夏と言えば高校野球だ。高校球界も対応に余念がない。滋賀県予選では、7月21、22日に4試合ずつ行う予定だった3回戦を午前開始の2試合のみとし、21-24日の4日間に分散した。暑い午後の時間を割けたことになる。

 京都府予選では、午後1時半に開始予定であった第3試合を午後4時開始とし、第4試合は午後7時からのナイターにした。この日の最高気温は38・7度だったという。

 おそらく全国各地で、同様のことが起こっているだろう。真夏のスポーツの在り方が変わりつつある。

 全国高校野球選手権を主催する日本高校野球連盟と朝日新聞社も対応に余念がない。7月19日に各都道府県の高野連に対し、熱中症対策に万全を期すように呼び掛けた。

 全国選手権では、スポーツドリンクや氷囊(ひょうのう)も準備するそうだ。1日あたり14-8人の理学療法士を待機させ、全身状態もチェックするらしい。朝日新聞は7月19日の記事で、彼らの取り組みを大きく報じている。

 朝日新聞の真意は分からないが、私はこの記事を読んで唖然(あぜん)とした。選手を守ろうという点で、滋賀県や京都府の高野連の対応と全く異なるからだ。
捕手の防具は仲間が着け、当人は水分補給=2018年6月2日(岩崎吉昭撮影)
捕手の防具は仲間が着け、当人は水分補給=2018年6月2日(岩崎吉昭撮影)
 もちろん、氷嚢(ひょうのう)やスポーツドリンクを用意すること、メディカルスタッフを待機させることが悪いとは言わない。ただ、そんなことをしても、熱中症を予防するのは限界がある。もっとも有効なのは、滋賀県や京都府の高野連がやったように、炎天下での試合を避けることだ。具体的には午前の試合開始を早め、午後は夕方からに遅らせることだ。おそらく、朝日新聞にはテレビ放送など大人の都合があるのだろう。

 今年で100回目を迎える夏の全国高校野球選手権大会は、わが国を代表する国民的行事だ。この大会を通じ、毎年スターが誕生し、そこからプロ野球やメジャーリーグで活躍する人物が生まれる。この大会は、わが国の野球を支える「ふ卵器」のような存在だ。この大会がなくなれば、わが国の野球は衰退するだろう。

 地球温暖化が進み、猛暑が常態化した日本で、夏の全国高校野球選手権大会はどうすれば続けていけるだろう。今こそ、球児の健康を第一に考え、その在り方を問い直すべきだ。