下地幹郎(衆院議員)

 「日米同盟」「日米安保条約」「日米地位協定」「米軍」「自衛隊」この5つの安全保障を支えるファクターについて、沖縄県民と他府県の人々とは大きな違いがあることを認識した上で、沖縄の政治は考えなければなりません。

 翁長雄志知事は4年前、沖縄の政治史上初めて保革の対立でもなく、単純な保守の分裂でもない構図で政治に化学反応を起こし、知事の座を勝ち取りました。翁長知事の誕生で、沖縄県民は「保守・革新」ではない「新しい沖縄県政が始まる」という大きな期待を持ちました。あれから3年8カ月、翁長県政を検証することで、11月の沖縄県知事選を予測することができると思います。

 翁長知事を取り巻く政治環境には8つの流れが存在し、それぞれが立場や新しい考え方の下に、支援と対立を繰り広げています。翁長知事を支援する「オール沖縄」「革新共闘」「翁長支援保守連合」、また反翁長の立場から「自公連合」「経済界」があり、中立的な立場で「中道的翁長支持無党派層」「中道的翁長反対無党派層」、そして前回の知事選挙でどちらにも与しなかった「日本維新の会」、この8つがどう意思表示をするかで、知事選挙の流れが決まることになると思います。

 しかし、7月を迎えた現在、翁長知事は出馬表明せず、後継を出す決断もせず、自民党と公明党は候補者が決まらず、無所属の保守系候補を抑えることもできず、混迷の色は深まるばかりです。
 
 今回の知事選挙の最大の争点は、4年前と全く同じ「米軍普天間飛行場の辺野古移設に賛成か、反対か」であることは否定できません。今年2月の名護市長選挙において、保守系候補は「裁判所の判断に従う」という公約で済みましたが、知事選挙ではそのような曖昧(あいまい)な公約では立候補すべきではないし、支援する方々に明確にした後、判断を求めるべきです。

 翁長知事を支える「オール沖縄・革新勢力」は、翁長知事が政策的にブレず、さらに自民党沖縄県連の幹事長を務めたという立場を超越し、辺野古賛成か反対かのワンイシューにこだわらず、在沖米軍基地すべての存在に疑問を抱き、在沖海兵隊の存在意義がないという方向に舵(かじ)を切ったことに対して厚い信頼を置いています。

 また、経済界も沖縄経済が稀に見る好景気であり、「政府と対立すれば沖縄経済は成長しない」というジンクスが崩壊したことで、経済界の無関心層は4年前より増え、そのことは翁長知事にとってマイナス要因とはなりません。
日本維新の会国会議員団政調会長の下地幹郎氏
日本維新の会国会議員団政調会長の下地幹郎氏
 翁長知事を支持しない勢力は、翁長知事に対して、新しい政治をつくるという看板の下にスタートしたものの、結果的に辺野古移設の工事を止めることはできず、米軍基地負担軽減の流れをつくることができなかったと評価しています。「反翁長」の経済界グループは、政府と一体となって政策をつくれば、今の好景気を上回る経済を作ることができると主張しています。

 このように2つの「親翁長」「反翁長」の主張は、4年前に化学反応を起こした「保守でもない」「革新でもない」「単純な保守の分裂でもない」といったものとはまるで別の、ただの「保守VS革新」という戦いの状況を生みつつあります。