北朝鮮が延坪島に突然砲撃を浴びせ、犠牲者を出したのは2010年11月23日。米韓軍がNLの南側海域で実施する射撃訓練はいつもある通常の軍事訓練であったが、それを口実に北朝鮮は砲撃し、軍人2人に加え、民間人も死亡した。事件から3周年を迎える日に行われたミサでの発言だった。

 韓国国防部は「これは明白な侵略行為であり反人倫的な行為」と断じたが、司祭団のミサでは北朝鮮を擁護したのである。

 このような司祭団と同じく、事あるたびに集会を開き、デモを主導、政府に要求を突き付けるための「時局宣言」を行うなど、存在感を誇示する方法で政治勢力化を図り、政党と連携する宗教団体は韓国には多い。

 国民の大半が特定宗教を持つ韓国では、国政選挙と大統領選挙に宗教団体の支持は勝負を分ける場合もある。韓国統計庁が実施した調査によれば、韓国人の宗教分布は、おおよそ仏教が22%、プロテスタントが18%、カトリックが11%(年度によって異なる)となっている。

 朴槿恵氏が大統領に当選した2012年の選挙を前に、韓国紙「ヘラルド経済」が19歳以上の男女を対象に行った質問調査では、「仏教は朴槿恵候補、基督教(改新教、プロテスタント)は朴槿恵支持者がやや多く、カトリック、無宗教は野党候補(当時は民主党の文在寅氏)を支持する傾向がみられた」としている。
ソウルで行われた、朴槿恵大統領退陣を求めるデモ=2017年12月
ソウルで行われた、朴槿恵大統領退陣を求めるデモ=2017年12月
 韓国の専門家は「このような性向から仏教は保守派、プロテスタントは中途・保守、カトリックおよび無宗教層は進歩・左派に分類することができる」と分析する。

 ちなみに、文在寅大統領はカトリック信者だ。小学校3年の時から聖堂に通い、洗礼を受けたという。2017年5月に実施された大統領選挙ではカトリック信者の46・6%、プロテスタントの39・3%が文在寅氏に投票したとされる。