イングランドの慢心は否めない。2点目を取って試合をクローズできなかった。逆に、クロアチアは前半のミドルゾーンで構える守備から、後半はハイプレスに転じた。どこにそんな体力が残っているのか…。

 感動すら覚えるクロアチアの粘りの前に、すでにこれまでの健闘でお祭りムードになっていたイングランドは防戦一方だ。これでは、慢心以外のキーワードが浮かばない。

 あれは延長に入ったころだったか。クロアチアは、モドリッチがボールを懸命に追いかけた後、ピッチに崩れ落ちるように座り込んでしまった。

 そりゃそうだ。もう身体の限界だ…と思った瞬間だった。そこへ走ってきたブルサリコが、モドリッチを後ろから抱え込み、自力で立つことができない主将を持ち上げ、スッと立たせた。そして、ぽん、ぽんと背中をたたくと、自分のポジションへ走り去った。あのときブワッと湧いた感動を、生涯忘れることはできないだろう。

 そして延長後半、マンジュキッチが逆転ゴールを挙げた。不屈のクロアチア。結束のクロアチア。真のブラボーは、君たちだった。

 120分、120分、120分。決勝トーナメントで360分を戦い抜いたクロアチア。まさに史上最長のファイナリストである。
イングランドを破って初の決勝進出を決め、大喜びするクロアチアのモドリッチら=モスクワ(共同)
イングランドを破って初の決勝進出を決め、大喜びするクロアチアのモドリッチら=モスクワ(共同)
 一方、90分、90分、90分。アルゼンチン、ウルグアイ、ベルギーと、決勝トーナメントで対戦した強豪を、すべて90分でなぎ倒し、盤石の強さで勝ち上がったのがフランスである。パフォーマンスと安定感は、今大会最強と言ってもいい。

「最強vs最長」のファイナル。果たして、その結果は?