日本人の目をくらます中国の「パンダ外交」
314

テーマ

日本人の目をくらます中国の「パンダ外交」

東京・上野動物園のジャイアントパンダが5年ぶりに赤ちゃんを出産し、パンダブームに日本中が沸いた。ただ、中国にとっては、その愛くるしい姿とは裏腹のしたたかな外交ツールでもある。G20首脳会議を前にドイツにも貸与したことが話題になった。中国の「パンダ外交」に隠された思惑とは。

東京・上野動物園のジャイアントパンダが5年ぶりに赤ちゃんを出産し、パンダブームに日本中が沸いた。ただ、中国にとっては、その愛くるしい姿とは裏腹のしたたかな外交ツールでもある。G20首脳会議を前にドイツにも貸与したことが話題になった。中国の「パンダ外交」に隠された思惑とは。

パンダに罪はない

国家を背負う希少動物

はっきり言って虐待です

和歌山はダメなんでしょうか?

中国にとってパンダは「一石三鳥」

ジャイアントパンダの赤ちゃん誕生から一夜明け、公開されている雄リーリーを見る来園者=6月13日、東京・上野動物園
 上野動物園(東京都)のジャイアントパンダに赤ちゃんが誕生して、日本中が歓喜に沸いている。都の経済効果が、年間約267億円に上るとの試算も出ているが、喜んでばかりはいられない。習近平国家主席率いる中国は、パンダを「外交カード」に狡猾に利用しており、両親と赤ちゃんの所有権は中国にあるのだ。中国側に支払われる費用は年間約1億円。識者も疑問を投げかけている。
 実は、日本生まれの赤ちゃんの所有権は日本にはない。それどころか、日本が所有権を持っているパンダは1頭も存在しないのだ。
 中国はかつて各国にパンダを贈る「パンダ外交」を展開していた。だが、1982年に「絶滅の危機」などを理由に贈与をやめ、「共同研究」などを名目に貸与する形を取るようになった。
 赤ちゃんパンダの親、リーリーとシンシンも貸与されたパンダだ。都によると、中国野生動物保護協会と「共同研究」目的で協定を結び、10年の期間で貸し出しを受けている。協定に基づき、都は年間95万ドル(約1億円)を中国側に支払っている。
 赤ちゃんの所有権も中国側にある。協定で中国側に返す時期は「満24カ月」となっており、都と中国側の協議で決まる。
 多額の費用を払ってのレンタルには批判の声もあった。2008年5月に来日した中国の胡錦濤国家主席(当時)が、パンダのつがいの貸与を表明した際には、都に「1億円のレンタル料は高い。税金の使い道としていかがなものか」などと、反対意見が多数寄せられた。石原慎太郎都知事(同)も「友好友好というけれど、友情の証しで金を取るというのはどんなものか」と述べた。
 そもそも、パンダは中国が侵略したチベットの動物である。評論家の石平氏は「中国にとってパンダは一石三鳥の存在となっている」といい、次のように話した。「中国は『外交の道具』としてパンダを使っている。目的の1つは、相手国に友好姿勢を示すため。もう1つは、かわいくて温厚なパンダのイメージを利用して、中国共産党の凶暴な本性を払拭することにある。金もうけにも利用できる。将来、日本で生まれて、日本で育ったパンダについては『日本のパンダ』にするよう、中国と交渉した方がいい」(ZAKZAK 2017.6.15

和歌山県は「パンダ天国」

パンダの命名は日本名にしよう

 日本で生まれた赤ちゃんパンダはなぜ漢字二文字の中国名なのか。先月、東京・上野動物園でメスのジャイアントパンダ「シンシン(真真)」がメスの赤ちゃんを出産し、微笑ましいニュースとしてメディアが大々的に取り上げた。順調に成長すれば、もうすぐこの赤ちゃんも命名される予定だが、その名前はきっと中国名になるだろう。
母の胸に抱かれるジャイアントパンダの赤ちゃん
(東京動物園協会提供)
 日本人にとって、パンダは最も人気のある動物といっても過言ではない。しかも、日中友好のシンボル、「平和の使者」として喧伝されてきただけに、赤ちゃんパンダ誕生のニュースを聞けば、ほとんどの人が手放しで喜ぶ。そもそも、パンダが生息していたのは中国が侵略したチベットであるのにもかかわらず、日本では赤ちゃん誕生のたびにブームが起きる。今回も東京都の経済効果は267億円に上るとの試算もある。まさしく良いことずくめである。
 とはいえ、それは「表の顔」に過ぎない。本日のテーマの論考をお読みいただければ、その経緯がよくお分かりになったと思うが、中国の「パンダ外交」には狡猾な裏の顔がある。パンダの愛くるしい姿とは裏腹の中国の思惑を知れば、日本ですっかり定着したイメージも随分違ってみえてくる。
 「中国は日本を文化的に中国の下位国だと尊大に思っているのに、日本は構わずにパンダとその『主人』を過大評価する。パンダ外交の呪縛を自ら解いていかないと、日本は中国の威圧的膨張にいつまでたっても対応できないだろう」。米誌『ニューズウィーク日本版』のコラムニスト、楊海英氏はこう説く。野生のジャイアントパンダが実は獰猛な食肉類であるように、中国がパンダを外交ツールに使って、世界中の目をくらまそうとしている事実も知っておくべきだろう。
 かつて、東京都知事だった石原慎太郎氏が赤ちゃんパンダの命名について「センセンとかカクカクとか名付けたらいい」と発言し、波紋を呼んだことがあった。都が2012年に表明した尖閣諸島購入計画を念頭に置いての発言だったが、今回の赤ちゃんパンダの命名はどういうプロセスで決めるのか。
 都によると、これまで上野動物園で生まれたパンダは、いずれも公募で命名されているが、その決定には都と中国野生動物保護協会が結んだ協定で「中国の同意を得る」ことが絶対条件になっているという。パンダはあくまで中国からの「借り物」であり、日本人の一存で決められないというのである。なんとも腑に落ちない話だが、音の響きが良いから同じ漢字を重ねるという通例は建前に過ぎず、本音のところは中国側の承諾を得られやすいという配慮があったに違いない。
 だとすれば、もうすぐ公募されるであろう赤ちゃんパンダの命名に際して、日本人がより愛着を持てるように日本名にした方がいい。もし、中国が日本名をすんなり受け入れてくれれば、それこそどこかのテレビコメンテーターが真顔で言いそうな「日中友好が進化した証」ではないか(笑)。少なくとも、筆者は公募が始まれば「百合子」とでも名付けて、応募してみようと思う。(iRONNA編集長、白岩賢太)
日本人の目をくらます中国の「パンダ外交」

みんなの投票

中国の「パンダ外交」についてどう思いますか?

  • 友好関係に役立っている

    15

  • 狡猾な手段である

    236

  • パンダの政治利用が許せない

    63