9月に自民党総裁選を控えている安倍晋三首相だが、西日本豪雨の夜に衆院赤坂宿舎で行われていた酒盛り(7月5日)、いわゆる「赤坂自民亭」で批判を浴びた。そのため、「総裁選より災害対応」をアピールするために、総裁選出馬表明を延期する方針だと報じられている。だが、「被災者優先」は口先だけだ。

 安倍首相は国会後半、岸田文雄・政調会長との「和食会談」(6月18日)や麻生太郎・副総理兼財務相、二階俊博・幹事長との「ステーキ会談」(6月20日)など積極的に実力者との会合を重ねてきた。今回の赤坂自民亭の出席も「竹下氏取り込みが目的」(側近)だと見られている。

「総理は一気に総裁3選を決めてしまおうと約束手形を乱発している。岸田さんには“総裁選に出馬しないなら、どこでも望むポストを”と幹事長起用を匂わせ、麻生さんには“政権が続く限り副総理兼財務相に留まってもらいたい”と説得、二階さんには“これからも幹事長として党の重しとなってほしい”と喜ばせている」(細田派議員)

 それでは幹事長が2人になってしまうが、さらにもう一枚、竹下亘・自民党総務会長にまで約束手形が切られたという。

「総理が一番気にしているのが竹下派の動向だ。ここが石破支持に回ったり、岸田に出馬をそそのかすと厄介だ。そのため官邸の安倍側近からしきりに竹下幹事長説が流されている」(同前)

“毒まんじゅう”も登場する。安倍自民党は参院定数を6増する公選法改正案を国民の批判を承知で成立させたが、これも総裁選対策のひとつという見方が強い。元参院議員・脇雅史氏の指摘だ。
2018年5月、自民党石原派の派閥パーティーで石原前経済再生相(右)と握手する安倍首相=東京都内のホテル
2018年5月、自民党石原派の派閥パーティーで石原前経済再生相(右)と握手する安倍首相=東京都内のホテル
「今回の参院の選挙制度改革の内容は参院自民党の党利党略そのもの。安倍総理も筋が通らないおかしな制度だと思っていると推察するが、総裁選やその後の政権運営で参院自民党の支持を取り付けたいから、彼らのいうままに目をつぶって成立させたのだと思う」

 自民党の参院議員はこの“毒まんじゅう”を喜んで食べたが、毒が回るのは定数が増える議員の給料を払わされる国民なのだ。

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