2018年07月19日 17:00 公開

エジプト議会は15日、ソーシャルメディアでフォロワー数の多い個人アカウントを報道機関として扱い、報道規正法の対象にするという法案を可決した。議会のこの動きは、政府批判を封じることになると反発も強い。

新法の下では、5000人以上のフォロワーがいるフェイスブックやツイッターなどソーシャルメディアの個人アカウントやブログは、「メディア」として扱われ、エジプト政府のメディア規制当局の監督対象になる。議員の3分の2が賛成した。

新法はさらに、ウエブサイトをブロックしたり、「違法行為を扇動」したり「個人や宗教を侮蔑」したとされるオンライン・プラットフォームや個人を告訴する権限を、メディア管理委員会に与えた。

表現の自由や政府批判を取り締まる政府権限の強化につながると、批判する声も強い。

ただし、AFP通信によると、報道関係者の公判前勾留を可能するはずの条項は、報道団体の圧力によって修正された。

エジプトではこのところ、複数の反政府活動家がソーシャルメディアで「フェイクニュース」を広めたとして逮捕されている。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのナジア・ブナイム中東・北アフリカ地域担当副部長は今月初め、新法を批判する声明を発表。「エジプトはただでさえ、メディアと報道にとって世界で有数の抑圧的環境だ。そこにあって(新法は)大量検閲を合法化し、表現の自由に対する取締りを一気に強化する」と批判した。

エジプトでは2013年に軍部が、エジプト初の民主選挙で選ばれたモハメド・モル大統領を政権から追いやって以来、数万人が拘束されている。

15日には人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが、活動家や報道関係者の取り締まりにエジプト政府が対テロ法を利用していることを非難した。

エジプトでは2015年に成立した対テロ法のもと、テロ事件について政府の公式声明と異なる情報を出版したり広めたりすることは、犯罪になった。

非政府組織「国境なき記者団」は、各国の報道の自由ランキングで世界180カ国のうちエジプトを161位に位置づけ、「ジャーナリストにとって世界有数の大監獄」と呼んでいる。

今月初めには、エジプトにおける性的嫌がらせについてフェイスブックにビデオを投稿し、エジプト人を中傷する表現を使ったレバノン人女性が、エジプト人を侮辱したとして逮捕され、禁錮8年の実刑判決を受けた。

(英語記事 Egypt to regulate popular social media users