日本の食卓から魚が消える
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日本の食卓から魚が消える

南極海調査捕鯨の敗訴に始まり、ニホンウナギの国際自然保護連合による絶滅危惧種指定、クロマグロも資源崩壊の危機を迎え、日本を取り巻く水産資源は厳しさを増している。日本の食卓から魚が消える日は来るのか。iRONNA編集部が現状をリポートする。

南極海調査捕鯨の敗訴に始まり、ニホンウナギの国際自然保護連合による絶滅危惧種指定、クロマグロも資源崩壊の危機を迎え、日本を取り巻く水産資源は厳しさを増している。日本の食卓から魚が消える日は来るのか。iRONNA編集部が現状をリポートする。

「食卓の主役」に異変

 札幌市中心部に近い市中央卸売市場は師走に入り、お歳暮の代名詞、新巻鮭を買い求める客でごった返し、一年で最もにぎわう。サケは近海ものが多いが、中にはロシアやカナダ産も並ぶ。新鮮な魚介類であふれ、にぎわいをみせる北海の「台所」だが、いま大きな異変が起きているという。
 「半年前に設定した歳末の贈答用サケの調達価格は高値予想をはるかに超えて大打撃だ」。水産物の仲卸や加工・販売を手がける「タカヒロ」社長の高岡浩行さんは危機感を募らせる。
 原因の一つは、世界を震撼させたウクライナ情勢。EUによるロシアへの経済制裁は、ノルウェーやチリ産の流通にも深刻な影響を与え、相場が一気に高騰した。
 高岡さんによると、道内で約10万本出荷する商品の利益率は5%減少したという。輸入物の扱いが多いわが国の水産業界にとっては、急激な円安も追い打ちとなり、価格は上昇の一途をたどる。
 今年は日本近海で異変が目立った。初夏のカツオが大不漁になる一方で、本来食文化のない北海道でブリが豊漁。海水温の上昇など海洋環境の変化が原因との見方が強いが、近海の異常事態は日本の食卓にも深刻な影を落とした。
 回転寿司で不動の人気を誇るサーモン(サケ・マス類)も、今年9月には最大手のマルハニチロが9年ぶりに缶詰価格を約10~30%引き上げた。総務省が公表している消費者物価指数でも昨秋から前年同月比で2ケタの伸びが続く。
 一部の漁業関係者は「中国に買い負けている」と、中間層を中心に消費が急増する中国需要が原因との見方を示すが、日本の漁業を取り巻く複合的なマイナス要因が重なった影響で日本人の主食である魚介類が食卓から消えつつある。
 アジアからのツアー客を中心に大勢の観光客で賑わう札幌市の海鮮市場。この店でもカニやホタテ、イクラなど北海道の海の幸が人気だ。道産のホタテも品質の良さを買われ、3年前から中国向けの輸出が急増しているという。
 すし文化が世界に広がり、北海道で獲れる海産物も注目を集めるようになった。だが、国内需要を上回る勢いで輸出が進む現状を危惧する漁業関係者は少なくない。むろん、高岡さんもその一人である。
 高岡さんは言う。「最近の急激な為替変動や世界情勢に関わりすぎている商いが多いため、自分を含めて来年からはどうなるのか不安でいっぱいです」。日本の漁業は先行きの見えない不安を抱えたまま、新たな年を迎えようとしている。(iRONNA編集部 松田穣)

何が起きているのか

ウクライナ情勢でロシアの鮭も…

 米欧の制裁に対する報復措置として、ロシアが広範な農水産品の輸入を禁止したことが庶民の食卓に響き始めた。通貨ルーブルの急落も重なり、多くの食品が高騰。中でも目立つのが魚で、行きつけのスーパーでは鮭(さけ)の切り身が夏場以降に100ルーブル(約245円)も値上がりした。西部の都市部で幅をきかせていた、ノルウェー産の魚が禁輸対象とされたことが大きい。

  ロシアは本来、オホーツク海やベーリング海という世界有数の好漁場を抱える漁業大国だ。だが、皮肉なことに、国内漁獲の7割を占める極東産の魚が、モスクワなど西部に向かうことはない。インフラが劣悪なために輸送が困難で、漁獲のほとんどは利ざやの大きい輸出に回される。 - [外信コラム/赤の広場で] 魚はどこに消える(産経ニュース 2014.11.18)

無頓着な中国、産地は…

ウナギとクロマグロは食べない方がよい? 

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