「釣魚島も見えますかー?」

 ガイドは苦笑いして「釣魚島は見えません。あと、こういう話は話題にしたくありません」と言い、会話を断ち切った。即座に釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)を連想する発想がすごい。

 ガイドの説明が続く。

「沖縄は1879年まで琉球王国という国家が存在しましたが、日本政府によって滅亡させられました。琉球という名前は、もともと中国が名付けたものです」

 説明を聞いていると、沖縄と日本本土の違いを強調する話が多いことに気づく。

「沖縄の人は日本人とは人種が異なります。大和民族は顔が真っ平らで鼻が低く、目が細いのが特徴ですが、沖縄の人はそうではありません。目鼻立ちがはっきりしていて、台湾の原住民とよく似ています」

沖縄の世界遺産・今帰仁城跡
「漢字は唐の時代に日本に伝わりましたが、日本人は舌が短いので中国語の発音ができない。そのため日本語の音を当てたのです」

 舌が短いとか顔が真っ平らとか、日本人が聞いてないと思って言いたい放題である。そして、最後はこう断言した。

「沖縄の文化は50%が中国、40%が日本、10%がアメリカです」

 文化的には、沖縄は日本よりも中国に近いというのだ。事実かどうかはともかく、これが中国人の頭のなかにある沖縄像ということだろう。

●にしたに ただす/1981年、神奈川県生まれ。早稲田大学卒。地方紙記者を経てフリー。著書に『ルポ 中国「潜入バイト」日記』(小学館新書)、『この手紙、とどけ!』(小学館)、『中国人は雑巾と布巾の区別ができない』(宝島社新書)などがある。

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