日本の離島が狙われる

日本の離島が狙われる

日本の離島が危ない。人口減少による過疎化や高齢化、産業の衰退…。近年では中国やロシアによる軍事的脅威にさらされ、韓国をはじめとする周辺国の土地買収など外資流入も目立つ。国境の島は今、どんな状況に置かれているのか。iRONNA編集部が長崎県・対馬より報告する。

対馬の危機を救えるか

  12月8日、本土よりも韓国の方が近い国境の島、対馬を訪れた。玄界灘に浮かび、九州と朝鮮半島に挟まれた対馬は、韓国まで直線距離でわずか49.5キロ。日本から訪れるよりもはるかに近いこの島は、わが国の戦略上重要な「チョークポイント」でもある。歴史をひもといても、対馬は蒙古襲来や日露戦争、朝鮮戦争など周辺国の脅威に度々さらされてきたが、近年では外国資本による土地の買収や仏像をはじめとする重要文化財の盗難が頻発。挙げ句の果てには「対馬返還運動」まで広がり、韓国による傍若無人ぶりが特に目立つ。対馬は大丈夫なのか。
 人口減による過疎化が深刻化する対馬にとって、韓国人旅行客による観光収入は島の産業にも欠かせない。
 現在、韓国・釜山と対馬を結ぶ主要海上交通であるフェリーを運営しているのは、日本の「JR九州高速船」と、韓国の「未来高速」と「大亜高速海運」の3社。島を観光する旅行客の大半が韓国のツアーを利用し、韓国人が経営するホテルに泊まる。海上自衛隊対馬防備隊本部に隣接した場所に建てられたことで物議を醸した韓国資本のホテル「対馬リゾート」や、大亜高速海運が経営する「対馬大亜ホテル」など、韓国人が経営する自国旅行者向けのホテルは近年勢いを増す。韓国人旅行客が利用する免税店も韓国資本で運営され、地元の日本企業が十分に恩恵を受けているとは言い難いという。
海上自衛隊対馬防備隊本部に隣接した場所にある「対馬リゾート」
 地元住民に話を聞くと、一部の韓国人による騒音や、ゴミの不法投棄などマナーに関する不満が多かったが、今のところ韓国人観光客との大きな衝突はみられない。「温泉で体を洗わずに湯船に入るマナーの悪い韓国人もいる。なるべく韓国人が来ない地元の温泉を利用するようにしている」。地元の60代男性はこうつぶやいた。地元住民の多くは不満を押し殺し、韓国人旅行者とは一線を引いているような印象を受けた。
 ただ、そんな対馬の住人にとって、怒りをあらわにする出来事もある。韓国人による二度にわたる仏像盗難事件だ。2012年10月、海神神社の「銅造如来立像」(国指定重要文化財)と観音寺の「観世音菩薩坐像」(県指定有形文化財)の2体が、韓国人窃盗団による盗難被害に遭った。それだけではない。今年11月には梅林寺の「誕生仏」と経典「大般若経」(ともに市指定有形文化財)が韓国人僧侶を含む5人の窃盗グループにより盗まれる事件も起きた。梅林寺の事件は、出国前に地元警察が5人の身柄を拘束し、韓国への持ち込みを未然に防ぐことができたが、12年に盗まれた文化財については、窃盗グループが韓国に持ち帰り、韓国の浮石寺が日本に返さないよう自国の裁判所に訴訟まで起こし、いまだ戻ってきていない。
取材中に遭遇した韓国人僧侶たち。来日の目的を尋ねると「ただの観光だ」と答えていたが・・・。
 観音寺前住職の田中節孝さんは「20数年前、観世音菩薩坐像が県の文化財になった後に、韓国の浮石寺の和尚が2~3人来て『うちの寺にゆかりがある仏像なので、返してくれ』と言ってきたことがあった」と証言。「盗んだのは窃盗団だといわれているが、今年の窃盗で逮捕されたうちの一人も僧侶だった。韓国の仏教界とのつながりまで勘ぐってしまう。こちらとしては署名運動や韓国の裁判所に書面を出すなどして、仏像の早期返却を求めている」と憤りを隠せない。
 韓国への不満が日に日に大きくなりつつある対馬だが、漁業が主要産業の対馬にとって韓国は貴重な輸出相手国でもある。日本では食す習慣がないが、韓国で人気の高い「ヌタウナギ」は対馬海峡での漁獲量が多く、その多くが韓国に輸出されている。対馬の水産物を取り扱う水産会社「ダイケー」の山田啓蔵社長によると、3年前の福島第一原発事故の影響で韓国側の規制が厳しくなり、「一旦緩和されたが、最近また規制が厳しくなって、きょうも検査が通らなかった」と表情を曇らせた。
 対馬は韓国とどう向き合うべきなのか。韓国との関係に危機感を募らせる対馬市議の作元義文氏は「特定国境離島保全振興法の早期制定を望んでいる」とした上で「自分たちの力だけではなんとかするのは正直難しい。ここ10年で6千~7千人の人口が減っており、今後も減少は続くだろう。いつか韓国の領土になってしまうのではないか。そんな危機感を持つ島民は年々増えている」と話す。
 難しいかじ取りを迫られる国境の離島。だが、これは決して対岸の火事ではない。対馬の危機はわが国全体の問題であることを改めて認識させられた気がした。(iRONNA編集部 川畑希望)

離島を守るにはこれしかない!

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外資の規制はなぜ難しいのか

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「特定国境離島保全振興法」とは


島内のインフラ整備で国庫負担を増額し、中小企業への振興策を通じて住民の流出を防ぐ。中国による海洋進出の動きもにらみ、自衛隊や海上保安庁といった機関を常設するよう促す努力義務も盛り込んでいる。


“侵食”する韓国

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日本の離島が狙われる

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    沖縄

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    小笠原諸島

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