2018年06月29日 9:45 公開

米東部メリーランド州アナポリスの新聞社「キャピタル・ガゼット」の社屋で28日午後、銃乱射事件が起き、少なくとも5人が死亡、3人が負傷した。

キャピタル・ガゼットの従業員によると容疑者は、ガラスのドア越しに編集部へと銃撃したという。アナポリスは、首都ワシントンのすぐ東にある。

同社のフィル・デイビス記者はツイッターに、「複数の人が撃たれる音を聞き、机の下に隠れた。それから、銃撃者が銃に弾を再び込める音を聞いた。恐怖以外の何物でもなかった」と投稿した。

警察は、容疑者の身柄を確保し、取り調べていると話した。メリーランド州在住の30代後半の白人男性という。

報道によると、容疑者は取り調べに対する協力を拒んでいる。また、警察消息筋がCBSニュースに語ったところでは、容疑者は指紋を「傷つけて」おり、人物特定の妨げになっているという。

調べによると、容疑者のバックパックには偽の手榴弾(しゅりゅうだん)や発煙弾も入っていた。警察は容疑者が「長銃」を使ったと述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

アナランデル郡警察のウィリアム・クランプ副署長は、「警察が爆発物と考えている」物を建物内で発見し、破棄したと発表した。

クランプ副署長はまた、建物に入居する他会社の従業員170人以上も、護衛され無事に建物の外へ出たとも付け加えた。

事件についてツイートしたデイビス記者は銃撃について、「戦争地帯のよう」だったと表現した。

デイビス記者は、まだ大勢が机の下に隠れていたときに、銃撃犯がいきなり発砲を止めたと説明した。「どうしてかはわからない。どうして撃つのをやめたのか」とデイビス氏は現地紙ボルティモア・サンに話した。

同社のダニエール・オール記者によると、編集室は狭く、「報道担当が約20人」と広告関係の社員が数人いたという。「みんな仲良しで、私たちは家族。心がボロボロです」とオール記者は話した。

複数の新聞を発行するキャピタル・ガゼットの編集者、ジミー・デバッツ氏は、「打ちひしがれ、胸が張り裂けそうだ。何も考えられない。情報提供やインタビューを求めないでくれ。私は話せる立場にない。キャピタル・ガゼット紙の記者や編集者は毎日、自分たちが持つ全てを捧げてくれていた。週40時間勤務で済むわけでも、たくさんの給料がもらえるわけでもなく、あったのはただ、地域しゃかい(原文はcommunityをcommuntyと誤字)から得た話を伝えようという情熱だけだった」とツイートした。

https://twitter.com/jd3217/status/1012442288767762432


アナランデル郡のスティーブ・シュー郡長は記者会見で、「今日の午後、ここで恐ろしい銃撃事件があった」と話した。

「事件で複数の死亡者が出た」

米連邦捜査局(FBI)や米アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局などの米当局も、銃撃現場に急行した。

ニューヨーク市警察(NYPD)は事件後、ニューヨーク市内や周辺のメディア企業に、予防措置として反テロリズム部隊を展開したと発表した。

メリーランド州のラリー・ホーガン知事はツイッターに、「アナポリスで起きたこの悲劇を知り、本当に打ちひしがれた。スティーブ・シュー郡長と連絡を取っており、メリーランド州警察は現場に到着し、アナランデル郡警察を支援している。あらゆる警告に注意し、事件発生地域からは離れて下さい。現場にいた人々、そして我々の地域社会に祈っている」と投稿した。

https://twitter.com/GovLarryHogan/status/1012420143027310593


民主党のクリス・バン・ホレン上院議員はデイビス氏のツイートに返信する形で、「フィル、あなたやキャピタル・ガゼットの全従業員が今経験していることは想像もつかない。ジャーナリストが編集部で仕事中に銃弾を避ける羽目になるなんてことがあってはならない。これは普通ではない。気を強く持って」と述べた。

https://twitter.com/ChrisVanHollen/status/1012432009594068997


ドナルド・トランプ米大統領は、銃撃について概要の報告を受けた上で、被害者やその家族に「思いと祈り」を捧げたとツイートした。

キャピタル・ガゼット・コミュニケーションズはボルティモア・サン・メディア・グループが所有する新聞社で、日刊紙「ザ・キャピタル」とそのウェブサイトを運営するほか、複数の地方紙を発行している。

(英語記事 Maryland shooting: Five killed in attack on US newspaper