2018年07月26日 12:15 公開

暑く乾燥した気候が続く英国で、27日までに史上最高気温が更新される可能性がある。

イングランド南部、東部、中部で最高気温37度との予想が出ているが、英気象庁は「全ての条件がそろった場合」、2003年8月に南東部ケントで観測された38.5度を上回る可能性があるとしている。

一方、イングランドのその他の地域では27日に雷雨とひょうが予想されており、鉄砲水の危険性もある。一部の地域では1時間に30ミリ、3時間に60ミリの雨が降る見込み。

バーベキューは避けて

さらに消防当局は、乾燥した地域では、バーベキューなどの野外活動で火事につながるような「不注意で無遠慮な」行動を慎むよう呼びかけている。

ロンドンでは火が草などに燃え移る火事が多発し、消防隊はすでに2017年通年の6倍の頻度で出動している。

ロンドン消防隊のトム・ジョージ副本部長は、消防隊員は「市民に注意を呼びかけるのにうんざりしている」と話した。

英国各地の消防当局も同様に、地面が乾燥している際にはたばこやガラス瓶、バーベキューやキャンプファイアによる火事の危険性があると警告している。

各地の教会が、暑さしのぎに教会内に来て涼むよう呼びかけている。イングランド北部ヨークのヨーク大聖堂は、太陽を避ける場所として大聖堂は「ぴったり」だとツイッターに書き込んだ。

インドのチームも試合短縮

この天候には、インドのクリケット・チームすらも耐えられなかった。イングランドとの対戦前に行われたエセックスのチームとの親善試合は、暑さへの懸念から1日短縮された(クリケットの国際試合では最大5日間をかけて勝敗が決まる)。

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ロンドン地下鉄(TfL)は、市内中心部を走るセントラル線に冷房が入るのは2030年だと発表した。地下鉄を利用する汗だくのロンドン市民には、少しの慰めにもならなかった。

ポール・ヘッジさんはツイッターに、「じゃあ悪くないね! あとたった11年半だ」と皮肉を書いた。

リチャード・ラーテイさんは、サッカー・ワールドカップ(W杯)の際に流行した「サッカーが祖国に帰ってくる」にかけて、「セントラル線のエアコンとサッカー、どっちが先に祖国に帰ってくると思う?」とツイートした。

https://twitter.com/giloi/status/1021878056988946432

地上を走る鉄道の一部も、線路がゆがんで脱線事故が起きるのを防ぐため、徐行運転を余儀なくされた。

ロンドンとオックスフォードを結ぶチルターン鉄道は27日まで、正午から午後6時までのダイヤを変更している。

病院にも影響

病院も、猛暑の影響を受けている。

王立看護協会のキム・サン=リー氏はBBCに対し、「病棟の気温は30度を超えている。看護師が体調を崩してもうろうとし、集中力に問題が出ている」と話した。

「薬剤の計算に関する決定や体を使う業務全般など、患者の世話に影響が出ている」

英国の国民医療保険制度、国民保健サービス(NHS)のウェブサイトには、熱中症や熱射病についてアドバイスを求めるアクセスが集中している。熱中症対策を調べてアクセスする人数は7月23日時点で23万611人と、昨年7月の5万2143人から4倍以上になっている。

ロンドンでは24日、サディク・カーン市長が「高」レベルの大気汚染警報を発令した。

ロンドンでこの警報が出るのは過去6カ月で2回目で、カーン市長はロンドンの大気汚染は「公衆衛生の危機」だとしている。

イングランド中部ダービシャーのチャッツワース・ハウスでは、熱波の影響で17世紀の庭園がよみがえった。枯れた芝の下から、かつての花壇や道の跡が浮かび上がったからだ。

この庭園を管理するスティーブ・ポーター氏は、芝の下に1699年までさかのぼる意匠が隠れていると知っていたという。

1976年にも猛暑

英国は1976年にも記録的な猛暑に見舞われている。

今年はこれまでに9日連続で最高気温30度以上に達したが、1976年には18日連続で英国内のどこかで同30度以上を記録した。さらに当時は、同32度以上が15日間、連続した。

デイビッド・シュクマンBBC科学編集長によると、1976年には当時の労働党内閣が渇水担当大臣を設置し、国民に水の節約を呼びかけた。ただし、デニス・ハウエル氏が任命されて間もなく、大雨が降り始めたため、新大臣は着任から10日もしないうちに「洪水担当」になった(ハウエル氏はその2年後には、「雪担当」大臣にもなった)。

(英語記事 Temperature record could be broken this week