失礼ながら、大方の見方を覆す健闘となった西野ジャパン。もちろん、日本中がお祭りムードになって当然の躍進なのだが、まずは「貶してごめんなさい」があってからの話ではないだろうか。本誌・週刊ポストも6月11日発売号では〈期待感ゼロ〉〈W杯開幕を目前に、ここまで日本代表への期待が高まらないことも珍しい〉などと書いてしまった。素直に謝るしかない。そこで、事前予想で西野ジャパンを酷評していた人たちに「本誌と一緒に謝りませんか」と呼びかけてみた。

 まずは2006年ドイツW杯の時のエース・高原直泰氏だ。6月10日放送の『ジャンクSPORTS 3時間スペシャル』(フジテレビ系)に出演し、小野伸二氏が「2勝1分」、稲本潤一氏が「1勝2分」といった具合に元代表選手たちが1次リーグの結果予想を述べるなかで、ただ一人「3戦全敗」を予想。「現実問題、これはあり得る」と力説していた。

 まさかの快進撃を受け、どう答えるのか。高原氏が代表を務める沖縄SVに取材を申し込むと、広報担当がこう回答した。

「取材依頼はたくさんいただいていますが、チーム(沖縄SV)にとって重要な試合が続くので、W杯関連の取材は一切お断わりしています。予想が外れたことですか? 高原も日本が勝ったことをすごく喜んでいます。負けてほしいという意味でいったのではなく、“それぐらい厳しい相手でレベルが高い”ということがいいたかったわけですから。反省や謝罪というより、むしろ外れて一番喜んでいるのが高原ですよ」

 何だか言い逃れのようにも聞こえるが、本誌もまったく同じ気持ちである。
試合後、MF長谷部誠(右)をねぎらう西野朗監督=2018年7月2日、ロシアのロストフ・アリーナ(甘利慈撮影)
試合後、MF長谷部誠(右)をねぎらう西野朗監督=2018年7月2日、ロシアのロストフ・アリーナ(甘利慈撮影)
 戦前に酷評予想をしていたコメンテーター陣のなかには、テレビなどで“謝罪”に追い込まれた人も少なくないが、その表情は暗くはない。高原氏と同様に、「日本は3戦全敗の可能性が高い」とテレビでコメントしていた中西哲生氏は、コロンビア戦後に『サンデーモーニング』(TBS系、6月24日放送)で「ボクに対して『喝』を……」とコメントして笑いを誘った。

 本誌で、「一次リーグを突破できる可能性は10%以下」とコメントしていたサッカージャーナリスト・財徳健治氏は、「西野ジャパンに総懺悔だな」と苦笑しながら、こう答えた。

「悪ければ3戦全敗と言っていたので、参ったなぁというのが素直な感想(笑い)。ただ、こういう例は色んな国であるわけです。1998年のフランス大会では、大会前、地元のフランス代表の評判が最悪だった。特にスポーツ紙『レキップ』はエメ・ジャケ監督を徹底的に叩いていたが、チームが予想外の優勝を果たすと、翌日の一面で『ジャケ、ごめんなさい』と大見出しを打った。だから、みんな潔く謝っていいと思う。

 とにかく今大会は本田圭佑(32、パチューカ)、香川真司(29、ドルトムント)、そして岡崎慎司(32、レスター)の“ビッグ3”の働くべき場所が、西野采配ではっきりとし、それでチームが一丸になったのが大きかったと思う」

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