北朝鮮ミサイル、日本は迎撃できるか

北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射した。朝鮮中央通信は「太平洋における軍事作戦の第一歩」とした上で、「日本が慌てふためく作戦」とも伝えた。安倍首相は「発射直後は動きは完全に把握していた」と強調したが、そもそもわが国のミサイル防衛能力はどれほどなのか。迎撃可能性の有無を検証する。

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これじゃ防御も追い付かない

2017年4月、北朝鮮の軍事パレードに登場した、精密誘導システムを導入した弾道ミサイル=平壌(共同)
 「敵基地攻撃」が、やっと現実的な問題として議題になってきた。ただ、実際に能力を持とうとしても、情報衛星を打ち上げ、装備を整え、部隊を編成して訓練をするには、多大な経費と時間を要する。実現するには最短でも5年後だろう。能力を持っても、ミサイルが移動式ならば、目標の補足が困難で意味がないという見方もある。だからといって、このオプションは放棄すべきではない。報復攻撃能力を指す「懲罰的抑止」と、ミサイル防衛などの「拒否的抑止」の両方を持って、初めて本当の抑止力となるのである。日本は現状、懲罰的抑止力を独自ではなく米国に頼りきっている状態だ。
 世界の軍事専門家は「防衛兵器に対する攻撃兵器の技術的な優位は当面続く」と分析している。迎撃よりも相手のミサイル数が多い「飽和攻撃」を受ければ対処できない点でも、ミサイル防衛は完璧ではない。守るも攻めるも不確実性があるが、報復攻撃の方は「当たるかもしれない」という恐怖心を相手に与えることはできる。私たちが北朝鮮のミサイルに持つ感情と同じだ。
 ただ、「敵基地攻撃」の検討は、今の国会を見る限り、建設的な議論ができるとは思えない。与党内でも公明党が壁になる。わざわざ、言挙げ(=議論を開陳)せず、粛々と能力保持を目指すべきではないだろうか。
 日本には北朝鮮だけでなく、もっと保有数が多い中国のミサイルも狙いを定めている。最近、迎撃が極めて困難な「極超音速滑空飛翔体」の開発を進めていると報じられた。成功すればミサイル防衛も役に立たなくなる可能性がある。もはや日本のスローペースでは防御も追い付かない。「喫緊の危機」を乗り切るには、米国が日本における懲罰的抑止を担う確実性を担保するしかない。
 そこで大切なのは、日本が技術的貢献をすることだ。軍事技術は現在、中国とロシアがリードしつつあるといわれる。
 米国は技術向上を図り、中露への優位性を保つべく「第3次相殺(オフセット)戦略」と称してブレーク・スルーを模索している。例えば、火薬ではなく電気を使って弾を加速し、数百発の連射が可能な「レールガン」や、レーザーでミサイルを無力化する兵器などの開発を急いでいる。
 「日本が技術で力を発揮することは十分に可能だ!」。そう意気込む関係者は少なくない。日本の得意分野を生かせれば日米の抑止力強化につながる。そのためには米国に対して、優位性を持てるレベルに高める必要がある。
 米国は研究開発予算の約50%を国防総省が管理しているが、防衛省は政府全体の4%程度でしかない。思い切った研究開発への投資が求められる。「産官学」の連携もいいが、つれない態度の「学」を追いかけるだけでなく、「産」の能力開花にも目を向けてもいいのではないか。(防衛問題研究家・桜林美佐、zakzak 2017.04.02

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