前述の通り、病気療養中の翁長知事の知事選に臨む姿勢は、現在明らかにされていないが、翁長知事が立つにせよ翁長知事の後継者(目下、謝花喜一郎副知事などの名が挙がる)が立つにせよ、次期沖縄振興計画の改善や見直しを掲げる可能性は小さく、これまで通り「辺野古反対か容認か」のワンイシューで選挙戦を戦うことが予想される。

 というより、前回知事選で翁長県政を誕生させた「オール沖縄」自体が、「辺野古反対」という一点においてのみ共闘する組織なので、彼らから辺野古を差し引いたら何も残らない。

 おまけに「オール沖縄」からは、経済・経営に通じた保守派がすでに離脱して組織的にも大幅に弱体化しているため、第6次沖縄振興計画や沖縄の未来について構想する力など皆無である。2月に行われた名護市長選以降、県民の「辺野古離れ」「辺野古疲れ」があらわになっており、米軍基地の有無やその増減を争点にするだけで県民の心をつかむのは極めて難しい情勢だ。

 したがって、現段階ではどちらかと言えば反翁長陣営に分がある。だからといって、彼らが「基地と補助金との間で揺れ動く島」から脱却できる知事候補を選ぶことができるかどうかは未知数だ。

 自民党沖縄県連は、3月に知事選の候補者選考委員会を立ち上げ、当初の会合で名の挙がった15人程度の候補者を5月中に4人程度までに絞り込み、6月には最終候補を指名する方針だったが、6月末の時点で合意形成には至らなかった。

 候補は、高良倉吉元副知事、川上好久元副知事、安里繁信シンバネットワーク代表、佐喜眞淳宜野湾市長の4人に絞り込まれていたが、安里氏以外は立候補に積極的でなかったという。にもかかわらず、一部の県連幹部が「佐喜眞淳宜野湾市長が最有力」と発言したと伝えられ、ちょっとした混乱が生じてしまった。
 
沖縄県宜野湾市の佐喜真淳市長(左)から要請書を受け取る福井照・沖縄北方相=2018年3月4日、宜野湾市役所
沖縄県宜野湾市の佐喜真淳市長(左)から要請書を受け取る福井照・沖縄北方相=2018年3月4日、宜野湾市役所
 ところが、「佐喜眞氏最有力」と報道されたことで、関係者に大きな不信感を抱かせてしまったのである。発言した幹部に近い筋からは、「自民党本部、官邸、業界団体、公明党、日本維新の会との調整の上決まったことをリークしただけ」という声が聞こえてきたが、他方で「県政への影響力を保持したい仲井眞前知事などの意向を反映した発言で、選考委員会を軽視する行為」という批判も起こった。 

 特に強く反発したのは、立候補に強い意欲を示してきたにもかかわらず、最終選考の4名に残らなかった古謝景春前南城市長だ(1月の市長選で落選)。古謝氏は、選考委員会の決定を待たずに、7月1日、知事選への立候補を正式に表明した。