皇室の伝統の大転換となる。平成24年6月に薨去(こうきょ)された三笠宮家の寛仁さまが、18年1月の毎日新聞のインタビュー記事で、こう戒められたのを忘れてはならないだろう。また、果たして女性皇族方は、女性宮家創設を望まれているかも疑問だ。今回、眞子さまが正式に婚約される前の段階で、唐突に婚約に向けた動きが明らかになったことについて、複数の政府中枢・与党幹部は、民進党などによる女性宮家創設要求が関係しているとの観測を示す。
 「特例法の付帯決議に女性宮家創設を入れれば、創設前に結婚しようとする方が出て、かえって皇族減少に拍車がかかるかもしれない」(自民党幹部)、「宮家当主の女性の配偶者になりたいという男性は、現実問題としていないだろう」(政府高官)。
 女性宮家がつくられ、さらに女系天皇が容認されることになれば、女性皇族の結婚は制約される。仮に配偶者が現れたとしても、その男性が皇室伝統の破壊者だとか、皇室の簒奪者と批判されることさえ、ありえないとは言い切れない。そうなれば、国民と皇室の紐帯(ちゅうたい)に亀裂が入りかねないのではないか。
 女性・女系天皇を認める皇室典範改正が目指されていた小泉純一郎内閣当時、ノンフィクション作家の工藤美代子氏は月刊文芸春秋18年1月号に「史上初『天皇陛下のお婿さん』になり手はいるのか」という論文を書き、こう指摘した。「いったい誰が、天皇の夫となろうと考えるだろうか」「史上初めての『女性天皇の配偶者』をもとめようなどというのは、机上の空論ではないか」。そして寛仁さまは団体機関紙(同年2月号)で、父の三笠宮さま(28年10月薨去)が工藤氏の論文について「『私の意見はこれと同じである』と、娘の分までコピーしてもってきてくれました」というエピソードを紹介している。これは女性天皇だけでなく、女性宮家にも当てはまるのではないか。
 女性宮家推進論者らは、皇籍離脱で皇族ではなくなった旧皇族の男系男子の皇族復帰を非現実的と批判する。だが、その場しのぎの女性宮家創設の方がむしろ現実を見ていない。(産経ニュース「阿比留瑠比の極言御免」2017.05.24

野田佳彦氏「速やかに対策を」

会見する民進党の野田佳彦幹事長=5月22日午前、国会内(佐藤徳昭撮影)
会見する民進党の野田佳彦幹事長=5月22日午前、国会内(佐藤徳昭撮影)
 秋篠宮家の長女・眞子さまの婚約準備が明らかになりました。お相手も誠実そうな好青年。さわやかなカップル誕生です。国民の1人として心からお喜びを申し上げ、祝福させていただきたいと思います。
 このような慶事に際しては、静かに温かくお見守りするのがマナーだと思いますが、甚だ失礼ながら1つだけ心配事を記させていただきます。
 皇室制度のあり方については「皇室典範」に規定されていますが、その第十二条は「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」と定めています。すなわち、眞子さまのように一般男子と結婚されようという場合は、皇籍を離脱しなければならなくなるということです。この懸念は眞子さまにとどまりません。
 現在、男性皇族は皇太子殿下、秋篠宮さま、悠仁親王、常陸宮さまの4人だけです。一方、女性皇族は14人。このうち今上陛下の孫世代は7人で、15歳の愛子さまを除く全員が結婚可能な年齢に達しています。現行制度を放置していると、女性皇族が次々と結婚するたびに皇族を離れ、悠仁親王がご成人の頃には、皇族方が激減しかねない危機にあるのです。そして、皇族の減少は皇位の安定的継承や皇室の活動の大きな支障となります。
 手前みそになって恐縮ですが、かつて野田内閣は「皇室制度に関する有識者ヒアリング」を積み重ねました。そして、2012年10月、女性皇族が結婚後も皇籍にとどまる「女性宮家」創設案と、結婚して皇籍を離れても新たな称号を使うなどして皇室活動を続ける2案を、論点整理としてとりまとめました。しかし、残念ながら、その後の安倍内閣に黙殺されたまま今日に至っています。
 5月19日、天皇陛下の生前退位を実現する特例法案が閣議決定されました。象徴天皇としてあるべき天皇像を追い求めてきた陛下のお気持を実現するため、真摯な姿勢で審議に臨みたいと思います。と同時に、皇族数が減少するという現実にもしっかりと向き合い、可及的速やかに対策を講じなければなりません。
 私は、法案の付帯決議に、女性宮家の創設を明記し、法案の成立後から明確に期限を区切って結論を出すよう強く求めたいと思います。(民主党議員、野田佳彦ブログ2017.5.22

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