しかし、果たしてこの名勝負を、日本でどのくらいの方が視聴したのだろうか。NHKの生中継の平均視聴率は約15%だったようだが、iRONNA編集部からは、日本が敗退した決勝トーナメント・ラウンド16以降、スケジュールの空きもあってか、急速に熱が冷めた様子だったとも聞いている。

 個人的には特に意外ではない。いつもそんなものだ。日本代表が敗退すれば、サーッと潮が引く。それは今に始まったことではない。一般層はサッカーに興味があるのではなく、日本に興味があるだけだ。

 どうしようもない部分もあるが、どうにかできる部分で言うなら、原因の一つは地上波テレビだろう。私は現地ロシアにいたので、日本のテレビは見ていないが、見た人の感想から推察するに、日本代表を芸能人のように持ち上げたり、あるいは家族やプライベートなど、サッカーとは関係のないことばかりを放送しているのだろう。だから、その対象がなくなった瞬間、「サッカーの大会」から興味が失われるのは当然だ。サッカーに限ったことでもない。

 地上波はいつも視聴者ターゲットを、異常なほど低い位置に設定している。なぜそこまで視聴者を小バカにするのか、個人的には理解しかねるが、残念ながらいつものことである。

 「お年寄りにも分かるように」と一つ覚えのように聞くが、地上波の「バカ騒ぎ番組」が始まると、うちの実家のお年寄りは大体チャンネルを変える。もはや、こう作らなきゃいけない、という思い込みや強迫観念のようなものではないか。

 どうせなら、日本サッカー協会(JFA)や国際サッカー連盟(FIFA)が規制に乗り出し、放送の『フェアプレーポイント』を作って、「サッカー」を取り上げた放送局に、優先的に放映権を売る仕組みを作ってはどうか。

 あるいは解説者もパフォーマンスベースで評価させる。せっかくテレビのリモコンには「dボタン」があるのだから、これを使って投票すればいい。そうやってサッカー人気に寄与する解説者と、役に立たない解説者に切り分ければいい。
準決勝のフランス-ベルギー戦の視察に訪れた日本サッカー協会の田嶋幸三会長(中井誠撮影)
準決勝のフランス-ベルギー戦の視察に訪れた日本サッカー協会の田嶋幸三会長(中井誠撮影)
 そんなことを、JFAの主導で提案してはどうか。もっとも、そのサッカー協会に所属している解説者ほど実際には人気がなく、パフォーマンスの悪い人ばかりなのだが…。