世の中は自分にとって気に食わない意見で溢れている。

 それは当たり前のことだ。安倍晋三支持派と反アベ派は経済政策でも外交実績でも絶対に意見の一致を見ない。家を買った人間と、賃貸住宅居住を貫く人間でもどちらが一生を考えたら得か、という点では理解し合えることはない。あくまでも自分が支持する側、そして自分が選択したものを支持せざるを得ない。これが人間の性である。

 冒頭の「働き方」について同社社員の意見が気に食わない人がいるのは分かる。じゃあ、この社員を解雇にまで持っていくことに何の意味があるのか。

 実際問題として、何の意味もないのである。義憤に駆られて世直しをしているつもりになるのかもしれないが、意見の合わない人間などウジャウジャ世の中にいる。というか、好意を持たない人間の方が世の中には圧倒的に多いわけで、そんな人間の意見が安易に自分の目に入ってしまう時点でネットというものは罪作りだ。頭から湯気を出している人間には「お前はネット断ちしろ」と助言をしたい。余計な意見など目にしない方があなたのためになる。

 ただ、こうした通報扇動家は、相手に背負うべき組織がない場合は滅法弱い。その発言をした人間個人と議論すれば負けるから、所属する組織に対して恫喝をする。
※画像はイメージです(iStock)
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 だからこそ企業も「言論の自由はありますし、成績を出しているだけに……。本人に直接文句言ってください」と対応すべきなのだ。それこそ成熟した社会のありようだ。過激発言であろうとも、明らかな差別発言ではない場合は、いちいち組織と個人を紐づける必要はない。