しこたま竹島で写真をとった後、さいわい日本人であることも露見せず無事に鬱陵島に戻った私は、同島にあった「独島博物館」を見学、その足で韓国本土に渡り、当時オープンしたばかりのソウル市にある「独島体験館」も見学した。この二施設はいずれも韓国政府が国営で運営しているもので、韓国にある竹島関連施設の全てである。

 前者の「独島博物館」は鬱陵島の山間に建てられた堂々たる近代施設であり、ロープウェイを使って鬱陵島の岬から望遠鏡で竹島が展示できるよう、「”独島”展望台」が整備されている。「”独島”グッズ」を売る売店まで併設されている。

 一方、ソウルの「独島体験館」の方は、アニメーションCGやジオラマ、3D映画館、竹島切手や小地図の展示を併設した最新鋭の設備を誇り、現地の小中学生の学習見学コースに組み込まれていた。 他方日本は、前述のとおり「竹島の日」式典はもとより、竹島に関する施設は島根県庁の庁舎の中に申し訳程度に設置された「竹島資料室」しか存在しない。

 日本政府が本腰を入れれば、東京や大阪に、韓国に匹敵する「竹島学習館(領土記念館)」などを設置・運営することは造作も無いことだが、それをやる機運も計画も存在していない。

 私は韓国に行って、なによりも現政府の「やる気のなさ」を痛感し、そのことに怒りを覚えた。「竹島は不法占拠された~」などという、生ぬるいことを言っているようでは、「領土を放棄した」と捉えられても仕方がない。「竹島は韓国に併合されている」のが、正しい認識の出発点だろう。

 それなしには、「竹島を返せ」などの一見威勢のよい掛け声は、空疎空論の、徒手空拳の構えに等しい。現実を直視せず「不法占拠」などという言葉のニュアンスで濁したところで、竹島問題は微動だに前進しないだろう。

 だから私は以後、「韓国に不法占拠されている竹島」ではなく、「韓国に不法に併合されている状態」というニュアンスを強調するために、「不法占領」という表記を用いている。みなさんはいかが、お考えだろうか。

*筆者注
現在(過去においても)、日本人による韓国側からの竹島上陸は、自粛要請が出ておりますので、余りお勧めできません。またこの旅程の詳細は拙著「竹島に行ってみた」(2012年刊行)に詳述しております。