2018年07月18日 15:40 公開

ローランド・ヒューズ、BBCニュース

ドナルド・トランプ米大統領とウラジーミル・プーチン露大統領の間の関係は複雑だ。2人の動向を逐一追ってきた我々もよく分かっている。

2016年の米大統領選へのロシアの介入疑惑とその捜査や調査が進むなか、米露首脳の関係が注目を集めている。

しかし理解しなければならないことがたくさんある。そこで、このテーマを説明する主要素を集めた。少なくともかなりの部分を。

動画でおさらい

トランプ氏が勝利した大統領選にどのようにロシアが関わっていたのか、そこにトランプ陣営が関わっていたのか、さまざまな捜査・調査が行われている。最も大掛かりなものは、ロバート・ムラー特別検察官による捜査だ。

BBCでは昨年、ラジニ・バイディヤナザン記者がこれらの捜査・調査について説明している。

注目すべき数字

これまでにこの疑惑をめぐってムラー特別検察官に起訴されたロシア人は25人。うち13人が選挙結果を操作しようとした疑いを、残る12人が民主党陣営の電子メールのハッキング疑惑をかけられている。

最初の起訴は2018年2月に発表された。疑惑は以下の通り。

  • 米国民を装い、ソーシャルメディアに政治的なメッセージを投稿した
  • 政治広告にひと月当たり何千ドルも費やした
  • 米国内で開かれた政治集会を組織・動員した
  • トランプ氏の対立候補だったヒラリー・クリントン氏を批判する情報を拡散した
  • フェイスブックやインスタグラムで、政治的な議論の火種となる問題についてのグループを立ち上げた
  • クリントン氏が囚人服で捕らえられている様子を俳優に演じさせるためのおりに出資した

問題となった発言

「協力も犯罪もなかったのだから、ムラーの捜査は開始されるべきじゃなかった(中略)魔女狩りだ!」

トランプ大統領は繰り返し、大統領選に勝つために自陣営とロシアが協力した事実はないと述べている。

これまで、ムラー特別検察官事務所がこれに関する証拠を公表したことはない。トランプ氏の側近だったマイケル・フリン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が問われた罪は連邦捜査局(FBI)への虚偽の供述だし、ポール・マナフォート元選対本部長の場合は詐欺やマネー・ロンダリング、違法なロビー活動だ。

米下院情報委員会の共和党議員たちは3月、トランプ氏の陣営とロシアが結託した証拠は見つからなかったと結論し、調査の打ち切りを発表したが、これから共謀をめぐる起訴がないというわけではない。ムラー氏の捜査は続いており、いつ、どのように終わるのかは全く分からない。

象徴的な写真

この写真は7月16日、フィンランド・ヘルシンキで行われたトランプ氏とプーチン氏の初の首脳会談で撮影された。(トランプ氏に言わせれば、2人はこれまでに「2.5回」会っている。)

会談は、ムラー特別検察官がロシアの情報当局者12人を民主党陣営の電子メールのハッキング疑惑で起訴した3日後に行われた。

共同記者会見でトランプ大統領は、プーチン大統領が米大統領選への関与を否定していることを疑問視する「どんな理由も」見当たらないと述べた。

この発言には共和党の主要議員も批判の声を上げており、バラク・オバマ前大統領の下で中央情報局(CIA)長官だったジョン・ブレナン氏は、トランプ氏は「国家反逆罪に値する」と非難した。

トランプ大統領の傾向

トランプ氏は以前からプーチン大統領に会いたがっていた。2017年1月に就任して以来、トランプ氏はフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領から北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長まで、多くの独裁的な国家元首を称賛してきた。

大統領選では、トランプ氏はプーチン氏が「ロシアを見事にコントロールしている」と述べ、同氏と仲良くなれると発言していた。今年6月に歴史的な首脳会談を果たした金委員長についても同様のコメントを残している。

トランプ大統領はまた、プーチン氏との親密さをバラク・オバマ前政権からの改善と表現している。首脳会談前、トランプ氏は「米露関係がこんなに悪かったことはなかった」とツイート。会談後には「それは変わった。4時間くらい前に」と話した。

渦中の人物

彼はクリストファー・スティール氏。ロシア当局がトランプ氏について決定的に不利な材料を入手しているという調査報告書、いわゆる「スティール文書」の著者だ。

スティール氏は英国情報部(MI6)の元職員で、当初はトランプ氏を大統領選の候補にしたくない共和党員に雇われていた。

トランプ氏が共和党の大統領候補となった後、スティール氏の調査は民主党が支援することになった。スティール氏は自身が得た結論が懸念を頂くような内容だったため、情報をFBIに提供した。

「スティール文書」には、トランプ氏がモスクワで複数の売春婦と一緒にいるところを撮影されたという主張が含まれている。この発言は事実確認が取れておらず、トランプ氏とロシア政府も否定している。

ただBBCの取材では、ワシントンにいたロシア外交官が実はスパイだったというスティール氏の主張については、米当局は確認できていることが明らかになっている。

(英語記事 Trump-Putin: Your toolkit to help understand the story