特に大阪府を分断する淀川にかかる新淀川大橋での混雑がひどかったようだが、大阪市中心部から府北部や阪神間に向かう帰宅困難者は淀川を渡らざるを得ないため、次の災害においても新淀川大橋に加え、十三大橋、淀川大橋、長柄橋などが災害時の帰宅のボトルネックとなる可能性が高い。橋の両端での流出入者の制御、滞留場所の確保などの対策が必要である。

 また、来阪外国人観光客は増加の一途をたどり、2017年には1111万人(大阪観光局)と大台を超えている。13年が263万人であったことを考えると、わずか4年で約4倍となっている。

 今回の地震は、時間帯が朝だったため観光客は宿泊施設などにいて、大きな混乱はなかったようだが、インバウンドの推進と並行して外国人観光客の災害対策を推進していかなければ、地震に慣れていない外国人が安心して観光を楽しむことができない。

 一方、モノの課題といえば尊い命を奪ったブロック塀の倒壊である。子供たちが過ごす学校施設の耐震化は順調に進んでいて、大阪府の公立小中学校の耐震化率は99・7%(2017年4月・文部科学省)に達し、さらに東日本大震災以降、体育館の吊り天井などの落下防止対策も進められ、大阪府の公立小中学校の対策率は78・6%(17年4月・文科省)に達している。

 しかしながら、主要構造部が耐震化されても学校施設全体の老朽化は進んでおり、東京都や大阪府の大都市圏は築30年以上の公立小中学校が面積換算で約7割(11年5月・文科省)に達し、全国平均の57・5%を上回る。

 筆者も防災教育などの際に小中高校を訪れるが、老朽化した校舎に驚くことがある。法令違反は言語道断であるが、あらゆるモノは時間の経過とともに劣化するのが常であり、管理者・使用者は適切に維持管理をすべきである。
地震のため校庭に避難した、大阪府池田市立池田小学校の児童ら=2018年6月18日
地震のため校庭に避難した、大阪府池田市立池田小学校の児童ら=2018年6月18日
 地震時でなくても校舎外壁の落下や手すりの損壊などの事故が発生し、ブロック塀を含む学校施設の附属物の安全対策はまだまだ不十分であり、ブロック塀に限らず早急な点検と補修が必要である。

 また、ブロック塀は大阪の住宅街では至る所に存在し、大阪が全国一の面積となる「地震時等に著しく危険な密集市街地(国土交通省)」の中の細街路でも多く見られる。道路両側の塀の高さが道路幅を上回るような道路を通行中に地震が発生すると、まさに「逃げ場がない」といった状況になることが容易に想像できる。

 そして、建物や塀の下敷きになった時、より大きな被害を受けるのは体重の軽い子供と高齢者というのが過去の災害でも明らかになっている。

 一般的な建築用空洞コンクリートブロックは1個あたり10キロ前後で大阪府高槻市の寿栄小学校では、8段分の壁が倒れたということなので、ブロック1個分の幅(約40センチ)でも約80キロになる。

 ブロック内部に充填されたモルタルを含めると、さらに重量は増え、今回倒壊した壁の幅は約40メートルなので総重量は8トン近くになる。また、本棚の下敷きとなって亡くなった方もいたが、本棚も相当重い。