読売新聞よ、このままでいいのか

前文部科学省事務次官、前川喜平氏の「出会い系バー報道」が波紋を呼んだ読売新聞だが、今度は憲法改正を明言した安倍首相インタビューを今年の新聞協会賞に応募していたことが明らかになり、ネットでは「忖度メディア」との批判も飛び交う。世界最大の発行部数を誇る大新聞に何が起こっているのか。

安倍宏行の視線

 「忖度(そんたく)」メディアなどと有り難くもない名前を頂戴した読売新聞。「前川前文科次官 出会い系バー通い」報道ですっかりみそを付けた格好だ。大手メディアが一個人の人格攻撃に加担するなど前代未聞である。
 5月3日付朝刊の安倍首相「改憲インタビュー」も、読売は悪びれもせずに今年の新聞協会賞に応募しているが、ここまで官邸寄りを旗幟(きし)鮮明にされるとむしろ清々しいくらいだ。だが、それでいいはずがない。
 「忖度」報道も「印象操作」報道も、今やネットで詳細に検証される時代だ。これまでと同じスタンスで報道している限り、新聞・テレビは信頼性を損ない続けるだろうし、人材流出も止まらないだろう。このままでは彼らに明日はないことに気づくべきだ。(Japan In-depth編集長)

社内に広がる「後ろ向き」体質

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この世に完全な中立などない

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もはや「忖度メディア」

ジャーナリズムはどこへ

東京・大手町の読売新聞東京本社ビル
 最近、記者会見時の菅義偉官房長官の表情の不自然さが気になります。裏になにかを隠しているような気配を感じるのです。まるでテレビドラマの登場人物さながらです。さて、加計学園問題は外野席から見れば森友学園問題よりもさらに黒だと感じさせています。岩盤規制を打ち砕くために、国家戦略特区を首相自らがコネクションも総動員して進めていこうという意気込みはいいのですが、後出しジャンケンでルール変更を行い、獣医学部開設で、加計学園と競いあっていた京都産業大学を排除したことは「公正」だったとはいえません。
 問題は、国家戦略特区の条件追加だけでなく、加計学園の特別扱いが総理の意向とした文部科学省の内部文書が出てきたことです。森友学園問題では、官僚のあからさまな情報隠しが疑われましたが、今回は、かつての「永田町メール」作戦で内部文書を怪文書に仕立てあげて国会での追及をかわそうという狙いを感じます。その文書は前川前次官がリークしたもので、前次官が文書は本物だと証言したとたんに、それに報復するように前川前次官のプライバシーを侵害する情報を官邸がリークしたとは、いかにも往生際が悪すぎです。しかも、前川前次官の「出会い系バー」に頻繁に行っていたというプライバシー侵害そのもののリーク情報を、紙面で臆面もなく報道した読売新聞は三流以下の情報操作に加担したことになります。
 新潮と文春の「仁義なき戦い」効果でさらに注目を浴び、多くの人々に、前川前次官の信用を失墜させる効果はあったと思います。周りの人に聞いてみると、前川前次官がかつての「ノーパンしゃぶしゃぶ」問題と同じような不祥事を行っていたと錯覚していたようです。違いは今回はなんの違法性もなく、単なる趣味の問題です。もちろん読売が、政権側にポジションを置くことは自由なのですが、この記事ばかりは、一線を超え、ついに情報操作に加担したのですから驚きます。新潮は官邸が読売にリークしたものだとしているので、読売にはなんらかの説明責任が求められます。あるいは、お得意の告訴に持ち込むつもりでしょうか。
 読売も発行部数が減少する中で、ジャーナリズムとしての矜持を捨ててでも、政権の下僕として延命をはかろうとでもいうのでしょうか。いずれにしても、歴史に残る汚点ではないかと感じます。(「大西宏のマーケティング・エッセンス」2017.05.25 一部抜粋

ナベツネでも制御不能?

不都合な真実は伝えない

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メディアの役割とは?

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