ゴールが遠いウルグアイは、後半14分に2枚替えを行い、ギアを入れようとする。その直後の後半16分だった。フランスは中盤でMFポール・ポグバがボールを奪い、カウンターへ。テンポ良くつないだボールがグリーズマンに渡り、左足でブレ球のミドルシュート。相手の勢いをそぐ形で2-0と突き放した。

 さて。問題の2-0である。なぜ、フランスはこの2-0をキープできたのか?

 理由の一つは、ポゼッション能力だ。フランスのボール支配率は全体で58%と、前後半を通じて高い数字をキープした。日本がベルギーに対して、支配率で44%と下回ったのとは状況が違う。フランスは敵陣へボールを運んだ後も、無理にシュートまで行かず、落ち着けるようにパスを回していた。

 二つめの理由は、後半22分に見られた。ボールを受けようとしたエムバペの足先が、相手選手とソフトに当たったとき、痛がって転んだ。あまりにも大げさに感じたウルグアイの選手たちは激高し、詰め寄る。両チームが入り乱れ、乱闘寸前になった。ここで2分の時間が消費されている。

 もちろん、この2分はアディショナルタイムに加算されるのだが、相手の勢いや雰囲気をそぐ意味では大きい。身体を休め、もう一度守備の強度を高められる。全く褒められるものではないが、このような行為はゲームコントロール上、有意であるのも確かだ。日本はそれをやらないので、ちょっと損はしている。

 そして三つ目の理由は、監督の采配だ。後半35分、フランスは197センチのMFスティーブン・ヌゾンジを投入し、アンカーに据えた。試合の終盤にパワープレーを仕掛けてくるであろう相手に対し、空中戦の強さを保証している。それに伴い、小兵のボールハンター、MFエンゴロ・カンテを左サイドへ出し、クロスやパスの出どころにプレッシャーをかけさせた。役割分担は完璧だ。
ウルグアイ戦の後半、激しいチャージを受け、倒れるフランスのエムバペ=ニジニーノブゴロド(共同)
ウルグアイ戦の後半、激しいチャージを受け、倒れるフランスのエムバペ=ニジニーノブゴロド(共同)
 この采配がピタリとはまった。ウルグアイは後半の残り30分で、ゴールの匂いを感じさせる攻撃がほとんどなかった。フランスにとって、2-0は安全なスコアだったのである。

 日本もこのような試合運びができないものか。そもそもゴール前の守備力、ポゼッション力で差がある上に、采配でも後れを取っていては厳しい。

 もちろん、長身で足元の技術も確かなヌゾンジのような選手は、日本がたやすく得られるものではないが、W杯がこのような駆け引きになることを見越し、4年の間に準備することは可能だろう。例えば、比較的背の高いセンターバックの選手を、中盤のアンカーにコンバートして起用し、チームのオプションとして持っておく。W杯は何を要求してくるのか。それを知った上で、準備するのだ。

 ベスト8を目指す上で、日本がやるべきことはたくさん残されている。それをフランスは教えてくれた。まだ、W杯は終わっていないのだ。このハイレベルな試合の数々に、未来を見ようではないか。