佐山一郎(作家)

 ポーランド代表チームとの対戦歴がある元日本代表選手は、すでに30人近くいた。

 初対戦は96年2月19日。カールスバーグカップの初戦として香港で行われ、結果は5-0。ゴールスコアラーは、MF山口素弘、FW高木琢也、DF小村徳男、FW三浦知良。現在、J1、V・ファーレン長崎の監督を務める高木は2ゴールを挙げている。加茂周監督&岡田武史コーチ時代の快勝で、現日本代表コーチと東京五輪監督を兼ねる森保一もMFで先発していた。

 両国は6年後の2002年3月27日に再びポルトガル・ウッジで対戦、日本はそこでも2-0の快勝を収めている。得点者はMF中田英寿とFW高原直泰。この試合ではとりわけ中田英寿の奮闘が光った。日韓共催ワールドカップを目前に控えた双方がFIFAランキング30位台の頃で、GKは2試合とも川口能活だった。

 わずか2戦とはいえ、イタリアを苦手としてきたドイツのように、日本はポーランドとの相性がいいはずだった。

 この間、西野朗・現日本代表監督は、Jクラブでの監督歴をスタートさせている。柏レイソル時代の2000年には、45歳でJリーグ最優秀監督に選ばれ、翌2001年には初の解任も体験している。

 ショーアップの極限に挑む今のワールドカップ特番では語られることもない昔話だが、ポーランドとの相性の良さを支えに比較的自信を持って1次リーグ最終戦を見ていられた。ただしそれは、後半14分までのこと。最悪のシナリオは、敗色濃厚な日本を意識したコロンビアとセネガルが、終盤、引き分け狙いのパス回しを始めることだった。その場合は、コロンビアが1位でセネガルが2位突破という痛恨事になるところだった。

 1次リーグのコロンビア・サポーターだらけの初戦は、事実上の敵地状態だった。日本代表は歴代0勝1分け2敗な上に、対アルゼンチン(0-1/98年フランス大会)、ブラジル(1-4/06年ドイツ大会)、コロンビア(1-4/14年ブラジル大会)と、南米勢にW杯未勝利3連敗の現実。しかもコロンビアとの初対戦は、2003年と古くはなく、3戦してわずか1ゴール。国民レベルで悲観し、デリケートになるのも無理はなかった。
サッカーW杯ロシア大会、日本代表は19日の試合でコロンビアを破り白星発進した(甘利慈撮影)
サッカーW杯ロシア大会、日本代表は19日の試合でコロンビアを破り白星発進した(甘利慈撮影)
 「サランスクの奇跡」と言われたコロンビア戦の先制ゴールは、FW大迫勇也のシュートから生まれている。GKダビド・オスピナのボールを拾ったMF香川真司のシュートが、経験豊富なはずの中盤の防波堤、MFカルロス・サンチェスの右腕に当たりPK獲得。サンチェスは意図的なハンドで得点機会を阻止したとして退場を命じられる。開始2分56秒の出来事だった。